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2006年の中田英寿になる為、渋谷に行ってきた
毎日更新152日目。
いきなりだが、今日僕は重大な決断をした。
それは何かと言うと
「ロン毛断念」
何週間か前のnoteでロン毛を目指す事を書いていたが、早くも断念の運びとなった。
まあ誰も期待してなかったとは思うが、あまりの諦めの早さに自分でもガッカリしている。
何故諦める事になったか。
理由は2つある。
まず一つ目は「あまりにも道のりが遠い」
ほぼ坊主である僕の髪型「2006年の中田英寿」からロン毛にするには途方もない時間がかかる。
その間の期間をどうしたらいいか分からなかったのだ。
すでに現在、髪が中途半端に伸びてちゃんとシャワーを浴びてきたのに寝癖が付いているように見える奴になってしまっていたのだ。
僕は寝癖を付けて人前に出ない事を信条としている。
なので寝癖と思われるのは非常に心外である。
二つ目の理由は「ある悪夢を見たから」
僕はよく変な夢を見るが、この前凄いピンポイントな夢を見たのだ。
10年後か20年後の僕が長い髪を振り乱して駅の改札に向かって走っていたのである。
たぶん電車に乗り遅れそうなんだろう。
自分で言うのも嫌なのだが、その姿
非常にキモかったのだ。
僕は目を覚ました瞬間
「あ、ロン毛あかん」と気付いたのである。
以上の理由で僕は断念する事を決めたのだ。
というわけで今日はバイトが休みだったので、夕方までは家でゴロゴロし、それから髪を切りに出かけた。
行く先はいつもの千円カット。
僕は電車を乗り継ぎ、渋谷に降り立った。
そう。
渋谷なのである。
僕はいつも千円カットのために渋谷まで行っているのだ。
自分でも何をしているのか分からなくなる時がある。
千円カットのメリットとして、安価ですぐ切ってもらえる事以外に「色んな場所にあるので、すぐ行く事が出来る」がある。
僕の家の近くにも知ってるだけで2箇所はあるのだ。
しかし、僕はわざわざ渋谷に行っている。
これは何故か?
千円カットは千円カットでも各店で微妙に腕の違いがあるのだ。
以前、家の近くの店に行った時、
僕は危うく金色のファルコにされかけた。
金色のファルコとは北斗の拳の天帝編に出てくるキャラである。
その髪型はボリューミーな角刈りという表現がピッタリくるだろう。
気になった方は各自調べて欲しい。
とにかくファルコで「いかがでしょうか?」と鏡を見せられた時は度肝を抜かれた。
その後、手直ししてもらって事なきを得たが
危うく「画 原哲夫」になる所だった。
そんな事があったので最も信頼のおける渋谷店にしか行かないようになったのである。
今回、切ってくれるのは、今まで一番担当してもらった事のある「殺し屋みたいなおじさん」である。
殺し屋みたいなおじさんは非常に腕がいい。
彼なら何の心配もいらない。
僕は大船に乗ったつもりで深々とイスに腰掛けた。
殺し屋みたいなおじさんはバリカンを使いながら、スイスイと髪を減らしていく。
と、その時である。
どこからともなくハチが姿を現した。
ハチはみんなの頭上をブーンと飛んでいる。
その光景を見て僕は思った。
最悪や!
ハチ店内飛んどる!
どうすんねんこれ!
散髪とハチって相性悪すぎやろ!
カットされてたら逃げられへんやん!
僕はめちゃくちゃ焦った。
しかし他の人達を見ると、全く動じていない。
信じられないぐらいドッシリと構えている。
まるで武田信玄の様である。
さすが1,000円カットに来るおじさん達はものが違う。
何が起こっても髪を早く切ってもらう事が最優先なのである。
一人動揺する僕はさらにある事に気付いた。
鏡の中の僕の髪型がどんどんちびまる子ちゃんの永沢くんに近付いていってるのである。
徐々に頭の先端が尖り、あの永沢くんヘアーと化しているのだ。
僕は再び激しく焦った。
ちょっ!
おじさん!
永沢くんになっていってるって!
頭の先端、めっちゃ鋭利になっていってるやん!
おじさん何してんの!?
誰が永沢くんにして下さいって言うたんや!
令和の世に永沢くんはあかんって!
いや、平成の世もあかんかったけどもやな!
おじさん止まってくれ!
しかし、僕の心の叫びはおじさんには聞こえない。
空中にはブーンと飛び回るハチ。
地上では一心不乱に永沢くんに近づけていくおじさん。
めちゃくちゃである。
と、目の前にあるモニターが目に入った。
鏡の下にモニターがあり、そこにニュースなどが流れているのだ。
ニュースにはNHKをぶっ壊すでおなじみの立花孝志氏の写真が映っていた。
それをよく見ると
僕の髪型にそっくりなのである。
そう。
僕がいつもしている髪型は
2006年の中田英寿でありながら、2022年の立花孝志でもあったのだ。
頭上には飛び回るハチ。
一心不乱に切る殺し屋みたいなおじさん。
鏡の中には永沢くん。
モニターには自分とそっくりの髪型。
カオスな状況に、僕はそっと目を瞑った。
「いかがでしょうか?」
おじさんの声で僕は再び目を開けた。
すると鏡の中にはいつもの僕の髪型があった。
おじさんは一度永沢くんにしてから、崩していつもの髪型にしたようである。
いや、何でそんな事すんねん。
何で一回永沢くんを経由すんねん。
「永沢くん経由 中田英寿行き」って変な路線バスみたいな事なったやん。
まあとはいえ、とりあえずいつもの髪型になれた。
ハチもまだ飛んでるはいるが誰か刺しそうにはない。
僕はほっとして店を出た。
そして先程家に帰り、もう一度鏡で自分の髪型を確認した。
ジーっと鏡を見つめながら、僕は思った。
これあれやな。
3割。
いや4割。
永沢くん入っとるな。
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