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🅿️

PUNPEE。


板橋区出身のラッパー/トラックメーカーで、活動を開始した2002年から現在に至るまで、日本のHIPHOPシーンの第一線で活躍し続けている。
以下、敬愛の意を込めてP氏と呼ばせていただく。


初めてP氏の楽曲に触れたのは大学三年生の頃。
当時私は、P氏の地元である板橋区に住んでいた(今も住んでますが)。


元々HIPHOPには全く興味は無かったのだが、2015年よりテレビ朝日系列で放送された「フリースタイルダンジョン」をきっかけに少しずつ音源を聴き始めた。

ただ、何につけても斜に構えていた私は、
「フリースタイルダンジョンの出演者だったり、なんとなくメインストリームで活躍してそうなラッパーの曲はそんなに良くねえだろう」
と恥ずかしい持論を持っていて、20年ほど前に今の日本語ラップの礎を築き上げたOZROSAURUSやBUDDHA BRANDの楽曲を聴き漁っていた(もちろんそれらもめちゃめちゃ良かったし、今でも好きだ)。

P氏も例に漏れず、いわゆる聞かず嫌いで全く手をつけていなかった。
というか、大学にいたあまり好きじゃない先輩が「PUNPEE良いよー」と言っていたので、絶対聞かねえとすら思っていた。

転機は地元の友人H君と遊んでいた時に訪れた。
H君と私は音楽の話をすることが多かった。H君は色んなアーティストの曲を教えてくれる、私のバイブルのような人だった。

そんなH君が、PUNPEE、5lack(当時はS.L.A.C.K.)、GAPPERの3人で構成されたユニット「PSG」のアルバム「David」を勧めてくれた。
PUNPEEかぁ〜多分あんま好きじゃねえな〜とは思ったものの、信頼できるH君のお勧めだしということでとりあえず一通り聞いてみた。

食らった。

まずトラックがこれまで聞いてきたHIPHOPの楽曲と比較して奇天烈で、そこに乗せる彼らのラップも力が抜けているのに核心を突いていて、衝撃だった。完全に虜になった。聞かず嫌いしてすみませんでした。

そこからは彼らの楽曲をApple Musicや YouTubeで探しては聴き倒した。
どれもカッコ良すぎて、これまで聴いてこなかったことを後悔した。

どっぷりPSGの楽曲に浸かっている中、2017年にP氏が初のソロアルバム「MODERN TIMES」を発表した。


私は発売したその日からしばらくの間、耳にタコができるほど聴いた。しばらくの間というか、2年間ぐらいは聴きっぱなしだったような気がする。彼の楽曲たちは、高まった気持ちをさらに高揚させ、余裕のない心には平穏をもたらしてくれた。

特段不自由もなく暮らしていた大学時代、「音楽に救われた」的なことを語るのは野暮だし興醒めする(特に強烈な人生経験とかを多く歌っているHIPHOPにおいて)と思っていたが、彼らには本当に救われた気がする。 

P氏を始め、日本のHIPHOPの楽曲は日常を歌っているものが多いことも一つの要因だと思うし、リリックが聞き取れなかったりそれ自体に共感できなくても、音として聞き入ってしまうからだとも思う。


じゃあ一体、具体的には何が聞き入らせるのか、を言葉にして残してみたいと思ったが、初めて文を書いてみてかなり消耗したので、体力を回復出来そうな新譜でも聴いてリラックスすることにする。

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