2017年11月、福島。福島第一原発
双葉町役場を後にし、次に向かったのは福島第一原発でした。正確には「福島第一原発が最もよく見える場所」、東電の敷地ギリギリの場所です。双葉町の郡山地区。防波堤や崖が津波によって破壊された生々しい傷跡の向こうにそれはありました。
荒野。
海岸についた。…何を測定してるのだろう。
尚、TwitterやFacebookで双葉町の郡山地区を自由に出入りできる場所であるかのように喧伝し、“安全デマ”を吹聴する人物がいるが、それは嘘だ。この脇の両竹、中野、中浜地区は避難指示解除準備区域で、6時〜17時の間は自由に出入り出来るが(宿泊は出来ない)、郡山地区は帰還困難区域であり、立ち入りには行政への届け出とスクリーニング場でのチェックを受ける必要がある。バリケードのある場所では身分証明書を提示し、開けてもらう必要がある。
この地点では0.40μSv/h。
海に向かって移動。
津波の傷跡。
海。北側をみる。
あ
…ここまで近くに見えるとは。
地元の人の話では、原発敷地との境にあるコンクリートフェンスの所で、よくスズキ釣りをしていたという。温排水の流れに魚がよく集まるから。しかし魚体に奇形が混じる割合が高い事に気付き、それからは持ち帰る事をしなくなったという。
…こういう地元でいわれていた口コミが本当に大切だと思う。科学だエビデンスだと上から目線で言われても響かない。その地で暮らす人が生身で感じていることこそが真実だと思う。
プロ写真家からレクチャーを受けるOさん。
奥が1号機で手前が6号機。1号機の建屋カバーは現在はずして作業が進んでるはずだが、この地点の放射線量は楢葉町とさして変わらない、0.3〜0.4μSv/h。
僕は夢中でシャッターを切り続けた。海の上はたくさんのウミネコが太陽に照らされながら飛び交っていた。
あれが爆発したのか。
海が照らされて
波はよせ
鳥が舞う
横を見上げれば。ここには7、8号機が建つ予定だった。
津波の傷跡。これだけのパワーに、人類が作ったものが耐え得るのだろうか
不気味に蠢く悪意と負の感情の塊。
「人間がこんなに哀しいのに
主よ 海が、自然があまりにも美しいのです」
動物の足跡。
フレコンバッグの山の脇を抜け、建設中の中間貯蔵施設へ向かいます。
<続く>