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第107話あとがき 花の四十路前

唐突に始めた書店のアルバイトももう1年半になりました。
とてもいい職場なのですが、大学生のアルバイトも多く、この1年半のうちに就活や就職で何人も入れ替わっていき、じわじわと古株への道を歩んでいる今日この頃です。来年にはなんと遅番で私が一番古株になってしまうそうです。
いつまでもペーペーでいたいけど、40も目前に迫るとそうも言ってられないですね。
思うに、大学生の子たちが生きている時間の速度と、39歳の私のそれとでは、全然違いそうです。私は、この1年半を体感としては半年くらいの感じで生きてるんですが、大学生の子達は、もっと濃密にいろんなことに出会い悩んで戦って消耗して生きてる気がします。
と考えると、年をとるということは、なんとなく、「省エネで物事に立ち向かえるようになること」と言ってもいいように思います。
初めて経験することは、先が見えなくてとても消耗するものだけど、年を重ねるにつれて、だんだんとそういうものが少なくなっていき、先のことがおおよそわかる。だから全力で悩んで戦う必要がない。
大学生の子たちと比較すると、なんとなくそういう感じになってきたんだな、ということがわかります。
先が見えないって不安ですよね。
常に臨戦体制を保っていなければならない。どう転ぶかわからない。
「この先どうなるかわからない」というのは老いも若きもみんな同じだけど、悩んで変わるものでもないっていうことがわかっていると、ただ、目の前にある「やるべきこと」に専念できる、みたいなところがあるんでしょう。
私も若い時はきっと日々消耗しながら生きてきたんだろうし、先人たちからすれば、まだまだ余計な悩みや心配事を抱えているように見えるのかもしれないけど、年を取るのは楽しいもんだな、と実感し始めたところです。
30代、人生で一番楽しかったけど、40代はもっと楽しくなりそうだな、と思います。
不思議ですね。

あとがきに参りましょう。

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