もはや旬を過ぎてしまった感のある話題ですが、自分なりに落とし所を考察してみました。
『セクシー田中さん』とは
ドラマ『セクシー田中さん』は、2023年10月期に日本テレビ系で日曜午後10時半に放送されていた連続ドラマで、漫画家・芦原妃名子さんの同名マンガが原作。
主演は女優の木南晴夏さんで、地味なOLとセクシーなベリーダンサーの二つの顔を持つ田中京子役を演じる。
木南さんが演じる田中さんは、友人も恋人もいない、周囲からは変人扱いされている経理部のアラフォーOLだが、超セクシーなベリーダンサーである裏の顔があり、夜な夜なレストランで踊っている。
しかし、ある日、ひょんなことからその秘密を同僚の朱里に気づかれる。
朱里は、田中さんの生き方に憧れてファンとなり、同じベリーダンス教室にも通うようになり、普通の幸せを望んでいた無難な生き方に変化が生まれていく、というストーリー。
原作者が自死に至った原因とは
それで、なぜ騒動になっているかというと、作者がドラマの放送終了後に自殺したからです。
原作者の芦原さんは、全ての放送回の脚本に目を通してチェックしており、最終話の9~10話に至っては自分で脚本を執筆していました。
芦原さんがドラマの放送期間の後半で、焦りだした(と見受けられる)原因として思い当たるのは、下記の記事です。
この記事が出たのは2023年10月27日で、ちょうど3話分くらいの放送が終了した時点での評価でした。
芦原さんは恐らく、この記事を読んでいたと思われます。
自分で脚本に手を入れたにもかかわらず、視聴率は5%台と振るいませんでした。
テレビドラマの視聴率は、15%以上が「高視聴率番組」のボーダーラインとされており、15%未満になると低視聴率とされています。
5.6%のような一桁台は、業界でいうところの「爆死」です。
原作をうまくアレンジできるかどうかが重要
原作漫画を超えたドラマは数多くあるわけで、要は、脚本家などの制作スタッフがいかにうまく原作をアレンジするかだと思います。
もちろん、漫画原作を実写化して盛大に失敗した例もあります。
みなさんもよくご存じの『ドラゴンボール EVOLUTION』とか(笑)
脚本を担当した相沢友子さんは2022年に『ミステリと言う勿れ』という漫画原作のドラマ化でヒットさせている方で、少なくとも爆死請負人ではなかったでしょう。
亡くなった芦原さんには申し訳ないのですが、もしかしたら芦原さんが脚本に手を入れなかったら、もっと視聴率が上がったかもしれません。
最後に、漫画家の永井豪さんの言葉で締めたいと思います。
漫画が実写化される際に原作者が改変されるのを嫌がるのは理解できます。
私も、好きな漫画がドラマ化された際には、あちこち原作と異なる点が気になって、駄作に見えてしまうこともあります。
漫画と全く同じ内容にしないと気が済まない原作厨と呼ばれる人たちもいます。
でも、たとえ自分の意に沿わない形でもヒットしさえすれば、原作の株も上がるわけですから、漫画家は永井豪さんのように達観すべきではないでしょうか。
口出しするにしても、
と、このくらいのプレッシャーかけるぐらいで、ちょうどいいんじゃないかなぁと。
騒動があってから、私は『セクシー田中さん』の漫画版を電子書籍で読みました。
とても素晴らしい作品で思わず引き込まれました。
未完で終わったのが、とても惜しく感じます。
芦原妃名子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。