第2種電工・技能 書きやすく作業しやすい【ゾーン式複線図】 <2>
第2回 ゾーン式複線図の書き方 候補問題No.2
候補問題No.2をゾーン式複線図で書く
まず、No.2の単線図を確認しておきます。
スイッチ1個、負荷3個(うち1個は常時点灯のパイロットランプ、もう1個は施工省略)、コンセントの回路です。
埋込連用取付枠が2つあります。
負荷のうち、パイロットランプは埋込連用枠内で、施工省略のランプレセプタクルはスイッチと同じジョイントボックス内で結線、もう1個は別のジョイントボックスにわたり線を介して結線します。
下図が、No.2のゾーン式複線図による完成図です。
それでは、手順を説明していきましょう。
①ジョイントボックスの記入
最初に、ジョイントボックスを書き、その中を3つのゾーンを下図のように区切ります
接続点(●)を書く際には、線の役割に対応して、以下のように各ゾーンを使い分けます。
②電源と器具を配置
ランプレセプタクルは丸を書き、中にスイッチと連動した記号(イ)を書き入れます
埋込連用取付枠を使用する部分は、縦長の四角を書き、その中に器具を書きます
スイッチ、パイロットランプは、複線図の記号に置き換える必要はなく、単線図の記号のまま●で表します。脇にスイッチに器具と連動した記号(イ)を書き入れます
③電源からの電線(接地側、非接地側)を記入
電源からの電線を書き入れますが、先に、接続点(●)を書いておきます
3つのゾーンは、それぞれのゾーンを下図(左側)のように使い分けます
電源と接続点(●)を線で結びます
電源の電線は2.0mmなので、接続点を○で囲みます。(結果、通常の複線図の握り押しボタンの記号になりますが、あくまで、技能試験対策のための複線図とご理解ください)
電線の脇に線の色を書きます(白の線はW、黒の線はB)
こんな感じになります。
↓
④器具からの線を書き入れ、左側ジョイントボックスを完成させる
接地側の●とランプレセプタクルをつなぎます
スイッチかえり線のための接続点(●)をスイッチかえり線のゾーンに書き、ランプレセプタクルとつなぎます
電線の脇に線の色を書きます(接地側の線は白なのでW、スイッチかえり線は黒になるのでB)
⑤右側ジョイントボックスを書き入れる
まず、コンセントが取り付けられた埋込連用取付枠の部分です。コンセントは接地側と非接地側の線が必要なので、それぞれに対応したゾーンに接続点(●)を書き、埋込連用取付枠とつなぎます。埋込連用取付枠と単独のコンセントの間もつなぎます
電線の脇に線の色を書きます
次に、スイッチとパイロットランプが取り付けられた埋込連用取付枠の部分です。スイッチには非接地側線、パイロットランプには接地側線が必要なので、それぞれに対応した接続点(●)とつなぎます
スイッチからのかえり線のための接続点(●)をスイッチかえり線のゾーンに書き、つなぎます
電線の脇に線の色を書きます
ランプレセプタクルの接地側とスイッチかえり線をつなぎます
電線の脇に線の色を書きます
⑥左右のジョイントボックスをつなぐ<完成>
最後に、左右のジョイントボックス間を3芯のケーブルでつなぐ部分を書き込んで完成です
電線の脇に線の色を書きます。接地側の電線は白、非接地側の線は黒でなければなりません(試験問題の施工条件)。スイッチかえり線に残りの赤をつかいます
※この手順は絶対ではありませんので、やりながら、ご自分のやりやすい手順を見つけてくださって結構です。
⑦リンスリーブの大きさと刻印を判定する
リングスリーブの大きさと刻印は、以下の対応表に従って判定します。この表を丸覚えする必要はなく、「2個、4個まで、それ以上」の区切りさえ頭に入っていれば、感覚的にわかるようになると思います。
No.2にあてはめると、下図のようになります。
複線図に書き込む必要はありませんが、書いた方が安心と思われる方は、書いてもいいと思います。
埋込連用取付枠の結線手順はこちらをご覧ください。
ゾーン式複線図の考え方についてはこちらをご覧ください。
Ⓒnishi morinaga
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