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VRアカデミアのPV(2024年版)を作った話

はじめに

おばんです、今回、VRアカデミアのPV(以下の動画)を作成したので、その記録を残そうと思います。

君は誰?

もともと、ニコニコ動画で活動していた動画製作者です。
主に、応用数学の動画を作成しています。

他には、2018年にYoutubeにも動画投稿を始めたのですが、Vtuberブームにのって、応用数学qVtuberを名乗りました。そして、VRアカデミアに出会い、現在は「ふくがくちょー」として運営に関わっています。VRアカデミアについては以前公開した記事を参照ください。

PVを作ることになったきっかけ

実はVRアカデミアのPVは二年前(2022年)に一度作ったことがありました。

このときは、VRアカデミアって何?ということをテーマに作成しました。クオリティーについては、まあまあ満足したので、特に、改めてPVを作り直そうというモチベーションがあったわけではありませんでした。

2023年に同人サークル「まじっくあわ〜」で新作「ようこそカフェ丹学亭」を公開しました。で、その時、制作された新曲(作曲は自分ではない)が、なんというか、神曲だったんですよ、自分的に。

その楽曲は「スターマイン」という名前で、デ作というメンバーが作曲しました。少し脱線しますが、もともと「まじっくあわ〜」は東方二次創作のゲームを制作していた同人サークルで、メンバーは大雑把にはイラストレーター系とDTMer系に分けられまして、デ作はイラストレーター系だったので(正確には彼は漫画描きです)、これまで楽曲はほとんど制作したことがない人物でした。彼が手掛けた数少ない楽曲は2016年発表の「biphasics」に収録されていて公開されています。

脱線なんですが、自分が昔、ニコニコ動画でファンだったsolonさんというDTMerさんがおりまして(すでにニコニコ動画は引退されており、動画は非公開になっています)、彼は公開した動画で以下のようなことを語っておりました(おぼろげな記憶なので意訳であり部分的に不正確かもです)。

(意訳)活動を重ね、自分は多くのテクニックを身につけてきた。しかし、昔作曲した作品を聴くと、当然、拙い部分がたくさん目につくが「なんとしてもその楽曲を良い作品にしてやろう」という「執念」のようなものを感じ、それは今の自分では及ばないように感じる。結局の所、作品が駄作になるか良作になるかを決める、最後の境界線を超えられるか否かは、その執念によるものなのではないか。

もちろん、デ作が楽曲をどんな思いで作曲したのかについては、彼にしか分からないわけですが、自分は、上の話を思い出しました。で、この曲を何度も聞いているうちに、これを使ったPVを作りたくなったわけです。2024年1月のことです。

PVに楽曲を使うことについて許可を下さったデ作と同人サークル「まじっくあわ〜」の皆さんにはこの場をお借りして感謝させてください。

PVを作っているときに考えたこと

VRアカデミアのPVを作ろうと決めたのが1月だったので、PVをVRアカデミアの六周年記念(6/30)のイベントに公開することを目指して作成すると決めました。そのため、まずは、例年3月ごろに開始していた、該当イベント参加者募集を1月に早めることにしました。かなり無茶苦茶なスケジュール感でしたが、およそ30人ほどの参加者を募ることができました。

使用楽曲は確定していたので、PVの流れを考えました。かなり「分かりやすい」曲だったので(作曲者によると「とにかく王道というかわかりやすくキャッチーなもので勉強したいと思ったので、いい意味で馬鹿正直な感じの曲を目指しました」とのこと)、構成は考えやすかったです。オープニング部分、メンバー紹介、動画パートなどの構成を決めて、細かい部分はひたすら音ハメし続けるように作ることにしました。

1月中旬に、上記の構成で、大雑把なラフを作って、がくちょーの八ツ橋まろんさんに相談しました。その際、曲が長すぎるのではないかというコメントももらったのですが、この楽曲を使うことがPV作成の絶対条件だったので、そこは譲らずに、構成を練り直しました。また、3Dモデルを使ったモーション部分を相談したかったので、まずは3Dモーション部分を除くパートをなるべく早めに仕上げることに注力することにしました。

2022年のPVが、VRアカデミアそのものの紹介、という若干真面目寄りな雰囲気だったので、今回はもっと曲に合わせてアニメのオープニングみたいな雰囲気で作成することにしました。基本的には立ち絵などをお借りして作成することになるので、所謂、ギャルゲー系のオープニングムービーなどを参考に演出を考えました。

1月末には序盤のメンバー紹介パートがおおよそ完成したので、1月末くらいから動画素材を募集して、過去に作成したVRアカデミアのCM素材などとあわせて、中盤パートの作成を開始しました。

2月頭には中盤パートまで完成したので、このタイミングで改めてまろんさんに相談。終盤の演出について相談しました。
エンディングで走るアニメは名作!ということで、お借りしたモデルが走る動画をまろん4月中旬にまろんさんから受け取り、4月終盤にはPVの大枠が完成しました。4月28日にVRアカデミアの交流会を開催し、そこで撮影させて頂いた動画をPVのラストにはめ込み完成です。

実は丁度5月のGW中から体調を崩して5/8から入院することになってしまいました(既に退院しています)。既に5月の頭には動画がほぼ完成していたので、入院前に微調整をして投稿したので本番に間に合わせることができました。早めに動いておいて本当に良かったです・・・。

おわりに

このようにして2024年のPVが完成しました。最後に、このPVを作ることを通して考えたことをつらつらと書きます。

もともとVRアカデミアはVtuber黎明期に学術系の発信をするVtuber(その当時は「学術系Vtuber」という概念は無かった!)の集まりとして成立しました。そういう意味では、ある意味「由緒正しい」コミュニティです。

元々、創設期のコンセプト(あくまで私の中での)として、①Youtubeでは短いスパンで作品を投稿し続けないと存在を認識してもらえない、②解説系のコンテンツは創作に時間がかかる、という二点を踏まえ、集団単位で見たときに、投稿ペースを担保できるようなシステムを作る、というものがありました。雑にいうと、例えばX(twitter)でハッシュタグ検索をすると、解説系コンテンツがコンスタントに見つかるような環境(あたかもVRアカデミアというハイペースで解説系コンテンツを発信するVtuberがいる)を構築する。という感じです。

また、理想としては誰かが新しく解説系のVtuberを始めようと思った時にVRアカデミアへの参加が最初の選択肢として挙がり、結果としてコンスタントに新規参加者の流入が確保される。くらいの知名度が欲しかったなぁと言う感じです。

残念ながら、2023年末の時点でVRアカデミアはそのような位置づけにはなりませんでした。学術系Vtuberというジャンルが成立し、学術系の発信をコンスタント行うタイプのVtuberさんは個人としてブランディングをすることが一般的になったと言えるでしょう。少なくとも、初期にVRアカデミアに参加していた多くのVtuberさんは、その道を選びました。対して、現在、VRアカデミアに残っているVtuberさんで、コンスタントな発信を行っている人は少ないです。動画投稿という側面で見たとき、VRアカデミアは数人のハイペース投稿者と、年1,2回ペースで投稿する多数の非アクティブ投稿者からなるコミュニティになったと言えるでしょう(VRアカデミアには視聴者も含むコミュニティという側面もあるため、必ずしも動画投稿という側面だけで評価すべきではないとは思いますが)。

脱線しますが、私の同人活動は2008年3月20日に始まりました。思えば遠くに来たものだと思います。2017年~2018年のVtuber黎明期に私が衝撃を受けたことは「Vtuber活動やVRChatでの活動が人生で初めての創作活動である」という人がそれなりにいたことです。

なんでこんな話をしたのかというと、PVを作りながら、VRアカデミアはこれからどうなるのかな、ということを考えたということです。本来、PVというのは「宣伝(プロモーション)」してナンボなわけですが、今回の制作では、これが宣伝になるのか、ということは一切、考えませんでした。代わりに考えたのは、このPVに参加した人が10年くらい経ってから動画を見直して、自身の活動のことを良い思い出として、思い出して欲しいということです。

長々と何を言いたかったかというと、VRアカデミアに関わった方には、学術と創作の接点としての活動に関わっている時間を大切にしてほしいということです。あとはPVと創立記念祭に参加してくれてありがとうということです。おわり。

せんでん

本当の最後の最後なんですが、実は、2022年と2024年のPVに使用した楽曲は、同人サークル「まじっくあわ〜」の作品として購入できます!!

正直、ほとんど売れてないので、いい曲だと思ったら投げ銭感覚で買ってくれ!

今度こそ本当におわり!

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