56. いままで味わったことのない感動が十分に伝わってくる
2019/1/23 Vienna
朝起きて窓から外を見てみたら、薄く雪が積もっていた。この2ヶ月のヨーロッパ滞在で積もっている雪を見たのは初めてだ。
外は相当、寒いのだろうと気温を確認すると、昨日より一度低いマイナス6度。なかなか外へ出る気のしない気温である。
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そうはいってもせっかくウィーンに来たのだからと、10時ごろからがんばって街なか散策に出かけた。適当に歩いていると美術館や博物館が密集している観光の中心地っぽいところへ出てきた。
でもこの辺で寒さが限界となり、カフェで暖を取ることに。エスプレッソのダブルを注文すると、水をつけてくれた。オーストリアはエスプレッソに水をつける習慣があるのだろうか。
少し暖まってきたので再び外へと出る。とりあえず目的地をオーストリア国立図書館へ定めた。
アイルランドのダブリンでも図書館へ行ったし、パリでは書店巡りをした。自分ではそれほど認識していなかったけれど、本という物体が好きなんだなあと再確認した。
マップを見ながらでもなぜかなかなかたどり着けず、到着するころにはすっかり体が冷えてしまった。
18世紀に建てられたこの図書館は、天井のフレスコ画など美しいゴシック様式の建築で知られている。図書館というからには本も読めるのかと思ったら、書架へは立入禁止。まあ当然か。
建築は美しいのだけど、長さ80メートルほどの図書館を見るだけで8ユーロの入場料はちょっと高い気がした。でもまあ、ダブリンのトリニティカレッジ図書館も同じような感じだったなと思い返す。
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そのあとにはウィーンの目抜き通りであるケルントナー通りへ行く。このへんで寒さが限界になったので、大きな衣料品店でニット帽を買うことにした。
10ユーロくらいの手頃なものを見つけレジへ行く。すぐにかぶりたかったので、「プライスカードを取ってもらえますか?」と頼んだらすぐに応じてくれた。ベルリンでもこういう風に頼めば嫌な思いをしなくて済んだかもしれない。
ニット帽をかぶると体感温度がかなり変わってくる。ようようとした気分で歩いていると、ウィーン国立歌劇場(いわゆるオペラ座)まで出てきた。
「今日の公演が見れないかな?」と期待せずにその場でネット検索してみると、毎日、立ち見席が売られているようだ。値段は10ユーロ以下とリーズナブルで、しかもドレスコードはないらしい。
これはよさそうと夕方に再びオペラ座へ来ることに決め、いったん宿へ戻ることにした。
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この日の演目はウィリアム・シェイクスピアの「ファルスタッフ」。恋愛を題材にした喜劇のようだ。開演は夜7時。ウェブサイトでストーリーを調べ予習してから、夕方6時くらいにオペラ座へ行ってみた。
立ち見席の券売り場はすぐに見つかったのだけど、ダフ屋のおっちゃん2人が目に入った。試しにどのくらいの値段なのか聞いてみることにする。
おっちゃんひとりに声を掛けて、「いくらですか?」と尋ねると「40ユーロ」と返ってきた。ちょっとイメージより高かったので、「やめときます」と言うと、「いくらなら買うの?」と質問された。
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