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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉⑩「根性(こんじょう)」
私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。
今回ご紹介する言葉は「根性(こんじょう)」です。
もうすぐ夏の全国高等学校野球選手権大会、いわゆる「甲子園」が始まります。地方の予選から勝ち上がっても、一度負ければそこで敗退となってしまう苛酷(かこく)な戦い。きっとそこに至るまで、語り尽くせない根性物語があるのでしょう。
皆さん、学生時代に「根性を出して取り組んだこと」はありますか?
現在、一般に使われている「根性」には、二つの意味があるようです。
一つは、その人の生まれつきの根本的な性質で、心根(こころね)や性根(しょうね)と同じ意味ですが、「根性悪(わる)」「ひがみ根性」「根性まがり」果てには「根性をたたき直せ」など、どうも悪いニュアンスが漂っているようです。
二つは、厳しい訓練にもくじけない強い気力を指しています。選手たちの根性物語はこの方です。
仏教では、仏の教えを受ける者としての、宗教的素養、能力や性質のことを根性といいます。根性には優劣があって、仏はその人の根性に応じて、教えの内容や説法の仕方を変えたといわれています。
選手のみなさん、日頃の厳しい練習の成果を発揮してください。
『くらしの仏教語豆事典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)より引用
<お坊さんから一言>
私は高校時代に吹奏楽部員として、野球場のスタンドで応援したことがあります。球児の試合に対する熱い思いが伝わってきて、思わずうるっときてしてしまいました。試合に勝ち進んだチームも敗退したチームの部員も、勝つという目標に向かって真剣に取り組んでいます。その必死な思いが伝わるから、人の心を打つのでしょう。厳しい物事にもくじけない強い気力を持って取り組む。その方法は人それぞれですが、何事にも自分の精いっぱいを発揮していきたいですね。
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