三限目:シミュレーション
通学
今日はシミュレーションとAT体験だった。
祝日かつ、帰りの時間帯に送迎バスがなかったこともあり車で行ってみた。10:10開始。10:07には配車券を受け取っておく必要がある。駐車場から受付まで少し距離があるので、10:00には駐車場着いておきたい。ということで9:20に家を出た。結論から言うと10:00過ぎに受付に着いた。ギリギリ!危ない。信号が多く交通量も多い。iPhoneは15分と指していても結局25分くらいかかった。その上駐車場の出口がわからなくて迷った。一生駐車場に閉じ込められるのかと思った。徒歩の時間を込みにしても9:00過ぎに家を出て、少し向こうで待つくらいが心に余裕もあっていいや。次からそうします。
ブレーキの特性
路上教習帰りの教習車を見送って受付へ。原簿を受け取って配車券を出してシミュレーション室へ向かう。4階まで上がるとなぜかめちゃくちゃ人がいる。廊下に3名ほど。シミュレーション室と書いてある部屋を覗くと中にも4名ほど。みんな普通二輪?と思いつつ廊下に並んで待つ。隣の10代とおぼしき男性に「シミュレーションですか?」と声をかけられる。教習所で初めて教習生から声をかけられた!そうです、と答えてまた待つ。チャイムが鳴り教官に続いて入室。第一段階の人は奥へ、と言われ更に奥の部屋へ。なるほど、既に入室していた4名は第二段階だったのか。
今日のシミュレーションは私と、先ほどの10代男性と、もう一人背の高い恐らく10代男性の3名。同じ三限目の人が他にもいると思うとやはり心強い。名前とグローブを持参していることを確認して教習開始。室内だけど技能教習の一つらしい。今日はシミュレーション機を用いてブレーキの練習をするみたい。大きな画面と、その前に二輪のマシン。ゲームセンターみたいだ。みんな普通免許は持っているけどマニュアルで取ったのは私だけみたい。「でも普段マニュアル運転しないですよね?」と言われてへへへ、頷く。まずは何をするか説明を受ける。発信してから3速までギアを上げる。画面上に赤色のパイロンが現れるのでアクセルを戻してブレーキをかける。前輪、後輪ともにじわーっとかけて、クラッチを切って停止。これを繰り返す。「クラッチを切るのは早い方がいい?遅い方がいい?」と聞かれる。一限目でクラッチを切るのが早すぎてエンジンブレーキも効かなくてふらついた記憶を思い出し、「遅い方」と答える。正解!次に「ブレーキは前輪と後輪どちらが強いと思う?」と質問。隣の男性が「前輪」と回答。これも正解。最後に「ブレーキを思い切りかける時はギアを落とすべき?」と質問。背の高い男性が「3速のまま停止する」と回答。正解。教習所内ではそこまで早いスピードは出せないのでここでブレーキの感覚を掴む。エンジンブレーキを効かせつつ、前輪と後輪のブレーキをじわーっとかけて、3速のまま停止。第一段階の急制動では30キロで入り前輪:後輪のブレーキを5:5でかける。第二段階は40キロにスピードが上がるので7:3。と、ここまで聞いて急制動の練習か!と合点がいく。後輪のブレーキは思い切りかけるとロックがかかるのでじわーっとかけるのが大事。新しいバイクや自動車はABSが付いているので、例えば急に歩行者が飛び出してきた時に思い切りブレーキをかけてもロックがかからないように止まってくれるらしい。「でも避けられるかはまた別の話だからね」と言われてヒュッと背筋が伸びる。怖。免許を取って最初に買うバイクはきっと中古だろうから、ABSが付いていないケースが多いと思う。だからここでロックがかからないブレーキの限界を知っておこうというのが目的らしい。
それからバイク用のブーツは側が頑丈で靴底も厚く、なかなか足元の感覚が掴みづらいから、教習中はスニーカーとかがいいと思うよとアドバイスを受ける。コンバースで良いらしい。安心した。
実践
教官がシミュレーションで一度実践。隣に立ってグローブをはめて一緒にイメトレしながら見る。発進、3速までスピードアップ。パイロンが見えたらアクセルを戻す。パイロンに差し掛かったらブレーキ。土踏まずを引っ掛けて爪先で後輪ブレーキをかける。前輪ブレーキは必ずアクセルを戻してからかける。クラッチを切って停止。なんか簡単そうに見える。
「ほなグローブもうつけてるし、最初にやろか!」と言われる。やる気満々みたいじゃん、そうなんだけど。バーに足かけてから跨らんといてね、何回も折れてるからと言われる。気をつけて、いつも通りシートに跨る。キーを回して、クラッチを切って、セルスタート。ブレーキをかけたまま1速に入れる。アクセルを回す。バイクの振動や音が伝わりづらくて戸惑う。恐る恐る半クラにするが進まない。もう少しクラッチを離してみたところでじわっと進みだした。スピードを上げてアクセルを戻してクラッチを切って2速。またスピードを上げてアクセルを戻してクラッチを切って3速。ゆっくりやってたらもうパイロンが見えたので慌ててアクセルを戻す。ブレーキをかけはじめる。めちゃくちゃ手元を見てしまってる。前を見ると今にも側道に落ちそうなくらい右に寄ってる。まっすぐ!前を見る!ブレーキかける!あ、クラッチ切らないと!と焦ってる間に停止。思うようにいかない。教官からのフィードバックはアクセルを戻す時に右手をパッと離してしまっているので、ちゃんと手首を捻って戻しましょう、とのこと。パッと離しても戻るけど、戻らない可能性も考えてちゃんと手首で戻そうね、と言われる。基本操作は出来ているよと言われて喜ぶ。あと二回。もう一度最初からはじめる。先ほどより前を見る余裕が出来た。まっすぐ遠くを見つつ3速まであげる。パイロンが見えたので手首を捻ってアクセルを戻す。アクセル戻すこと意識しすぎてパイロンを少し過ぎてからブレーキをかけ始めてしまった。先ほどより少し遠くで停止。はい、最後もう一回。発進、3速までギアを上げる。先ほどより早いスピードで走れてる。パイロンが見えたのでアクセルを戻す。パイロンに差し掛かってブレーキを握る。前5:後ろ5。ギリギリでクラッチを切って、停止。
キーを回してエンジン切って交代。次の人のを後ろで見る。スピード出るまでが早くて格好いい。ギアチェンジした後のクラッチを離すスピードがめっちゃ早い。そんな早くていいんだ?と思う。教官からのフィードバックは「クラッチを完全に切る前にギアチェンジをしてしまっているので、クラッチを切る、それからペダルを蹴るように」。慌てなくてもスピードは落ちない。難なくこなして3人目へ。足長!両足つくの羨ましい!発信でまごつきエンスト。もう一度エンジンをかけ直してスタート。まっすぐ走れていて凄い。ブレーキもっと強くかけてもいいよ、とフィードバックを受ける。こちらも難なくこなして終了。
また席に戻って講義。みんなブレーキかけたくてバイク乗らへんよね、スピード出したくて乗るよね。だからここで目一杯ブレーキの練習をしておこう。カーブでブレーキ弱くて事故が起こるケースが多い。教習所内でもカーブが曲がりきれなくて転倒して骨折するケースが何件かある。十分気をつけるようにと言われる。骨折と聞いてちょっとびびる。骨折したことないので。次の時間からは急制動、スラローム、S字をやるらしい。急制動は左ウインカーでコースに入る。3速30キロで進み白いパイロンでアクセルを戻す。赤いパイロンでブレーキをかけ始める。2つ目の線で止まる。覚えた。
ここで質問ありますか?と効かれたので挙手。2速、3速に上げたあとのクラッチを離すスピードがわからない、ゆっくり離してしまうけど適切なスピードを教えて欲しいと述べる。「いきなり離したからガタガタいうかもってちょっと怖いよね」と言われてそうそうそう!と赤べこの頷き。教官ってなんでもわかってくれてるんだなと無意味に安心する。バイクで2速、3速に上げているときはそれなりにスピードも出ているから早めに離してもあまりガタつくことはないらしい。教習所内であまりスピードが出ていなかったらゆっくり離してもいいけど、それでもすーっと離して良い。スピードが上がるにつれてクラッチを離すスピードも上げてOK。気になっていたことが聞けて安心した。
転倒
最後は転倒の練習。さっきの逆順でシミュレーターへ。ATモードになっているのでクラッチとか考えなくていいよ、今回はアクセルだけ回してブレーキは使わないで、との指示。めちゃくちゃお天気で景色の良い山道を80キロで走る。カーブで少し減速、また80キロへ。「僕が余計なことするから転んでね」との指示。おもしろ指示。しばらく走っていると、カーブで突然水溜りが!しかし減速できていたので転倒せずにクリア。「あれ、うまいね君。次は減速せずに行こうか」と言われる。次は80キロのまま水溜りのカーブに差し掛かり、指示通り転倒。シミュレーションとわかっていながらも転倒するのは見てて怖い。雨上がりの夜道は道が反射してラインが見えづらかったり、見えないところにマンホールがあったりするから気をつける必要がある。
二人目。彼、スピード上げるの上手い。80キロ以上出ない設定らしい。80キロで同じようなカーブへ。すると突然停車中のタクシーが!避けきれずに衝突。衝撃で思わず笑ってる。こうなった時はギアチェンジとかやってる場合じゃないから、避けられる時はとにかく避けよう。そのままスラロームの話もしてくれた。スラロームはパイロンとパイロンの間をリズム良く通り抜けるコース。バランスを崩すと転ぶのでアクセルとハンドルのタイミングを身体で覚える必要がある。スピード調節がうまくいかないと、転ぶし、バイクも倒れるし、パイロンも吹き飛ぶ。「曲がりきれずにパイロンにぶつかりそうになった時は、そのままパイロンを吹っ飛ばして、何事もなかったように次に進んでください」と言われる。①バイクが転ぶ②運転手が転ぶ③パイロンが倒れるの三択だったらパイロンだけ倒れてそれ戻す方がはるかに安全だし楽だからね、と言われる。確かに。
最後に私。画面上には総合コースという初めての文字。「今までの全部やるからね」と言われてちょっと怯む。発進。住宅街みたいなところからスタート。知らない道だ。抜けるとやたらと見晴らしのいい丘へ。カーブを抜けると海だ!やったー!ジャカジャン!80キロで走る。気持ちいい。カーブで減速。水溜りだ。ゆっくり走ってクリア。再びカーブ、停車中のタクシー。ウインカーも出さずにとにかく避ける。クリア。「はいアクセル全開!」と言われてスロットルを回す。画面上には120キロの文字。え!?80キロ以上出るの!?焦りつつ指示通りスロットル全開で進む。対向車線にめちゃデカトラック。ビビりつつぶつからないように真っ直ぐ走る。すれ違った直後ハンドルが左に取られる。なにこれ!焦って右に戻すが車体が左に揺れている気がする。戻らない!乗りこなそうとするがあえなく転倒。シミュレーション終了。「後ろで見てたら何が起きたの?って感じよね」と教官。振り向くと後ろの二人が首を傾げている。そうか私にしかこの感覚は伝わってないのか、と思う。「何が起きたかわかる?」と聞かれて「風でしょうか」と答える。正解。後ろの二人も「ああ!」みたいな顔してる。確かにトラックとすれ違ってからは橋だった。強風は簡単にハンドルが取られてしまうので、悪天候のときは運転しない勇気も必要だよと言われる。
おさらい
最後におさらい。前輪ブレーキだけかけると前にすっ飛ぶ。後輪ブレーキだけかけると効きも弱いしロックもかかる。コツは前輪ブレーキで勢いを落としつつ、最後停止する時に後輪ブレーキで止まるとじわっと止まる。これに気をつけて、次からも頑張ってくださいと言われて終了した。シミュレーション、酔う人もいると聞いていたのでちょっと怖かったが全くそんなこともなく、楽しく、しかし怖い話も聞かされつつ三限目が終了した。