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36. おそらくその多くが、ぼくと同じようにバルセロナを目指すのだ

2019/1/3 Madrid→Barcelona

今日はバルセロナへ移動する日。バスの時間に間に合うよう朝7時半に起きた。部屋を出るとリビングはまだ暗いまま。Maryは寝ているようだ。

物音を立てないよう身支度を整え、バックパックに荷物を詰めた。Maryの家を出るときに薄暗がりに向かって、「Thank you, Mary. Gracias.」と声を掛けた。返事がない。夜中も咳の音がしていたので、かなり調子が悪いのかもしれない。返事のないまま、静かにドアを開けて部屋をあとにした。

バルセロナへはバスで移動することに決めていた。時間は7時間ほど掛かるが、一度長距離バスを体験しておこうと思ったのだ。特に問題ないようなら、これから積極的に使っていくつもり。

バルセロナ行きのバス乗り場は、地下鉄Avenida de América駅からすぐのところにある。駅を降りるとAlsaというバス会社への順路が出ていて、迷わずに到着することができた。

少し早めに着いたので、駅の売店でクロワッサンとカフェラテを飲む。待合場所にはバックパックを担いだ人たちが大勢いた。おそらくその多くが、ぼくと同じようにバルセロナを目指すのだ。

バスへ乗り込むと隣に座っている女性とその真後ろにいる男性とが話をしているのに気づいた。「知り合いなのに席が離れ離れになったのかな?」と思い、後ろの男性へ「よかったら席をかわりますか」と尋ねた。

二人とも喜んでくれて交代することとなった。後ろの男性は窓側に座っていたので、ぼくとしても通路側から窓側へ移れるのでありがたい。

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