住まいが決まる

交代制の夜の窯番に関して夜、従業員の間で話しあいがもたれたらしい。

今日は2ヶ月経って初めての休日、しかもまだ車がないので、結局、慢性睡眠不足を解消するべく、ひたすら寝た。夜の窯番というのはそれほど大変なものだ。これを交代制でしてもらえるなら本当に気がラクだ、と思っていたのだが、話しあいは途中で宴会に変わり、中途半端に話は終了。夜の窯番をする代わりに翌日を休みにしてほしいとか、そのぶんの手当てを出してほしいという意見もあったようだ。

朝7時過ぎに横になり21時まで寝ている間、何度か起こされた。「そんなに寝ていたら狂っちゃうよ」などなど。悪気はない。むしろ心配されているのだと思うのだが、ちょっと冷静に考えてみてほしい。2ヶ月休みなく、昼も働き、夜も窯の番をし、あなた方が、「手当てがほしい」とか「その代わり休みを増やしてほしい」というようなことをずっとやってきたぼくが、初めて休みをとって1日寝ていることが、そんなに「狂っちゃうこと」ですか? と。そんな話を納品から帰ってきた屋我とした。屋我はこの生活を2ヶ月どころか、5年以上続けている。昼も夜もない。「俺がずっときつい生活をしてきたのがわかるだろう?」と屋我は言った。「それで社長はどこに行ってるんだとか、それはもう、皆わかってくれよ、という感じなんだよ」と。そして、まだ皆の意識がそのくらいなのであれば、1日1000円出すから、ニラカナ、正式に工房に住んじゃっていいよ、という話になった。夜12時に、徐冷炉をあけるだけでいい、という。
「まじで? ここ自分の家のようにして使っちゃっていいの?」
「ああ、いいよ」
「屋我のアパートに下宿」ということから話はまたまた急展開。工房には、キッチン、トイレ、風呂、畳の部屋、机、無線LAN、冷蔵庫・・・・・が備えられており、公共料金の請求もない。家賃も駐車場代もない。正式に「ニラカナのおうち」ということになれば、今以上に干渉されることもなくなるだろう。布団も持ってこれるし、TV、ビデオなど、いわゆる「普通の生活」をするに足る家電も東京から持ってこれる。クルマに乗せてこれらのものを用意できる。一気に「文化的生活水準」があがる。ちょっといい話だなぁ~などとほっくり。

だって、目の前が海ですよ! 白浜の水の透き通ったビーチには歩いていけるんですよ! 黙っていても、ジャズとかなんだとかの催し物があるんですよ! こんないい環境、なかなかありませんっ! 琉球ガラスに囲まれていますよ! ここでいい小説書けないわけないでしょう?

ありがたいこと。沖縄で人並みの生活ができそうです。


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