見出し画像

【BNPL】後払い機能のコモディティ化と差別化について【BuyNowPayLater】

【無料で読めます。】
2021/06、色々なニュースが出てきてます。

海外ではKlarnaが5兆円、国内ではネットプロテクションズが900億円ほどに。
Klarnaについては過去の記事から、そんなに時間たってないのに。
https://note.com/nish/n/nb430eead1e0c

このように盛り上がっているBNPLですが、海外BNPLについては模倣が容易なサービスとなっています。
結果として各社が急ピッチで差別化を進めている状況です。

今回は、ヨーロッパのBNPL各社の差別化について紹介していきます。

有り難いことに記者さんやVCの方からご連絡をいただくことが多いです。
ディスカッションなど大歓迎なので、TwitterからDMいただければと思います。
米国上場する企業も出てきているので一応...
本情報の提供は、いかなる意味においても有価証券の取得の申込の勧誘を構成するものではありません。

0.BNPL進出市場のおさらい

画像10

短期の分割後払いに関して言えばアパレルやコスメなどの若者向け商材での導入が進んでいます。
いま話題のSHEINでも導入されていますね。

このあたりの前提は以下にて説明しています。

USのメルカリでも導入されるのかな?なんて期待しています。

1.最近のBNPLで起きていること

ざっくりですが、最近のBNPL業界での動きについてご紹介します。

<今まで>
ECで起きていること
後払いによって売上が上がることはわかった
 - CVR向上による売上向上
 - 会員基盤をもっている決済からの送客
●結果として
・決済企業によるキャンペーンや送客は有り難い
・各決済のユーザーを自社ECに取り込んでしまおう
 →複数の後払い決済を併用しよう

結果として以前ご紹介したAdidasのような「後払い決済が複数導入」されるという事態が発生しています。

画像9

<いま起きていること>
●各社が困っていること
・併用されるとユーザーが維持できない という事態が起きています

●なぜか?
・ユーザー目線で見てみると...
 - "今お金ないから後から支払える"というペインを解決してほしいだけ
 - KlarnaでもafterpayでもAffirmでも何でも良い
 - お得に後から払える決済なら,何でも良い

起きたこと
「Klarna使ってたけどafterpayがキャンペーンしてるからafterpayに変えよ」

●決済事業者の今後の動き方
・動きとしては2択
 - 違いを生み出し、ユーザーを囲い込む必要がある - キャンペーンでお金を燃やし続け消耗戦に持ち込む

各社の動きとしては前者に力を始めているという話。

2.BNPLプレイヤーの取組

一番進んでいるKlanraを例に紹介を進めます。
特に記載がない限りはKlarnaのアクションとなります。

◆ポイントプログラム

王道ですがポイントプログラムの用意を開始しています。
日本でも同様のプレイヤーであるネットプロテクションズ社がポイントを付与していますね。

画像11

◆物理カードの発行

ECの決済から日常使いする決済になるべくRetailへの進出が進んでいます。

画像5

◆バーチャルカードの発行

画像6

USにおけるInStore(実店舗)ケース
 1.アプリ上で店舗を選ぶ
 2.利用金額を入力
 3.ワンタイムのバーチャルカードが発行され、ApplePay経由で店頭支払い
カード発行
 Marqeta(Link)とStripe(Link)を併用していると思われる.

またバーチャルカードは以下のようにKlarnaが導入されていないECでも利用が可能となっています。
実際にAmazonでも使えたりします。

※afterpayも同様にバーチャルカードの提供をしています。

◆ユーザー向けへの独占販売

Klanra
- Klanraユーザー向けにライブコマース
afterpay
- afterpayユーザー向けにスニーカーの限定販売

画像11

◆SDGsやブランディングの強化

画像10

買物で出た二酸化炭素を可視化していたり。

画像10

最近ではA$AP Rockyが投資家として参加し、クリエイティブ活用も...すごかったり。
※もともとSnoopも参加していたりします。

◆口座機能の提供

地域によりますが、KlarnaだけでなくAffirmafterpayも口座提供を進めています。

画像10


3.おわり

すこしまとめると....

・後払い機能で差別化ができない
 - 機能がコモディティ化している
・結果としてユーザーを維持できない
・各社が囲い込みのための戦術を始めている

というお話でした。結果として「ただの後払い決済」からの脱却が進んでいます。

海外BNPLは与信に差異が出づらい(マニアックなので省きますw)という背景もあるので、全く同じ流れが日本に来るか?で言うと、ボク個人はNoかなと思っていますが。

最近ではPaidyさんの「どこでもPaidy」機能が面白い動きをしています。

画像10

海外BNPLと同じくバーチャルカードを発行しているようです。
この機能があれば既に各社が行っているApplePayへの追加などもしてくるのかなーなんて予想しています。

このような流れが日本にどう影響を与えてくるか?非常に楽しみです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?