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連続達成記録より連続『不』達成記録
達成感を感じるため、またそれによるモチベーション維持のために、連続達成記録に注目するというテクニックがあると思います。
XX日連続で運動したとか読書したとか、そういう記録をカレンダーやアプリを使って可視化するのです。
具体的な例で言うとJerry Seinfeldが昔やっていたというDon't Break the Chainメソッド、Habiticaの連続実行日数カウンター、Fit Boxingの「XX日継続中!!」という表示などがあります。
noteでもそういったタイトルの記事をよく見ますね。
しかしこのテクニックは、日課づくりの初期においてはさほど役に立たないと考えています。というか下手すると有害にすらなりうると思うのです。
今回は「連続達成記録による日課づくり」というやり方の問題点と、それに対する「連続不達成記録による日課づくり」というやり方について書いていこうと思います。
連続達成記録はできた時に「だけ」役に立つ
確かに連続達成記録には、しばらく続いた時、つまりうまくいっている時にはいくつかのメリットがあります。
単純に「これだけ続けることができた」という達成感、更にそれによって「今後も頑張ろう」というモチベーションが得られます。
また、少しくらいサボりたくなった時にも「せっかくここまで続けたから」という踏ん張りをきかせることができる場合があります。
しかし先日の記事にもそのような話を書きましたが、凡人はうまくいった時のことよりうまくいかなかった時のことを考えるべきなのです。
凡人はできないことのほうが圧倒的に多いのですから。
なので、うまくいかなかった時の挫折リスクが大きすぎるのであればそのテクニックはあまり有効ではないと思うのです。
連続達成記録の最大のリスクは、一日抜かしてしまったその瞬間に連続記録を積み重ねただけのダメージが自分に入るということです。
なので、このやり方は自分のこめかみにロックバスターを突きつけた溜めまくっているようなものだと思っています。
失敗した瞬間にティウンティウンです。
完全に日常の一部と言えるくらいに日課として定着していれば話は別ですが、日課づくりの初期においては挫折のリスクが大きすぎます。
そもそもこういったモチベーションを維持するための工夫がないと継続できないようなタスクは、日課にしづらいので最初はやめたほうが良いと思っています。
特別な工夫をしなくても毎日できる程度の負荷でないと、凡人は日課にできないと思っていたほうが良いです。
ではここからは、逆に「できない」が起こった時のことを考えた「連続不達成記録に注目する」という方法について触れていきます。
「できない」を主軸にした連続不達成記録
連続不達成記録とは、日課にしようと決めたことが何日連続で『できなかったか』という記録のことです。
つまりある日から日課づくりを始めた時、四日目、五日目にそのタスクが実行できなかった場合は「二日連続不達成」となるわけです。
ではなぜ連続不達成記録、つまり何日連続でやるべき日課がこなせなかったかを注視すべきなのでしょうか。
それは、設定したタスクが今の自分にできるかを示してくれるからです。
例えば筆者の場合、三日連続でできなかったら、そもそもタスクの設定が適切でないと考えるようにしています。
つまり、今の自分には負荷が高すぎるタスクを毎日やろうとしているサインだと考えるわけです。
できないことをやろうとしている、というわけですね。
この場合、タスクをより負荷の低いものに設定し直すことになります。
三日程度で見切りをつけるのは早すぎると思うのであれば五日でも一週間でも良いです。
とにかく、適当でもよいのでルールを決めておきましょう。
日課づくりの初期においては一日や二日、できなかったとしても気にすべきではないのです。
最初は慣れないことに取り組んだことによる疲れもありますし、どれだけ頑張れるかは日によって大きく変わります。
体調も仕事の忙しさも、常に安定しているとは限りません。
しかし、「できない」が何日も続くのは「今の自分の日常」に組み込むには負荷が高すぎるのではないか、と思うのです。
日課とは日常です。
多少忙しさが上下にブレたとしてもこなせる程度のタスクを設定することで、新しい日課を日常に組み込んでいけるようになるのです。
まとめ
今回は「連続不達成記録」という、うまくいかない場合のことに重きをおいた方法について書きました。
この件以外にも、凡人はうまくいかなかったときのことを考えるのが重要だと筆者は考えています。
凡人はできることよりできないことの方が多いのですから。
なので、連続達成記録のような「成功したときにだけ役に立つテクニック」頼みになるべきではありません。
本にしても記事にしても、近頃はそういうものばかり目に付きますし、うまく行けばトントン拍子に物事が進みそうに見えるテクニックは魅力的に見えがちです。(もちろんこういったテクニックにも良い点はありますし、全く意味がないとは言いません)
しかし凡人は大抵の場合、失敗したときに自分に与えられるダメージがあると言うリスクの方だけが発動するものです。
凡人は失敗するものですから。それが凡人です。
なので、うまくいかない場合について考えずにいるのはやめましょう。
目をそらしていても、失敗は必ず起こります。じこはおこるさ。
なので失敗することを前提に「失敗をうまく使える」ようにしておく方法こそが、安定したテクニックなのではないかと思います。
では、またいずれ。