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次世代の環境配慮型素材について

今日は少しマニアックですが、次世代環境配慮型素材についてまとめてみます。
一昨日の新聞に、ダンボール業界最大手のレンゴーが「セルロース粒子」を増産するための新プラントを福井県で稼働させるという記事が出ました。
レンゴーはダンボールをはじめとする板紙、パッケージ分野だけではなく、機能性素材などの原料開発も行っている企業です。

セルロース粒子とは

近年、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な問題となっています。
石油由来のプラスチック製品は、自然分解することが難しいため、適切な廃棄やリサイクルをしないことによる問題が各地で深刻化しています。
プラスチックはそもそも、安価で強度も高く、成形加工や量産がしやすい非常に便利な素材です。
しかし、上記のような環境に与えるダメージが問題視されるようになり、各社が代替素材の開発に取り組んでいます。

その中でもレンゴーでは木材由来の「セルロース粒子」を開発しており、様々な製品に活用されています。
木材を由来とするセルロース粒子は、土壌中だけでなく海中でも微生物の働きによって水と炭酸ガスに分解される、環境にやさしい素材です。
製品として応用される場合、マイクロメートル単位に細かくし、セロファンや化粧品の原料、香料や樹脂の添加剤としても幅広く使用されています。

プラスチック製品の新たな代替素材として注目されるのがセルロースなのです!

バイオマスプラスチックはどうなの?

一昨日の記事を読んですぐに疑問に思ったのが、バイオマスプラスチックと何が違うの?ということです。
せっかくなので復習の意味も込めて調べてみました。
バイオマスプラスチックは、植物を由来とするプラスチック原料です。
畑で作られるとうもろこしやサトウキビなど、でんぷんを多く含む穀物を原料に作られます。
今回のセルロースと敢えて地球環境対策という面で比較すると、バイオマスプラスチックは、実際に畑で作り食べられる食糧から精製されるため「人類の食糧問題」にバッティングしてしまう可能性があります。
さらに、穀物価格は時期変動するため安定した生産コストとして組み込むことが難しいというデメリットもありました。
そんな中、食べられないものでも安定して採取できる資源循環型素材として目を付けられたのがセルロースです。

今後の展開に期待

現在、レンゴーのセルロース製品は8割が海外需要と聞き、驚きました。
冒頭記事のプラント増産計画も、欧米をはじめとする環境意識の高いマーケットの需要を見越してのものだそうです。
そういった面では、日本はまだ国民意識としても市場規模としても欧米と比較すると発展途上にあるのではと思ってしまいます。
このような世界に誇る素晴らしい技術や製品がもっと誕生し、世界の食糧問題や環境問題の解決に日本が影響を与えていく未来に期待しています!

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