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NUSの授業を日本の大学の授業と比較してみた!

筆者:SOYA

0, はじめに

この記事ではNUSに留学する人を対象に、NUSの授業の様子と日本の大学の授業との違いを紹介していきます。執筆時点ではまだセメスターが完了していないため成績面など完全な比較は難しいかもしれませんが、現時点で気がついた点をまとめましたので、ぜひ最後までお目通しいただけると幸いです!

1, 授業形態

基本的には週2時間の講義形式の授業・Lectureと週1時間の少人数の授業Tutorialがセットで1コースを構成しており、合格すると4単位分を取得できます。Lectureは日本の大学の授業とほぼ同じで、教授が50〜200人程度の大人数に対して講義を実施する形態の授業です。一方でTutorialは、10〜15人程度の少人数で実施される双方向型の授業で1コースにつき複数開講されています。Tutorialの内容はコースによって大きく異なり、例えば私の履修している授業では、Lectureに関連した練習問題の解法を学生が発表するタイプ(日本でいうところの「〇〇演習」に近いでしょうか)や、与えられたテーマについてディベートしたり、記事や資料を要約しその内容についてディスカッションをするタイプ(こちらは日本のゼミに近い形態な気がします)がありました。授業時間が3時間で4単位を獲得できるので、日本の大学と比べるとかなりコスパが良い印象を受けますが、Tutorialに向けた準備が大体週1〜2時間必要であり、単位あたりの実質的な負担は日本の大学の授業よりも若干大きいと思います。


授業で作成したプレゼンテーション

2, 講義のレベル

言語を無視して考えると、授業の難易度は日本の同学年の授業と変わらない気がします。私はNUSでは3年生相当の授業を履修しているのですが、日本の大学で2年時に学習した内容とかなり重複する授業もあり、内容の進度としては日本と大差ないのではないでしょうか。
一方で授業のわかりやすさについて比較すると、(好みもありますが)私はNUSの授業の方が理解しやすいと感じました。日本の授業よりも1授業あたりで解説するコンテンツを減らす分、段階を踏んで丁寧に解説をしてくれている印象があります。また、私が専攻している経済学に限ってですが、必要とされる数学のレベルが、日本の経済学部生が要求される数学の水準よりは低い気がしています。(どのくらいかというと、数Ⅲの微分積分の初期的な理解は必要だが、テストや演習問題には数Ⅲ範囲の微分積分が出ないくらいです。)


大講義室でのLectureの様子

3, 学生の雰囲気

NUS生は総じて勤勉で、夜遅くまで勉強やスポーツなどの活動に打ち込んでいる人が多い気がします。私の寮の近くにある自習室は3階建てで席数もかなりあるのですが、平日の昼間のみならず休日すら満席のことが多いです。また、私は今学期4コースを(なんとか)履修しているのですが、NUS生は5~6コースの履修が平均とのことでキャパの差を感じずにはいられません涙
また、物事の理解力や応用力が高い人が多いと感じます。Lectureの中で、「こういうケースを考えると、この公式のそれぞれの変数はどのように変化するか」「現実の社会に当てはめるとするとモデルをどのように修正すべきか」といった授業内容の応用を主眼に置いた質問が多数飛び交っており毎度関心しています。この傾向は特にディスカッションの授業で顕著で、前提となる社会知識の豊富さもさることながら、それをディスカッショントピックと関連させて話すのが上手い傾向にあると感じました。


深夜0時でも自習している学生で賑わうスタバ

一方で日本と同じだなと感じる点としては、レジュメのみ参照して授業に来ない学生もまあまあいることです笑。Lectureの録画が公開される授業では、Lectureには出席せずTutorialのみで会うという友達もいました。

4, テスト・成績

成績の付け方はコースによって異なるものの、テストへの偏重が低い気がします。日本の大学では期末試験一発勝負の授業も多いと思いますが、授業内容を踏まえた小論文(Term Paper)やEssay、TutorialでのPresentation、毎週の課題、授業内での質問や発言の頻度などテスト以外の30%〜40%を占めているコースがほとんどでした。
テストの内容は、まだMid-termしか受けていないのでなんとも言えませんが、高レベルの応用を扱うよりかは基礎をしっかり理解し使えるようになっているかを確認する問題が多く、問題自体は基礎的なもの・定義の確認が多いものの、その分受験者平均が高くなっているイメージがあります。参考までに、日本の大学だったら優が取れているだろうなという勉強量で望んだテストは、中央値やや上くらいの点数になっていたので、学生のレベルが高い分、合格ラインは高く設定されているのかなと感じました。

5, おわりに

今回はNUSの授業の様子と日本の大学との違いについて紹介しました。NUSは世界でも高名な大学であることは間違いないですが、授業に関してはしっかり勉強すればついていけるレベルにあると私は思います。授業や学生に対する感じ方は私一個人の感想なので、学年や専攻分野によっても印象は変わるかもしれませんが、これからNUSに留学を検討している方の参考になれば嬉しいです!


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