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「最低の軍師」を読む
小説「最低の軍師」を読み終えました。簑輪諒、祥伝社文庫。
あらすじ
一五六六年。
長尾輝虎(上杉謙信)の八度目の関東征伐が始まり、関八州に激震が走っていた。
北条家家老の一族である松田孫太郎は、下総国・臼井の城に、援軍として二五〇の兵を率いて参陣する。
交通の要衝である臼井での激戦が予期される中、松田が立ち向かわなければならない相手は、上杉の精兵だけではなかった…。
そんな松田の前に、薄汚い易者まがいの男が現れ…。
一本気の武辺者と、胡散臭さ全開の自称軍師が、戦国最強上杉軍に立ち向かう!
「背後に新たな敵艦隊出現! 数…お、およそ三万!」
「三万隻!?」
「まさか!機雷原はどうしたのだ!」
「突破された模様!」
という感じの、全編”アムリッツアで大ピンチの同盟軍”みたいなお話です。と思います。
バディもの戦国歴史小説として読んだ
上杉謙信の関東出兵に直面したとある地方の小領を舞台にした小説なのですが、これが面白かったです。
良くも悪くも真っ直ぐな武辺者と、一癖も二癖もあるうさんくさい策士という正反対のコンビが困難に向かっていく様子。大ピンチ、絶望的状況をどう切り抜けるのか。
路上の柔道よりもマジヤバイ長尾輝虎(上杉謙信)とその軍勢の描写。
胡散臭い策士が何故そうなったかの訳が垣間見えてくる様子。
「まさか…そういうことだったのか!」と唸らされる、小説ならではの歴史解釈。
そして、「最低の軍師」の、心の行方。
通勤中に読んでいたのですが、通勤時間が苦にならない面白さがありました。
ただ、こういうネタであったならば、もっとボリュームがあっても良かったのではと感じました…。
もう少しこの作家の小説を読んでいこうと思いました。