No.158 「節分・我が家の催し」
節分。
子どもの頃、我が家では楽しみな行事があった。
「福は~、うち」「鬼は~、そと」
家じゅうのの豆まきが終わると、家族全員が居間に集まる。
そして、居間の電気を消し部屋を真っ暗にした後に、父親が、「福は~うち」「鬼は~そと」と、居間中に行事用の豆・落花生をまく。
その後、「よ~い、どん」で、家族全員が、真っ暗な部屋の中で豆を集めるのである。
複数の豆には、事前に数字が書かれている。
数字が書いてある豆を取った人には景品があり、父親から景品が渡されるという催しだ。
小学時代、この催しを心待ちにしていた。兄弟で取り合いの喧嘩になったり、真っ暗の中ぶつかって大きなたんこぶを作ったり、好きな景品のトレード交渉をしたりと、スリルでエキサイティングな行事だった。反抗期の中学時代、大人ぶっていた高校時代も我が家では続けられた。
その日ばかりは、夢中になって豆を集めていた自分が懐かしい。
5歳になった娘に、この催しのルールを説明してみた。身を乗り出してやる気満々になった。
勝気で負けず嫌いの娘。父親にそっくり。(笑)
取り合いの喧嘩、たんこぶ、景品のトレードと、在りし日の風景が広がった。
2014年2月