福音館古典童話シリーズ

福音館古典童話シリーズをご存知だろうか。

小学校高学年からの児童向けの名作シリーズである。他の児童向けよりもしっかりした分量があり、読み応えも十分だ。

私は小学校低学年のときに、この福音館古典童話シリーズの『あしながおじさん』を持っていた。誰が買ってくれたのかもわからなかったが、とにかく本の装丁が渋いことが気に入り、また内容も楽しかった。私は孤児ではないが、家庭内に問題を抱えていたため、ジュディの自由な大学生活が本当に憧れだった。
だが、初めて読んだときは、幼なすぎて恋愛の機微がわからず、「あしながおじさん」の正体に気づかないままだった。そこには興味がなかったのだ。何度も読み返していたのに。数年後、あるとき、ハッとラストの意味に気づき、なんでいままで気づかなかったんだろうと面白かったのであった。

そして5年生くらいになって、あるとき突然、私は「古典をきちんと読んでいくのってかっこいいのでは」と思い始めた。大抵私の読書の動機は「かっこいいから」である。
そこで『あしながおじさん』同様、図書室にある福音館古典童話シリーズを少しずつ読み始めた。分厚い本がたくさんある。かっこいい。

私が本を読んで初めて涙を流した作品が『レ・ミゼラブル』である。
それも、福音館古典童話シリーズで読んだのだった。また他の機会で書きたいが、コゼットの苦難の一部分は私も共通するものであったし、壮大な歴史と絡まったコゼットの一生、たくさんの登場人物たちの人生に、私は、初めて、小説で、泣いたのだ。

古典、面白いしすげえじゃん、と、私は図書室にあるぶんはほとんど読んでしまった。しかし今調べると、記憶にあるものも、ないものもある。40冊も流石に読んでない。あれ、この作品はなかったっけ?と思う。今は出てないだけかしら。

その中でも、若草物語、ピーター・パンとウェンディ、ガリヴァー旅行記、ロビンソン・クルーソー、海底二万海里……あたりがお気に入りだった。
そういえば、『あしながおじさん』でもジュディが古典をしっかり読んでおくことの重要性を書いていたではないか。私はわかりやすく影響を受けていたのかもしれない。

ありがとうジュディ。



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