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アメリカ大企業経営者たちの口ぐせ。「Control your own destiny, or someone else will.」

こんにちは、外資系企業2社の日本代表を務め、現在はリーダーシップコーチの西原哲夫です。

私は新卒で日系企業に勤めていましたが、30歳でMBAに通ってから、卒業後約10年弱にわたって外資系であるアメリカ企業に勤めました。

2社の日本支社代表も勤めましたので、本国のアメリカ人経営者たちとは非常に近い距離におり、公私ともにさまざまな場面でお付き合いをさせていただきました。

その中で、アメリカの大企業経営者たちが頻繁に使っている口ぐせに気が付きました。

そういった口ぐせに触れていると、なるほど業績を上げ続けられることにも不思議はないなと思うようになりましたので紹介します。


「Business is a contact sport」ビジネスはぶつかり合いのスポーツだ

一つ目は、「Business is a contact sport」という言葉です。

「Contact sport・コンタクトスポーツ」という言葉は聞き慣れないかもしれませんが、コンタクト、つまり肉体的な接触のあるスポーツということです。

たとえば、ラグビーやサッカー、そしてアメフトやアイスホッケーなどがそれにあたります。

イメージ通り、試合中はガンガンとお互いの身体をぶつけ合いながら、得点を上げることを競います

アメリカ大企業の経営者たちは、ビジネスをこのようなぶつかり合いのスポーツに見立てているのです。

勝つために徹底的に相手の弱点を考え、そこを突き続け、それと同時に自分たちの強みをどんどんと全面に押し出しながら攻撃を続けるのです。

ぶつかり合いのスポーツですから、相手への不必要な優しさや配慮などありません。

スポーツですので、勝利という結果を出すことがすべてであり、そのために必要なことは何でもするということです。

ただ、スポーツとしてのルール、つまり法律や倫理観なども徹底的に重要視しています。

少しでもルール違反があると、一発レッドカードで退場ということもありました。

私がエマソン(アメリカのFortune500大企業)のアメリカ本社で入社した際に人事担当者(アメリカ人)から言われたことが今でも忘れられません。

当社はビジネスをする上で倫理的であることを最も重要視しています。

「ですから、何かあった場合には白黒ハッキリさせます。」

グレーは黒として処分しますので、あらかじめご注意ください。


「Play to win」勝つために試合をする

ビジネスはコンタクトスポーツ、ぶつかり合いのスポーツだということで、合わせてよく使われていた口ぐせが、

「Play to win」、勝つために試合をする、というものです。

こちらは非常にシンプルな意味なのですが、「試合に出るということは、勝つためであって、そのために自分の全力を尽くす」という意味です。

「参加することに意味がある」とか「負けたけど良い試合だった」などという言葉とは一線を画すものです。

負けも引き分けも一切念頭にはありません

ビジネスはスポーツですので、「勝つため」にやっているというわけです。

ですから、常に「勝つためにはどうするか?」「本当にそれで勝てるのか?」「それ以外にも勝つための選択肢はあるか?」「リスクをおさえて必ず勝つために見落としている視点はないか?」など、本当にくどいくらい、勝つことに執着して仕事をしています

私が当時の幹部たちに新しい提案をプレゼンテーションした際にも、よく質問をされました。

「ストーリーは良さそうだけど、それで本当に勝てるのか?」「本当に結果は出るのか?」

ロジックを超えた真剣勝負の気概が求められることを強く感じました。


「Get things done」必ずやり切る・結果を出すために働く

3つ目は「Get things done」、必ずやり切るという意味です。

結果を出すために働くと言い換えても問題ありません。

Play to win、勝つために試合をする、という言葉と近しい意味合いですが、目標や行動計画を決めたら、それを必ず実行するというマインドです。

これはビジネスパーソンが当たり前に持つべき姿勢なのですが、その一方で洋の東西を問わず「仕事は適当に」「言われたことだけやればいい」「期日を守れなくても仕方ない」という姿勢をもった人も一部おり、それに対するアンチテーゼです。

もちろんどんな仕事でも、当初描いていた通りに進むことなど、ほとんどありません。

しかし、それに対して「仕方ない」や「あきらめる」と考えるのか、それとも「どうにかしてやり切る!」と踏ん張って取り組むのかで、結果が大きく異なることは明らかです。


私がMBAを卒業しアメリカ現地で就職したばかりの頃のこと。

新しいアメリカ人上司とミーティングをしていた時に、「これからどのような頻度・内容でレポートをしてほしいか?」と、私は上司に質問しました。

するとその上司から、

「テツの好きにしてくれ。自分はテツのことを細かくコントロールするつもりはない。だって、お前はこれまでも“Get things done”の姿勢で仕事をしてきたのだろ?」

と言われたのです。

私としては、「どのようにレポートしてほしいか?」と上司である相手の考えを尊重したつもりでした。

しかしそれに対して、「上司がいようがいまいが、お前は自分で自分の仕事をやり切り結果を出すんだろ?」と切り返されたわけです。

さすがにこの時はピリッと背筋が伸びましたし、甘えが許されないことを悟りました。


「Control your destiny」自分の運命は自分でコントロールする

「Control your destiny, or someone else will」という言葉を聞いたことがありますか?

これはかの有名な、20世紀ナンバーワンの経営者であり、元GEのCEO、ジャック・ウェルチ氏の言葉だと言われています。

「自分の運命は自分でコントロールせよ、さもなくば他の誰かにコントロールされるぞ」という意味です。

ビジネスに関わっていると、いろいろなことがあります。

良いことも悪いこともありますし、思いもよらないサプライズも起こることがあります。

追い風が吹くことがあれば、向かい風が吹く時もあるのです。

ただ、どのような風が吹く中であろうと、自分の進むべき道を自分で決め、その道を自分の足で歩いていこう、というメッセージです。

時として、ボス・上司から理不尽な指示が来たり、顧客から非現実的な要望が寄せられたりすることもあるでしょう。

それらに対して受け身になってしまうと、しんどい気持ちになることは、誰にでも思い当たる節があると思います。

それに対して、自分が上司をどのようにリードしたいか、自分がどのように顧客満足を提供したいかということを、能動的で前向きに考え取り組み続けることで、精神状態はポジティブになりますし、良い仕事もできるというものです。

ついつい考えることや行動することをサボってしまうのが人情ですが、それをすると自分自身に対するコントロール権を他者に渡してしまうことになります。

すると、自分の信じる価値観とは異なる仕事が入ってきたり、自分のペースを奪われたりするので、良い仕事などできなくなってしまいます。

ですから、自分の運命、つまり、自分の仕事は自分でコントロールすることが、非常に大事だという教えです。


まとめ

今回は、私が約10年にわたって関わって来たアメリカ大企業経営者たちの口ぐせを紹介させていただきました。

どれも仕事に対するマインドセットや取り組み姿勢を説くような意味合いのものです。

仕事はぶつかり合いのスポーツだし、勝つために取り組む

そして、自分の運命(仕事の結果も)は自分自身でコントロールするんだ!という気概が十分に伝わってくるものではないでしょうか。


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