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VRアカデミアアンケート(2022年10月)
おばんです。なんとなくバーチャルっぽい人たちのコミュニティ「VRアカデミア」において2022年3月に引き続き、10月にも視聴者アンケートを行いました。ここで、その結果を報告します。
はじめに
まず、VRアカデミアについては以前公開した記事を参照ください。
次に、この記事は経済学系Vtuber室生鏡花氏による分析をベースに書きました。室生鏡花氏による分析の一部は動画として公開されていますので、よければそちらも合わせてご視聴ください。
今回の分析はワンショットのアンケートをもとにしていること、回答者数が少ないことで分析結果にバイアスがある可能性があります。あくまで、報告内容は、今回のアンケートという限定されたデータに基づく推測であることを、ご承知ください。
データ
調査期間は2022年10月1日~10月31日で、Google Formを回答方法として利用した。告知にはTwitterとVRアカデミアのdiscordのサーバー(discordキャンパス)を利用した。回答数は57件であった。質問事項は50項目あり、以下にまとめる。
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※Qa6のVRアカデミアへのメッセージについては、個別のVtuberさんへのコメント等が多かったため、今回の報告からは省略します。
Qa1.視聴者の就業状態
視聴者の現在の就業状態についてみたものが図1である。VRアカデミアの視聴者は社会人が68%であり、もっとも層が厚い。次に大学生16%、大学院生11%と続いていく。高校生は3%、小中学生は2%というように小さい。社会人の中で、より詳細に確認すると、その他を除けば教育関係が16%であり、次がIT技術関連の14%であった。大学院生の内訳をみると修士課程在学中が3%であり、博士課程在学中が5%であり、社会人大学院生が2%である。
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Qa2.VRアカデミアを知ったきっかけ
VRアカデミアを知ったきっかけについてみたものが図2である。「フォローした人がVRアカデミアに参加していた」ことがきっかけであるという回答が38%でもっとも多い。次に「面識がある人経由(VRChatでやり取りがあるなど)」と「知りたいことを検索したところVRアカデミアのコンテンツを見つけた」が21%で同率2位。その次に「twitterのタイムライン」が14%と続いた。
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Qa3.VRアカデミアをフォローしている理由
図3はVRアカデミアの活動をフォローしている理由についてである。最も多いものは「動画、配信を視聴するため」の44%だった。次に回答が多い項目は、「VRアカデミアのコンテンツ制作者だから(きょういん等)」が35%であった。3番目に回答が多い項目は、「面識があるため(VRChatでやり取りがあるなど)」の14%であった。
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※複数に当てはまる場合は以下の優先順位で選択肢を選ぶよう指示した。「①VRアカデミアのコンテンツ製作者だから(きょういん等)」「②動画、配信を視聴するため」「③交流会に参加するため」「④面識があるため(VRChatでやり取りがあるなど)」
Qa4.利用したことのあるコンテンツ
図4はQ4の「利用、視聴したことのあるコンテンツを教えてください」への回答である。まず、図4-1で全体の回答をまとめる。公式ウェブページのからの流入が多いことがうかがえる。次にVRアカデミアのコラボ企画、discordキャンパスが続くが、discordキャンパスへの参加はdiscordの登録が必要であるということで少し障壁が大きいため公式ウェブページのアクセスより少なくなっているものと考えられる。
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利用したことのあるコンテンツ(社会人、大学生、大学院生別)
図4-2は図4-1を社会人、大学生、大学院生、その他学生に分けて集計したものである。
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Qa5.興味がある分野
図6はQ5の「興味がある分野は何ですか?」への回答をまとめたものである。図5-1は興味がある分野について尋ねた結果をまとめたものである。この設問は複数回答を認めており、図5-1では回答者57人を母数として計算したパーセンテージで表記している。最も回答が集まったのは数学で、回答者のうち58%が選んでいる。次いでプログラミング54%、情報科学47%、工学39%と、理工系の分野が多くの回答者に興味を持たれている。
※アンケートにおいて可能な選択肢は「数学」「物理学」「工学」「薬学」「心理学」「化学」「医学」「生物学」「哲学」「言語学」「天文学」「地球科学」「経済学」「歴史学」「芸術学」「民俗学」「社会学」「宗教学」「文学」「教育学」「地理学」「倫理学」「法律学」「建築学」「産業(農学、他)」「政治学」「プログラミング」「情報科学」であった。
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興味がある分野(社会人、大学生、大学院生別)
図5-2から図5-4は図5-1をそれぞれ社会人、大学生、大学院生、その他学生に分けて集計したものである。図5-2をみると、社会人の回答者の過半数が数学とプログラミングに興味があることがわかる。また3割以上の社会人回答者が情報科学、経済学、工学といった分野に興味をもっていると回答している。図5-3をみると、大学生の回答者のうち半分以上が数学とプログラミングに興味があると回答している。次いで宗教学と哲学に興味を持っていると回答した人が多かった。図5-4をみると、大学院生の回答者のうち半分以上がプログラミング、情報科学、物理学、工学、数学に興味があると回答している。
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Qb1.視聴媒体
図6は視聴媒体についてである。「主にPCで視聴している」が72%であった。次に「主にスマートフォンで視聴している」の16%であった。
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※前回のアンケートと同じ選択肢に「タブレットPC」を追加した
Qb2.再生速度
図7は再生速度についてである。49%は倍速視聴を行っていない。倍速視聴を用いている視聴者は23%であった。17%の視聴者は止めながら視聴を行っていた。
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Qb3.視聴タイミング
図8-1は視聴のタイミングについて尋ねた結果をまとめている。この設問は複数回答が可能であった。「別の作業をしながら視聴している」と回答した人は26人でこれは回答者の約46%にあたる。また回答者の3割以上が回答した視聴タイミングとしては、「隙間時間」が23人、「仕事、学業が終わった後」が21人、「土日、祝日」が18人であった。
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視聴タイミング(社会人、大学生、大学院生別)
図8-2は図8-1の視聴のタイミングについて、社会人、大学生、大学院生、その他学生に分けて集計したものである。社会人の回答者のうちもっとも視聴タイミングとして回答が集まったのは「仕事、学業が終わった後」で、次いで「別の作業をしながら視聴している」「土日、祝日」「隙間時間」の順で回答が集まった。大学生の回答者の中では「別の作業をしながら視聴している」がもっとも多く回答された。大学院生の回答者の中では「隙間時間」と回答した人がもっとも多かった。
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Qb4.視聴頻度
図9は視聴頻度について聞いたものである。月に1回、週に2-3回、月に2-3回、週に1回が16%であり、同じ割合だった。毎日見ているという視聴者も5%存在していた。
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Qb5.情報伝達経路
図10は動画や生放送の情報の入手経路についてである。「フォローしている人のTwitter」が38件であり最も多く、「フォローしている人のYoutubeチャンネル」が31件、「discordキャンパスの講義情報」が19件であった。Twitterが情報伝達に利用されていることが分かる。
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Qb6.関心があるコンテンツ
図11-1は視聴するコンテンツの内容である。動画が圧倒的に多く、生放送に比べ2倍ほどの数があった。講座系コンテンツ(ゆるめ)が22で講座系コンテンツ(ガチめ)が21と拮抗している。
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関心があるコンテンツ(社会人、大学生、大学院生別)
図11-2は視聴するコンテンツの内容を視聴者の属性別に分けたものである。社会人では講座系のコンテンツ(ゆるめ)が望まれる傾向にあるが、大学生、大学院生では講座系コンテンツ(ガチめ)が上回っており、属性によって嗜好が異なっている。
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Qb7.視聴目的
図12は視聴の理由についてである。「自身の勉強のため」が最も多く、「娯楽として楽しむため」、「動画による解説が見たいから」と続いた。
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Qb8.今後見たいコンテンツ
図13-1は今後視聴したいコンテンツについてである。最も求められているコンテンツとしては「基本的な知識を知れる講座系のコンテンツ」であった。「専門性が高く難易度が高めのコンテンツ」と「軽く見れる講座系のコンテンツ」が拮抗していた。コラボの希望は少なかった。
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今後見たいコンテンツ(社会人、大学生、大学院生別)
図13-2は今後視聴したいコンテンツについて社会人、大学生、大学院生、その他学生に分けて集計したものである。社会人には「軽く見れる講座系のコンテンツ」「基本的な知識を知れる講座系のコンテンツ」に回答が多く集まった。一方で、大学生や大学院生、その他学生は「専門性が高く何度が高めの講座系のコンテンツ」の回答も多かった。全体的に講座系のコンテンツへの需要が高いなかで、社会人は学生に比べて基礎的あるいは軽い講座コンテンツを求めている人の割合が多いことが確認された。
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Qb9.VAコンテンツを周囲の人に勧めたい度
図14はVRアカデミアの動画コンテンツをどのくらい周囲の人に勧めたいかを0点から10点の11段階評価で尋ねた結果についてまとめている。14人が10点の評価をつけ、もっとも多く回答され、次いで8点評価が11人、7点評価が9人と高得点の評価を回答した人が多かった。ただし、このアンケートはVRアカデミアのコンテンツを視聴している人に聞いているため、点数を高くつけるのは当然であり、驚きに値しない。
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Qc1.視聴者の性別
図15は性別についての回答を集計したものである。男性が68%であったのに対して、女性の回答者は9%と、回答者の男女比が大きく異なることがわかる。
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Qc2.視聴者の年齢
図16は年齢についての回答を集計したものである。回答者の年齢層は16歳から38歳までの年代でほぼ差はないものの、特に20代から30代の回答者が多かった。
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Qc3.視聴者の教育年数
図17は教育年数についてである。無回答が目立つが、18年が最も多く、21年、16年と続いた。大卒や院卒(修士)の16年から18年に集中していた。
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Qc4.視聴者の最終学歴
図18は最終学歴を聞いている。大卒が30%で最も大きかった。次が大学院(修士)で21%、そして大学院(博士)16%と続く。高卒が12%であった。短大・高専・専門学校と中卒が同じ2%であった。
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Qc5.視聴者の世帯収入
図19は世帯年収について尋ねた結果をまとめてある。「200万円~400万円未満」と「200万円未満」がどちらも19%でもっとも多く回答された。次いで多かったのは「400万円~600万円未満」であり全体の12%であった。
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Qc6.視聴者が自由に使えるお金
図20は1か月に自由に使えるお金について尋ねた結果をまとめてある。25%の人が「特に決まった「こづかい」はない」と回答している。次いで多かったのは「5万円~10万円未満」と「1万円~2万円未満」で、どちらも11%であった。
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Qc7.視聴者の動画投稿経験
図21は動画投稿の経験についてである。70%が投稿経験ありと答えた。21%が投稿経験がなかった。
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Qc8.視聴者はVtuberか
図22は回答者がVtuberか否かを聞いたものである。今回のアンケートはVtuberでも回答可能としている。今回の回答者の半数である51%がVtuberであり、非Vtuberが42%であった。図21の結果と合わせて、Vではないが動画投稿者であるという者が2割ほどであると考えられる。
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質問d,e,fに関して
「好きなVtuber/タレント/キャラクター」に関する質問への回答結果の分析は福井工業大学の野澤智行教授による記事
をご覧になっていただきたい。
終わりに
以上をもって、2022年10月に行われたVRアカデミアアンケートの考察を終える。最初に述べたとおり、今回のアンケートの分析結果にはかなりバイアスがかかっていることが予想される。今回は前回のアンケートよりも回答数が減少しており、サンプル数の確保が今後の課題となる。また、サンプル数が少ないが故、twitter等で拡散を行ったVtuberの影響を、結果が強く受けるという実感もあり、この回答者の連続性の問題も今後の課題であろう。これらの課題を克服する方法を考え、継続的に調査を続けていきたい。
最後に、今回アンケート結果を取りまとめるにあたり、VRアカデミアの参加者に多くの協力をして頂いた。この場をお借りして感謝いたします。