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手で書く
スマートフォンで、文章を打ち込むのも手書きの一種かもしれない。最初に書いた小説は、スマートフォンではないがiPod touchで書いたものだった。フリック入力で毎晩書いていた。
自分用のパソコンを買い、キーボードで書くことを覚えてからは、フリック入力で文章を書く気になれなかった。
その頃には、万年筆も買っていて、ノートに手書きで書くことが多かった。小説をノートに書いて、それからパソコンに打ち直すやり方で小説を作っていた。
新しい小説を書き始めようと思っているときは、新しいノートを買って手書きで書き始めるのがいい。いつでも消せる文字を積み重ねていても、物語が始まる気がしない。手書きでページに文章を書き込んでいくと、あと戻れなくなってくるが、文章の調子も書かれる世界の質感もやっとこの手でつかめる気がする。
手でフリック入力するのは、物理的に立ったままでも、バスの中でも、机がない場所で書き始められる。メモはあまりとっても見返さないが、文章として成立させようとすると、集中して書く。
どんな道具であろうと、書くときの言葉のモードのようなものがあり、それは走り書きのメモとも、人に何かを説明する文書とも違う。たた、書いている感覚だけを自覚している。
そのモードに入ってから出ると、ああ、書いたなぁという満足した気持ちになる。
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