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前橋はトンカツだけじゃない(不惑と知命のあいま Vol.18)

\ 2025年2月17日号 /
(毎週月曜発行)

❶ 今週の1枚

|一週間で一番印象に残ったことを写真を添えて|

やっなこっと思い出して〜
やっなこっと思い出して〜

と、6歳の長男がしきりにあっちのけんとさんの「はいよろこんで」の1フレーズを繰り返して歌ってくるので(サビの有名な「ギリギリダンス、ギリギリダンス、踊れ〜」のところではない)、こちらも常に耳から離れずつい口ずさんでしまう今週は、群馬県前橋市へ行ってきました。

前橋と言えば、ソースカツ丼や焼きまんじゅうがご当地グルメとして有名ですが、最近ではメガネブランドJINSの社長田中さんの出身地ということもあり、田中さんを始めとした色々な方々が話題の地域活性プロジェクトをいくつか手がけている地域でもあります。

田中さんが買い取ってリブランディングした白井屋ホテル、その裏にあるブルーボトルコーヒー、ポートランド発の人気パスタ屋GRASSAなど、素敵な場が多くあります。

地域活性プロジェクトには、中心となって旗を振っていくキーマンが非常に重要であると経験上からも思うのですが、キーマンの持っている素養として結局大事になってくるものの一つは資本力だと思わされる場面が過去に何度もありました。

周りを巻き込むためのエネルギーや人徳も当然大事なのですが、それと同じくらいプロジェクトを動かす「自己資金」は大事だと思います。

地場の盟主や、自治体などプロジェクトを動かす上で必要な資金を引っ張ってくる交渉力やバイタリティがあれば良いのかもしれませんが、いくらそういった力を持っていても、偏見や気分、風潮、時間など見えない空気感によって流れが変わってしまうことはありますので、何か変化をもたらしたい時には、自分自身にある程度の資本力があり、同調する少数だけでもまずはすぐに切り開いて実行していく力が必要だと思います。

結局お金かい、と思うところもあるのですが、大前提としてもう一つ必要なものはセンスです。
日本の自治体あるあるですが、ハコモノ作ってコンテンツが何もない、なんていう事業に数億円、数十億円と税金が使われています。
だから資本力があっても、お金の使い方のセンスがなければ地方創生はうまくいかないです。

今より右も左も分からない20代。
地方出身でもない若造が、田舎の地域というものに入り込んで、公私混同でガムシャラに地域活性化プロジェクトに取り組みました。
2,000万円、1億円、と資本力の前に涙をながした仲間を思い出す度、過度な力はいらなくとも、ある程度の発言権がある力は必要だなと思い返されるのです。

やっなこっと思い出して〜。


❷ 40代の抗い方: 「RYT200について」

|健康面や仕事面など歳を重ねるほどその歳に抗いたくなる行動について|

4年前に全米ヨガアライアンス協会が認定をしているヨガインストラクターの資格「RYT200」に合格をしました。
ヨガのライセンスとしては一番メジャーなライセンスとも言える、実技と座学が体系化された最適な講座です。

4年前はコロナ禍真っ只中。
当時少し時間が空いたので、敢えて外に出て何かやろうと思い、ふと街中で目にした看板からヨガ教室に通い始めました。
その初回のクラスで、「来月から半年かけてヨガ講師の養成講座をスタートするのでやりませんか?!」という先生からのお誘いに、どうせ毎週ここのヨガ教室に通うのだからと思い、その場で養成講座のクラスに申し込みをし、次月からヨガ経験たった数回の鋼のような身体の固いど素人が通い始めることになりました。

講座には、資格だけは持っていないヨガ講師やピラティス講師などの経験者、ダンサー、バレエ経験者、ヨガ歴数十年などの方々もおり、何かしらヨガやスポーツなど、身体の動きに関することを生業としてやってきた方々が多くいました。
なので、予想通りクラスの中では一番覚えが遅く、ついていくのが必死。
ただ、先生も周りの皆さんも、30代後半のおじさんに優しく接してくれて、和やかな空気のなか取り組むことができました。

講座は実技と座学の二つを1日の中で3時間ずつ交互におこないます。
実技の練習は身体の固いおじさんにとってはキツく、一見リラックスした感じで簡単にやってそうなヨガのポーズも、続けていると筋肉が痙攣し、次の日から筋肉痛なんてことはほぼ毎回でした。

例えば、ダウンドックというよく出てくる基本的な腰を上げた四つん這いに近い姿勢。(子どもへは犬のポーズと伝えている)
肘から上は外側へ回転させ、肘から下は内側へ回転させ、手のひら大きく開き・・というように腕一つとっただけでもパーツに分けて自分の身体を動かさなければならないので、超合金の戦隊モノのおもちゃをイメージして、自分の身体をパーツごとに分けて稼働しようとしていました。(指示通りに動かせているかは正直分からない)

座学はアーサナ(ヨガのポーズ)のための解剖学や、ヨーガスートラと呼ばれるヨガの真髄に触れる経典の理解、実技の振り返りや定期テストなど、時に睡魔と戦いながら興味深くこなしていきました。

心に響く言葉がたくさんあります。

身体や精神機能の向上を目的として始めたヨガなので、RYT200取得者としての全米ヨガアライアンス協会への登録は、必要に迫られないものであったのでだいぶ放置していたのですが、そろそろ登録をしてみようかと思う今日この頃です。
毎朝の日課でもある1/2の太陽礼拝も、いつからか屈む姿勢が億劫になってしまったので、フルの太陽礼拝に持っていくための気持ちをそこから作っていこうと思います。

ちなみにヨガの聖地といえば、インドやオーストラリアのバイロンベイなどを思い浮かべますか、日本にもヨガの聖地があったんですね。

種子島だそうです。
ヨガと夕日と鉄砲、ぜひ行ってみたい。


❸ 日の目を少しでも: 「Mga Likha ni Inay (2015年)」

|過去にボツになった作品にスポットライトを当ててみる|

フィリピンの首都マニラから車で1時間ほどのところにあるSan Pablo city。
そこを拠点としたCARD MRIというマイクロファイナンスを主軸にしたフィリピン大手のNGO団体があります。

2015年に約1カ月、研修と新たなビジネスチャンスというかなり無理のある理由を当時勤めていた会社へ通し、有給消化とかではなく出勤扱いのまま渡航しました。
滞在中は、CARD MRIの本店事務所の一角にデスクをお借りし、そこでマイクロファイナンスの研修をしていました。 

CARD MRIは、20以上の営利や非営利の団体や会社をグループに持っており、マイクロファイナンス事業だけではなく、保険や薬局など他の事業も多角的におこなっています。

その中にマイクロファイナンス事業の顧客が、借りた資金で生産したプロダクトを管理する会社がありました。
生産したプロダクトには、ハンドメイドのカバンや服、コーヒー、乾き物のスルメなど様々なものがありました。
それぞれの生産者がバラバラに販売しているので、マイクロファイナンス事業の顧客管理や販売網の一つという意味で、これらのプロダクトを一つのブランドとしてまとめたのがMga Likah ni Inayでした。

パッケージデザインやwebなどブランド全体のデザインのアイデアを出したところで帰国になったので、それ以降このデザインが使われることはおそらくなかったと思いますが、生産者の思いや期待を聞いて回る日々はとても良い経験でした。


◾️著書

◾️不惑日記

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