たった一人のリスナー(無名のシンガーソングライターの僕が有名になるまでの過程の話)
音楽を聴いてもらう手段として人前で歌うライブもあるが
家にいながら人に聴いてもらえるライブがある。
それはネット配信ライブである。
これは僕がyoutubeの弾き語り配信をはじめたばかりの話。
僕は曲作りが好きでたくさん曲があるのだけど、なかなか披露する場が無くて
それでも自分の曲を誰かに聴いてもらいたくてYouTubeでライブ配信をする事にした。
YouTubeと言えば子どもやおじいちゃんでも知ってるくらい有名だし、たくさんの方が利用しているものであるから
YouTubeでライブ配信をしたら、たくさんの方が聴いてくれるのではないかと思っていた。
僕は売れたいし、有名になりたい。
その為にはたくさんの方に僕を知ってもらう必要がある。
だったら毎日。
毎日夜の9時半から家族が寝静まる家を飛び出し
車の中で、聴いてくれる方が、時に熱く、疲れを癒したり、安らげるような弾き語りライブを繰り広げようと心に決めた。
YouTubeの配信ボタンをポチッと押してみる。
ドキドキしながらも無名の僕は歌い出す。
まだ、誰もきていない様子。
そろそろ1曲歌い終わりそうだ。
歌いながら画面の様子を確認するも、まだ誰も来ていないみたい。
2曲目も3曲目も歌えど、誰も来ていない。
、、、、、、、、。
来ない。
こうなるともう誰も来ないんじゃないかと不安になってくる。
僕の弾き語りなんて誰も聴きたくないのかなといつもの悪い癖でマイナス思考に陥っていく。
「オレは一人で夜中に車の中にいて何してんだろう」と思う。
こんな事なら、まだ小さな息子と一緒に寝てあげたほうが有意義だよなって思う。
でも、自分で決めた事だ。
毎日夜の9時半からは配信をすると家族にも承諾を得てやりはじめた事だ。
後には引けないし、引きたくない。
諦めたくない。
良く誰か一人でも応援してくれる方がいるなら私は歌い続けるという人がいる。
その気持ちはじゅうぶんにわかる。
でももし、応援してくれる方が一人もいなかったらあなたはどうするの?と僕は思う。
だって今の僕には応援してくれる方が一人もいないのである。
やばい。
僕には歌い続ける理由がない。
「誰か僕に、歌い続ける理由をくれ」と願いながら
田舎町の空の下、真っ暗な車の中で僕はひたすら歌い続けていた。
すると僕の携帯の画面に1という数字が現れた。
「こんばんは」というコメントが画面に映し出される。
僕に歌い続ける理由をくれた人。
その日からずっと背中を押し続けてくれた人が現れた瞬間だった。
その後の話はまた次回に。
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