見出し画像

弁護士になった「その先」のこと。の先のこと(多分にタイトル詐欺疑惑)

第1 はじめに ~謝罪&言い訳~

#裏legalAC の担当日である12月12日午前9時、出張先に向かう特急列車の中でこの記事を書き始めています…
 思えば11月頃、「今年も法務アドベントカレンダーの季節か…12月ならちょっと暇になっているだろうし参加しよう」と思ったのが、自分の見通し能力の決定的な欠如というほかありませんでした。
 大きな案件や顧問先を複数受任し、事務所運営としては大変ありがたいものの、note執筆の時間がとれず。本来は名著「弁護士になった『その先』のこと。」の行間を埋めるような投稿をしたかったのですが、もちろん本書を読み返す時間は確保できず…
 ということで、私が過去にXアカウントで投稿していて結構反響をいただいていた(自意識過剰?)「弁護士として自分を守る方法」について、いくつか補足しつつ改めてお話できればと思います(見返すと47も投稿していました!暇か&中途半端!)
 なお、あくまでこれらは大体が「サンプル n=1」の私見ですので、合う合わないはあると思います。ただ、可能な限り立場(ボスorアソ、企業法務or街弁、弁護士orインハウス)を問わず応用できると思う内容を投稿していますので、広く皆様の参考になれば幸いです。

第2 心がけ・マインドセット編

1 勉強の習慣づけ

 一連の投稿の中でも特に反響が大きかった投稿の一つです。特に新人の方は日々の業務で忙殺されて勉強する時間など取れないと思います。私もそうでした。勉強できないと、弁護士スキルの研鑽不足もそうですが何より「勉強できていないことの焦り」が自分を侵食していきます。ポストにも記載していますが精神安定のためにも勉強はした方がいいです。
 重要なのは、「無理しない範囲で目標設定すること」です。たかが15分ですが、それでも1日の1%、半日の2%(お得意の進次郎構文なので実は大した時間です。それだけであれば捻出することは可能なはず。寝る前、事務所に来た直後でもいいので、ここだけ確保していただければいいなと思います!

2 同期の友人を大切に

 これは自分が結構助けられました。入所してすぐ、「こんなこと、兄弁姉弁に聞いていいんだろうか…」という今思うと凄く無駄な悩みで数分無駄にしたことが少なからずありました。そういう時に「別事務所の同期」というのはとても助かります。もちろん守秘義務に反しない範囲でという前提ではありますが、お互い気軽に聞けますし、外部との接点を保っておくことは、万が一の転職や所内トラブルの際にも自分を助けます。

3 幹事を引き受ける

 こちらも過去に似たような投稿をして反響が多かったので再度整理しました。私自身、エネルギーが分散される感じがして大人数の飲み会が苦手だったのですが、幹事を引き受けることで自身のエネルギーを「飲み会を無事遂行する」というところに全集中できるとともに「所在なげにならないで済む」という恩恵もあります。その他、投稿に記載したメリットもありますので、多少の面倒くささは目を瞑って幹事は進んでやるべきかと(特に修習生や1年目など、まだキャラ確立前の方!)

4 躊躇せず休む

 これはどちらかといえば「数年前の私に言ってあげたかったことNo1」かなと思います…もちろん激務の中で得られた物は少なからずあったものの、「本当にその激務は必要不可欠だったのか」と言われれば、否かと。それよりも業務効率化(≠研鑽をサボること)に頭を割いていった方がもっと充実していただろうなーと感慨的になることもしばしば。
 今は、子どもがいるおかげで強制的に休む契機ができていて、そのおかげで業務効率化に思考を全振りできているのが我ながら良いのだろうなと思います。

5 読書の習慣づけ

 今流行りの「仕組み化」の一環かと。この習慣をつけることで弁護士としてはだいぶ自分は守られてきた(勉強として、趣味として、気分転換として)と思います。最後の「本屋をうろうろする時間を作る」はこちらの投稿もご参照ください!

第3 仕事tips編

1 初動の短時間の着手

 私が過去一プチバズったツイートにも記載した「まず『確認します』の返信」に加えて少し補足したもの。さらに言えば「後に回すとしてどのタイミングで処理対応するかの見通しを立てる」ことも序盤にやっておくとなおよいです(忘れるので…)

2 書面は印刷して最終チェック

 やっぱりディスプレイでは色々見落とします。これは真理。私がよくやらかしたのは「ページ区切り後の『別紙』削除忘れ」ですね…
 そして最後にも書いていますが読み上げも結構効果的です。一文字一文字丁寧に追わないと音読は難しいので、時間はかかりますが黙読では見落とすミスも気付けます。

3 証人尋問の心構え

 前の事務所では本当に弁護士としてのスキルを叩きこんで頂きました。数え出すとキリがないですが、大きかったうちの一つがこの「証人尋問のノウハウ」です。なかなか書籍とかに載ってないですしね…(リサーチ不足ならごめんなさい)
 後半の「書証を示す際には裁判官が書証を開くまで尋問を待つ」は最近の投稿も反響が大きかったので、ぜひおさえておいていただければ…!

4 土日の午前中の活用

 こちらはお立場によっては余り参考にはならないかもしれないですが、業務委託(断じて雇用ではない!)の弁護士の方には参考になるかも…?よく言われる「時間の有効活用」の具体例の一つとして、頭の片隅にでも。

5 何でもA4一枚に

 弁護士に限らず言われる教えですが、特に弁護士は「瞬時に記憶のフックに手を伸ばせる力」が大事だと思うので、このやり方は効果的かなと。私のような凡人における仕込み方法としてはベストかなと思います(瞬間記憶?知らん!)

6 困ったら黄色マーカー

 実はこれも前事務所での教えの一つです(笑)あまり困る場面はないかもですが、マーカー色の第一順位は黄色でいいんじゃないでしょうか!

7 連絡ツールの使い分け

 これも若手のうちはなかなか感覚を掴めないところだと思います。ただ、「自分が文字だけで伝えられると嫌だな」と思うことは、たぶん電話とか対面とかで伝えるべきことだと思います。お金の話とか、不利なこととか。まず電話で伝えて、その後文字で伝える。長所短所をおさえつつ、プロセスにも気を遣えるとよいのかなと思います。

第4 心身の健康維持編

1 SNSのマイルール

 投稿では9つのルールを挙げていますが、さらに10個目として「SNSは世界のごく一部しか映していないことを自覚する」ことも大事ですかね…最近では非フォローアカウントの投稿がTLに流れてきますが、それでも基本は自分のフォローしている人の情報しか流れてこない訳で。思考が凝り固まらないように日々気をつけないといけないですね!

2 人との距離感

 依頼者であっても、寄り添いすぎると潰れます。それでは元も子もないし、他の依頼者にとってはマイナスでしかない。

3 今の職場を辞めても死にはしない

 つい「依頼者どうしよう…」「辞めたら食っていけるのか…」とか不安がよぎると思うんですけど、大丈夫です、私も何とかなりました。自分がいなくなっても事務所はまわるし、弁護士やっていれば食ってはいけます。どこかでこの割り切りをすることは、生きていく上で本当に大事。

4 自分で自分の機嫌をとる

 「弁護士として自分を守る方法」シリーズではなく少し前の投稿で、重複する部分もありますが。自分で自分の機嫌をとるって究極のセルフマネジメントだと思っていて。弁護士という(基本的に)自営業者としては、これができれば多少の困難があっても乗り越えられるはず。
 趣味と有酸素運動、睡眠は本当に大事ですよ…!(健康おじさん)

5 自分を守れるのは自分だけ

 前のものと何が違うのかと言われれば私も答えられないですが、他力本願で生きると必ずどこかでガタが来ます。他人と過去のことは変えようがないので。逆に言えば自分と未来のことは変えられるので、そこにフォーカスして生きていくことが本当に大事。

第5 さいごに

 我ながら、説教臭いことばっかり投稿していますね…嫌なやつ(笑)
 ただ、私の投稿を見てくれた人が、少しでも弁護士として生きやすくなったり、自分を守ることができたりすれば投稿者冥利に尽きます。
 もしどこかで会うことがあれば、是非「投稿見ています!」と教えてください。めちゃくちゃ照れます。リアルで知っている人であればその100万倍は照れます。
 そして、「お前、偉そうなこと言ってるけど全然実践できてないじゃん」といった類の言葉はどうか使わないでください…ガラスの心が折れてしまいます(笑)
 それでは皆さま、良いお年をお迎えください!


いいなと思ったら応援しよう!