卒業試験

書くの一ヶ月かかってしまった

事前準備

いよいよ卒検!これで卒業してしまったらもうバイクに乗れなくなるという気持ちと、さっさと卒業して楽になりたいという気持ちのせめぎあい。
前日はお酒も飲まずに早々に就寝した。ホットアイマスクもつけて最高の眠りだった。以前教官から聞いたけど、卒検当日はいつもみたいにならし走行もないし一発本番だから身体いつもより動かなくてパイロンにあたる人が多いみたい。ということで朝イチジムへ。くたびれない程度に走って、脚と背中をやって筋肉を起こす。しっかりご飯も食べて、二時間前に教習所に着いた。

教習所内の休憩室でひたすらイメトレ。目を閉じてコースを思い返す。交差点で待てるバイクの台数がわからなくなって不安になる。たしか北交差点の、交差点に進入する方だけ一台で、あとは二台だったはず。でも不安。後で聞こう。
じっと座っていても一時間が限界で、あとはコース内を走る教習車をひたすら眺めていた。草野球をネット裏から見守っているみたいな気分だ。赤色ゼッケンが目に入る。一ヶ月半前は私も赤色ゼッケンだった。バイクを押し歩きするだけで倒していたことを思い出す。それに比べたら乗れるようになっただけ凄い。おセンチになるにはまだ早いけど感慨深かった。あとめちゃくちゃスラローム上手い白色ゼッケンの人がいた。
ロビーにはちらほらと人も増えてきて、ベンチは満席になっていた。ロビーは四輪の教習待合室も兼ねているので誰が卒検の受験生なのかわからない。
そうこうしているうちにチャイムが鳴った。スタッフが二輪の卒検生は集合するように声をかける。するとベンチに座っていた人全員と後ろで立っていた人たちがみんな集まった。ざっと30名ほど。そんないたのか!教習中はこんなにいなかったのにみんなどこに隠れていたんだ。はじめて見かけるお顔もたくさん。多分みんな同じこと思っていたみたいで、集まった30人がなんとなくお互いの顔を見合う不思議な時間が流れた。

説明

名前を呼ばれた人から原簿を受け取って教室へ移動する。教室で再度名乗り、ゼッケンの色と番号を言い渡される。私はパープルの5番だった。5番!?遅!めっちゃ嫌!最悪や〜。はやく終わらせたかった。
教室は4色のゼッケンに分かれていた。6番×4色で24人。多い。平日に2回と土日に2回の週4回卒検は開催していると言っていた。平日はもう少し数が少ないだろうけど、ざっと見積もって毎週50人強は受験しているということ?少なくとも半数は合格しているとして毎週30人程が卒業しているということか。すごい。そんなに輩出しているのに入校待ちが2〜3ヶ月とは。バイク流行ってるんだな、、、
全員揃ったところでまずは説明。この時間の説明にいなかったり、途中で退室したり寝たりしたら受験できないので気をつけてねと言われる。
まずは原簿記載情報の確認。この内容で免許証を作る。ここの記載が間違ったまま卒検を受けて、結果免許証が作れなくてやり直した人がいたらしい。
次にコースの説明。丁寧に一から教えてくれた。気にしていた交差点待ちの台数もここで解決した。ちなみにこの後は個別の質問に答えることは禁止されているらしく、質問はみんなの前で必ずするようにと言われた。
あとは一発アウトの条件を言われる。基本は100点スタートで減点方式。基準点が残っていれば合格という仕組み。でもケースによっては点数が残っていてもその時点で検定かまだ中止になる。それがパイロンに触れる。バイク倒す。急制動で停止線をオーバーする。右折待ちで交差点に進入せずに、停止線で止まったまま再び赤に変わる。等。
特にクランクは真上からも見ているらしく、本人に自覚がなくてもパイロンに触れれば一発でわかる仕組みらしい。「だからアウトですって言われたら大人しく再試験受けてくださいね、皆さん大人なので」と言われた。ごねる大人がいたんだろうなあと教官の苦労が偲ばれる。
急制動はスピードが足りていなくて、かつその時点でまだ点数が残っている場合、一回だけやり直しを言われるケースがあるらしい。でも二回目あかんかったらアウト。
一チーム6人なので後半の人はプロテクターつけないでね、との指示。他にも教習生はいるので24人全員プロテクターつけたらなくなっちゃうので。はい、たしかに。
ここで説明終了。15分後に1番の人から開始すると言われる。いよいよはじまる。緊張の面持ちでいざ二輪コースへ。

待機

教習生は10人以上はいるように見えた。赤ゼッケンもいる。怖い。とにかく無事に走り切れることを祈るのみだし、多分ここから一時間くらい待たされると思う。なんとなく落ち着かなくて立ったまま見学をしていた。
1番の4人が順に走り出す。大型が二人、中型が二人。しばらく順調にみんな走っていたように見えたが、柱の陰になっているところから大型の一人が教官と話しながらバイクを押して歩いてきた。声は聞こえなかったけど、どうやら検定中止になった様子だ。肩を叩かれてそのまま帰ってくる。バイクは教官が発着点まで乗ってきた。一発アウトってほんまにあるんや、とさらにびびる。そして検定生全員見てたな。
残りの3人は無事に帰ってきた。間を空けずに2番ゼッケンが続々とスタートする。坂道発進のあたりからめちゃくちゃ吹かしてる音が聞こえて怯える。特にアウトとかではなさそうだけど怖い。
その後も柱の陰から3人ほど教官に連れられて押し歩きしてくる人たちがいた。多分スラロームだ。緊張が高まる。3番くらいがピークで緊張していた。

4番の男性が呼ばれた時事件が起きた。背の高いすらっとした方だった。
発着点まで歩いていき、ハンドルに手をかける。スタンドを払った瞬間、バイクが左に傾いていった。多分待機していた全員がその光景を見ていたと思う。両手でなんとかバランスを保とうとしたけど如何ともし難くバイクはとうとう倒れてしまった。すぐに教官が何してるん!と小さく叫びながら近寄ってきた。男性は「スタンドを払ったら水が出てきて……」と言っていた。結局、バイクを倒してしまったら一発アウトということで、残念ながらその男性は試験終了になってしまった。教官もずっと残念そうな顔をしていて、男性も待機のみんなも居た堪れなくて俯いていた。怖すぎる。

試験開始

いよいよ私の番がきた。手を上げてバイクのそばに寄る。ものすごく気をつけてスタンドを払うと、なんとスタンドの辺りから液体が出てきた。これか!水だろうか、よくわからないけどとにかく踏まないように慎重に、後方確認をした上でバイクに跨った。ミラーを合わせる。キーをオンにして、クラッチを握って、エンジンをかける。安全確認してウインカーを出して、一速に入れて発進。自分でもめちゃくちゃビビってるのがわかる。意外と他の教習生の視線は気にならなかった。前しか見てないからかな。
まずはスラロームから。もうタイムは諦めてパイロンに当たらないことだけを意識する。視線は前に。なんとか無事スラロームを終えることができた。もうどう考えても1番の課題はここだったので、無事終えられて一呼吸できた。
次は外周。難なく30キロを出せた。交差点もとにかく減速しまくって超安全運転で侵入。
S字と一本路も無事に通過。それにしても普通に他の教習生もいる。全員に道を譲るつもりで走る。クランクと坂道発進も無事通過したところでチャイムが鳴った。最後の交差点に侵入する。ここの優先道路を考えるのが一番緊張するから、ちょうど休憩時間に被っていてよかった。今は卒検生しか走っていない。
無事急制動も終えて、最後の発着点へ。一速に落として停止まで残り2メートルというところで、なんとまさかの加速。多分ブレーキを握る右手に力が入りすぎたせいだと思うけど、もう大パニックになりとにかく右足でリヤブレーキを目一杯かけて暴れ馬を乗りこなしつつギリギリで停止。バイクを倒さないように慎重に降車。最後の加速が怖すぎてしばし放心状態。多分他の卒検生も全員見てた。
試験終了後は壁際の電話機から教官のフィードバックが聞ける。すぐにコール音が鳴ったので受話器をとる。まずどうだった?と聞かれる。最後の急加速が怖かった、と素直に言う。教官からは、最後よく停止できたねと言ってもらえた。それからスラロームはタイムオーバーしていたけど、あえて慎重に行ったでしょう?と言われる。その通り。全体的に慎重で安全確認も怠らずに走行できていて、丁寧でした、との講評だった。ちょっとだけ安心して試験終了。

合格発表

そこから30分ほどロビーで待機した後に、合格発表待ちの卒検生は全員大教室へ向かうように案内された。最初の説明を聞いた人数より減っている気がする。そしてスタッフの女性がやってきて、ここにいる人たちは全員合格ですと告げられた。
嬉しい!晴れて教習所卒業です!!

あとは事務連絡。卒業証明書をもらったので、これを持って免許センターに行くように言われる。
それから免許取得してから1年間は初心運転者期間に該当する。この間に違反点数が溜まると、初心運転者講習の受講案内通知が来る。でもこれは任意参加。受けなくてもいい。ただし、受けずに1年経過すると再試験の通知がくる。これは受講必須。そしてこれに合格しないと免許取り消しになる。そして再試験の合格率は1%未満。初心運転者講習を受けた後に再び累積が溜まっても再試験。つまり初心運転者期間の間に違反をしないか、累積が溜まっても初心運転者講習を受ければ良いと言うこと。ゲームみたい。絶対安全運転しようと心に誓った。

アンケートも配られてたのでとにかくめちゃくちゃ楽しかったことと、教官全員愉快で、かつアドバイスが的確て、本当に為になる教習だったことを書いた。大阪で二輪の免許取るならここがいいよ。みんなにおすすめする。

というわけで晴れて教習所卒業しました!
最後教習所出る時に教官に挨拶でもしたい気分になった。まあ物凄い数の生徒を卒業させているので一人一人の話聞いている場合ではないと思いますが。少しの寂しさとこれからどうしよっかな、という気持ちを抱えて帰宅。
次回はSR納車編です。


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