No.236 「実感の欠如」
新型コロナウイルス感染の影響を受け、コミュニケーションのデジタル化がこれまで以上に進んでいる。
オンライン授業、オンライン会議、オンライン飲み会が大流行。
はたまた、オンライン旅行、オンライン留学まで飛び出した。
アナログコミュニケーションの重要性を説く私に、「時代はオンライン」と鼻高々に迫る輩もいる。
オンライン授業をやってみた。
授業をやっている「実感」が伴わない。
オンライン会議をやってみた。
いい仕事にするぞ! 素晴らしいものを作り上げるぞ! という「一体感(実感)」が伴わない。
オンライン飲み会もやってみた。
アトラクションみたいに楽しい。でも、その人間と会っている「実感」がない。暫くすると、虚しさが心に灯る。
オンラインを否定している訳では全くない。むしろ、このような緊急時に果たす役割に恐れ入っている。
しかし、人はオンラインコミュニケーションでは満足できない。必ず虚しさや空虚感を伴う。
人は実体験がなければ「実感」できない。どれだけテクノロジーが進化しインターネットで世界中の人と繋がっても、個としての実感には至らない。
デジタルコミュニケーションの恩恵を受けている今こそ、アナログコミュニケーションの醍醐味を再確認する良い機会だ。
2020年6月