モノクロのふたり
今週は初めてモノクロのふたりという漫画を読みました。かつて画家を目指していた男と漫画を目指していた女が主人公のお話です。どちらも夢を捨て就職することを選ぶわけですが、職場で先輩と後輩として出会った彼らがひょんなことからお互いの捨てたはずの夢に気づき、、というところから物語は始まります。男と女が揃うとなるほどラブコメかと思ってしまう単細胞な僕ですがこの漫画、そんな安直なジャンル分けに縛られるようなものではありませんでした。僕も認識を改めました。男と女が揃ったからとて決してラブコメが開幕するわけではないと。この作品の魅力はなんといっても伝わってくる熱です。普通に生きているとなかなか見ることも感じることもない熱が描かれています。そんな熱に急に当てられた時僕みたいな人間は衝撃を受け心が動かされるわけです。すごいな、と。自分はここまで熱を持って生きたことはあっただろうかと人生を振り返ります。もちろんそんな記憶はありません。しかし同時にそういう生き方に憧れる自分もいることに気づきます。熱を持って生きることで辛いことももちろんあるだろう。折れそうになることもあるだろう。絶対しんどいことの方が多いはず。だけれども、だからこそ、めげずにまっすぐ前だけを見つめて一方通行で走って行くという行為の価値は高いのです。そんな人は憧れられるに決まってます。でもそういう人が憧れの人から目標の人に変わりにくいのは脇目も振らず走り続けることの難しさにどこかで気づいているから。案外この世は切り捨てちゃいけないように見えることが多いのです。例え熱を持って走り続けている人にとっては必要ないだろと思えるものでも。そんな僕のような人間は時に止まり、時に歩き、時に寄り道をし、時にはUターンもしながら過ごしています。過ぎるのを待っているといってもいいかもしれません。そんな日常の合間に情熱を持って走り続ける人を見て声援を送る。この声援は頑張れとかそういう類のものではなく、どこまでいけるのか見せてくれというものに近いです。もはや声援というよりは祈り。そういう人に自分を重ねて自分がもし熱を持って頑張れていた時に見れていたかもしれない景色を見たいというのがこの応援の根底にあると僕は思います。自分の可能性が広がっているように錯覚できるんですよね。
話が逸れたし長くなりましたが、結局今回僕が言いたいことはモノクロのふたりから伝わる熱を色々な人に浴びて欲しいってことです。まだ連載が始まってまもなく、まだ6話です。ジャンプラで全部無料で読めます。正直今がチャンスです。ジャンプラの日曜は傑作が多く楽しみな曜日でしたがまた一つ傑作の予感がする漫画が始まってしまいました。明日読むのも楽しみです。