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「LINKIN PARK - FROM ZERO WORLD TOUR 2025」ライブレポ 7年待ってやっと叶う来日公演
来る2月12日(水)、さいたまスーパーアリーナにて開催された、アメリカが誇る21世紀最高のロックバンド「LINKIN PARK」のライブ「FROM ZERO WORLD TOUR 2025」に行ってきた!
これを書いている筆者は全ミュージシャンの中でLINKIN PARKが一番好き。最初の出会いはおそらく「トランスフォーマー」からなんだけど、洋楽にハマりだした頃に本格的に聞き始めて沼に落ちた人間です。
前段:2017年のチェスターの死、来日の中止
2017年、ONE OKROCKをサポートに迎え、幕張メッセで来日公演が行われる予定だったが、そこに突然飛び込んできたチェスター・ベニントンの死。チケットを取っていたもののやむなく公演は中止になり、その時のモヤモヤをずっと抱えたまま今に至っている。
翌年、マイク・シノダのソロでの来日を見るためサマーソニックに初参加。あの時はマイク自身もトラウマの昇華のための活動だったこともあり、終始物悲しい雰囲気があったのを覚えている。
そこから約7年。新メンバーとしてエミリー・アームストロング、コリン・ブリテンを迎えての再始動が決定。原点回帰した作風のアルバム「FROM ZERO」を引っ提げての来日公演。あの時のモヤモヤを昇華すべくチケットを勝ち取り参戦してきたのだ!
会場の様子
当日、会場の中に入ると、昨今のライブ、特にロックバンドではなかなかお目にかかれない、360度全面に客席があるタイプのステージ。(トップ画像参照) イメージ的には、格闘技のリングや土俵みたいな感じかも。ステージの真上に全方位からみられるモニターが設置されており、迫力が段違い。
客層を見てみると、老若男女が入り混じりかなり幅広い人が訪れていたと思う。前述したONE OK ROCKきっかけで知ったであろう若者も、デビューから追っているであろう年配も、皆等しくこの公演を待ちわびていたことだろう。中には筆者と同じように、2017年の中止になった公演のチケットを取っていたものもいたはず。
会場BGMの80年代ポップスが止まり、いよいよライブが始まる。
ライブ開始
メンバーが登場しての1曲目「Somewhere I Belong」から、高まった期待が爆発するかのように最高潮のスタートダッシュ。
筆者はこの時、8年近く胸の内にあったモヤモヤの払拭と、ようやく生で見ることができた喜びとで大号泣。後にも先にも、こんな感動を味わうことはないかもしれない。
ライブのセットリストとしては、最新の「FROM ZERO」の曲以外は、1st「HYBRID THEORY」~5th「LIVING THINGS」あたりまでのオールタイムベストといったところ。ほぼ空で歌えるくらい聞きこんだ曲を生で聞ける喜びは何にも代えがたい。
重低音が響きつつも分離のはっきりした音響、ストロボやレーザーを使った派手な演出も相まって、特別感が一層増していく。
新メンバー:エミリーとコリン
ここで必ず触れなければいけない、新ボーカル:エミリー・アームストロングについて。
正直、ここまで適任のボーカルが入るとは思っていなかった。
チェスターの後任ともなると相当なプレッシャーがあったろうに、堂々としたたたずまいでのびやかな歌声とドスの効いたシャウトを披露してくれている。
新アルバム「FROM ZERO」収録の「The Emptiness Machine」「Two Faced」「Heavy is The Crown」なんかは、エミリーありきの楽曲になっているし、既存の曲もキーを変えたりして新たな一面を見せてくれる。
チェスターの歌声って、悲壮感や陰鬱さ、哀愁を抱えた怒りを表現するのに最適な声質と歌い方で、そこが聞く人の共感を得るのが特徴的だと思う。
対して、エミリーの歌い方もといエミリーが歌う曲は、悲しみの中に一抹の希望を感じさせてくれるような感覚があって、聞く人を先導していくような雰囲気を感じさせてくれる。
あと、音源やアー写だとわからなかったが、ライブパフォーマンスを見ていると、気さくにアピールしてくれたり、曲中にちょっとした小躍りをしてくれて、かっこいいクールなお姉さん、みたいなイメージにプラスして案外お茶目なところがあって可愛らしい。
新ドラム:コリン・ブリテンも、スマートでかっこいい感じの印象。正確無比なドラムプレイはさることながら、ライブを見ているとギターを弾く場面もあったりして多彩な一面を見ることができる。
ライブ終盤~アンコール
本公演最大の盛り上がりは、なんといっても終盤に披露された「Numb/encore」~「in the end」~「Faint」の畳みかけ。
観客全員が知っているであろう名曲が間髪入れずに披露され、テンションが爆上がり。
特に「in the end」はたまアリにいる3万人が全員でシンガロング。「Faint」はモッシュが発生するほどの大盛り上がりだ。20年以上経った今でも決して廃れない名曲を聴けて感無量。もう言葉も出ない。
ここで一度本編は終了。アンコールは「papercut」からスタート。
マイクの高速ラップにヘヴィなギター、DJスクラッチが折り重なった名曲だ。当時聞いた衝撃を何重にも上回る勢いで脳に、体に、五感に響いてくる。
そしてライブの最後の曲はおなじみ「Bleed It Out」。
思わず手拍子したくなるノリのいいビートに、マイクのラップ、エミリーのシャウトが絡み合う。
これが最後の曲だということを意識してしまうと少し物悲しくなってしまうけど、今回の復活を喜び、また次来てくれることに期待して最後の最後まで楽しませてくれたことに感謝しかない。
セットリスト
セットリストは以下。Day1、Day2で少し変わっているのでどちらも聞き通したい。
終わりに
ようやく念願叶って参戦できたLINKIN PARKの来日公演。
長いことライブに通っているけど、今回が確実にオールタイムベスト。活動再開、来日まで決して簡単な道のりではなかっただろうに、障害を乗り越えて実現してくれたことに感謝しかない。
ありがとう、LINKIN PARK。また近いうちに来日してくれよ!