最後のMax

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10月1日、国内唯一の2階建て新幹線車両で、Maxの愛称で呼ばれる「E4系2階建て新幹線」が定期運行を終えて引退した。
新幹線は大量輸送から高速化へ時代が進み、20年以上にわたるその役目を終えたのだ。

…なんて、E4系とか言って、本当はにわか鉄道ファンでごめんなさい。
9月の末、自分としては最後のMaxに乗りながらこのテキストをしたためていたので、思わず気持ちが入れ込んじゃいました。
ただ、すごく鉄道に詳しくなくても、このMaxに思い入れのある人は少なくないんじゃないでしょうか。
学生さんの進学・受験に、サラリーマンの出張や単身赴任。田舎から遠距離恋愛の彼や武道館のロックスターに会いに行ったり。それぞれの思い入れがあるんじゃないでしょうか。

新潟出身の自分も上越新幹線を走ったこのMaxには大変お世話になりました。
青春をこの二階建ての箱で運んでもらったと言っても過言じゃありません。
そりゃぁもう、少年期からの色んな青春を何度となく運んでもらいました。

ぼくが初めて乗ったのが運行を開始した1994年の秋。「ジャンプスーパーアニメツアー」を見るために乗った東京行きの車両で、その時ぼくはまだ小学生で。
当時の小学生といえば“巨人、若・貴、少年ジャンプ”(…だったかどうかは置いといて)。
アニメ化作品を…たとえアニメ化していなくても有名漫画をズラリ並べた週刊少年ジャンプは、紛れもなく小学生たちの大正義でした。
そのジャンプが開催する招待制のアニメ上映イベントがある事を知って懸賞に応募。(きっと当選者が少なくない)その懸賞に見事当選し、東京会場のチケットが送られてきたというわけです。
あまり旅行など行かない家だったけど、母は「…ぅうーむ、当たったのなら仕方がない…」と渋々の表情で了承してくれました。

二階からの車窓は初めての眺め。
都会のビル群と“平成”を感じる車内の内装が混じり合って、高揚感の中に未来を感じたもんです。
大正義とは言いませんが、子供はやっぱり高いところが好きなもので、初めての二階からの眺めに、普段より背伸びできたような気がしたのかもしれません。母親と一緒とはいえ、少し大人になったような気分。
アニメツアーで上映された内容はあんまり覚えてないけど、その背伸び感覚はよく覚えています。

実際に大人になった今も、東京から新潟の新幹線でよくお世話になってました。
実は一階席からの景色も地面をすれすれに感じる特有なものがあるんですよね。

時代が変わって二階建て新幹線とういものはなくなるけど、その車窓からの景色は忘れないんだと思います。
(セットとなって「…ぅうーむ」という母親の渋々な表情も忘れられません。)


Japan’s only all-double-decker shinkansen bullet train is set to be retired from operations on Oct. 1.
The Shinkansen was nicknamed Max and was so popular.

My hometown is along Max’s line.
I rode Max many times from my childhood to the present.
He carried my a lot of youth to various places .
And I’m now writing this text on the last Max (Today is September 28th).
I’m riding Max with a lot of memories.

Many people are still taking pictures of him today.
I can see it from the his window.
Each person will have their own memories with him.

We don’t forget Max’s memories.

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