いいんだよ。「忘れる」ことを、許そう
いきなりですが、私は非常に忘れ物が多い。小学校時代から通知表にそんなことを書かれ続けてきた位には。HDMIだかADHDだかそんな気質はあるっぽいですが、そのような医学的診断を受けたわけでもないですし、それを理解してくれと他人に主張する気は全くありません。生活に絶望的支障をきたしているほどではないので、そういう癖だと割り切っています。
そうは言っても、やはり実際に忘れてしまうと「何で忘れたんだ自分のバカー!」って責めちゃうんですよね。こうなると後々まで自己嫌悪メンタルを引きずるし、そればかりに気を取られて別のミスをすると更に悪循環。心が背負う重い荷物がどんどん増えて、最後は動けなくなってしまいます。
結論を言ってしまいますが、そんな自分はいつからか「絶対に忘れないようにする」を「忘れても大丈夫」にすることを意識するようにして、心の負荷を軽減し仕事と生活をなんとか乗り切っています。
「忘れても大丈夫」という考えについて、これから書くものはかなり具体的過ぎて当てはまらない人も多いかもしれませんが、もし同じようなことに悩んでる人の助けになれれば嬉しいです。
◆「忘れても大丈夫」物のバックアップを用意する
ここでは、交通機関のEチケットを例に紹介します。最近の飛行機はだいたいEチケットとしてQRコードが入ってるページがメールで送られて、それを印刷したものを見せて搭乗するようになっていますよね。海外に行くと新幹線の予約もみんなそんな具合です。
もしそんなもん忘れて旅行に行けなくなったら、間違いなく自分を恨むと思います。多分「豆腐の角に頭ぶつけて死ね!」とか言い始めるんじゃないですか?そんな場面で私はこうしています。
EチケットをPDF化→クラウドストレージ(GoogleDrive/OneDrive等)に保存
Eチケットって要は「QRコード」や「固有のコード」が分かればいいので、必ずしも紙である必要はありません。メールで受け取った時点ですぐPDFデータとしてクラウドサービスに保存してしまえば、いざ印刷したEチケットを忘れてもスマホを経由してネットプリントすれば大丈夫。印刷出来なくても、画面でQRコード拡大できれば大体いけます。
左がTRENITALIA(イタリアの新幹線)のチケット、右がANAのEチケットをGoogleDriveに保存してスマホに出したものです。イタリアでは一応印刷したものも持っていきましたが、この画面見せるだけでOKでした。
自分はGoogleに魂売ってるので専らGoogleDriveを常用していますが、OneDriveにも同期保存するようにしています。SaaSはどうしてもシステム障害が起こる可能性がありますが、天下のGoogleとMicrosoftが同時に落ちることはまず無いと思うので、最悪どちらかで見れるようにすれば安心です。
ちなみに私はANA便に搭乗するときは「Eチケット(印刷)/Eチケット(クラウド)×2/スマホアプリ/ANAカード」と5重のバックアップ態勢です。ここまでくると頭が心配ですね。
航空券に限らず、最近は資格試験の受験票もこの形をとっているものも多いので、これを癖にしてしまいましょう。忘れたって、いいんだよ。
◆「忘れても大丈夫」手段のバックアップを用意する
これ読んでる人の中で「電気消したっけ?エアコンつけっぱなしかも・・・」と不安になったことはないでしょうか。自分は最初の一人暮らしではそんなことばっかりでした。というか本当に消し忘ればかりでした。1週間電気とエアコン全部つけっぱで帰省してたとかザラでした。マジで。
そんな苦い経験をもとに、今の家は引っ越した時点から可能な限りスマートホーム化して解決しました。
スマートホーム製品も色々出ていますが、我が家では「AmazonEcho(Alexa)」と「NatureRemo」を基軸にシステムを構築し、照明・テレビ・エアコンは全室から音声認識でコントロールできるようにしています。
一人暮らしにしては広めの部屋を借りてるので、一番奥の寝室に入ってから「あっダイニングの電気消し忘れた!」となると布団から這い出て歩く労力と自己嫌悪で気分がダウナー化します。布団の中から「アレクサ、ダイニング消して」と呼びかければ消せるというのはとても精神が救われます。
さらに言えば、外出してから「エアコン消したっけ?」となったらスマホアプリから切ることが出来ます。これは本当に心強いです。消し忘れてたっていいんですから。もう不安にならなくていいんだよ。
欠点は、Amazonのサーバー(AmazonEchoは勿論、NatureRemoもAWS上で動作)がシステム障害起こすと家の電気が操作不能になることです(実際なりました)。とはいえ稀に起こる障害なんて、普段享受できる便利さの総量からしたら蚊に刺されるようなもんです。月額費用も無くこんな便利なサービスを使わせてもらってるんだから、それくらいは目をつぶりましょうや。
◆「忘れても大丈夫」もう自動でやってもらおうぜ
可能な限りスマートホーム化した自宅ですが、トイレの照明は基本的に急ぎながら入る行動特性を考慮し、わざわざ発話する手間→サーバーで処理して実際に動作するまでラグがあるAlexaのコントロール下にはあえて入れませんでした。しかしながら、スイッチの位置が悪いのか8割くらい消し忘れていました。
入る時は左手でスイッチ押しながらトイレに入れるのですが、出た後は体を反転させる必要があるから忘れるのだと分析・結論付けました(偉そうに言うな)。人間の尊厳を保つことに勝利してスッキリした後なら尚更忘れています。玄関の鍵閉めたらトイレ点けっぱなしに気がついて絶望した回数は親の顔をみた数より多い。
というわけで、トイレ照明はスマートホームではなく自動化しました。
賃貸アパートなので大掛かりな工事は出来ない(そもそも電気工事士資格無い)のですが、既存のソケットと電球の間に人感センサーユニットを噛ませて自動点灯させるもの(大体2500円位)があったので、迷わず取り付けました。
効果はてきめん。完全にストレスフリー。地球上のトイレ照明はすべて自動化するべきだ。家の鍵を閉めてトイレの照明が点いていても「まあ、後で勝手に消えるしな」って最高に楽。忘れるも何も、もう気にしなくて良いんだよ。
◆さいごに
「忘れる癖」と「些細なことでストレスを感じてしまう性格」というのは心の中で起こる化学反応では相当たちの悪いものであり、その悪循環でどんどん暗闇を抱えてしまう人は自分以外にもいるんじゃないかと思います。
もちろん仕事とかで「絶対に忘れてはいけない」という場面もあるので、これが一概に良いとは言えません。人命に関わる仕事していると尚更それは感じています。
とはいえ、このストレスは最初は安っぽい些細なものでも一度生まれたら悪循環を引きおこしてどんどん負債が重くなるので、根本から絶やさねば心が破産するかの如く壊れてしまいます。リボ払いの地獄みたいなもんですわ。ここで上げたものは少々お金がかかったり知識を必要とするものもありますが、上記のストレスがそれだけで根絶やしにできるなら安いものです。
どうかストレスフリーになって、心の重荷を背負うことがなくなったら、美味しいコーヒーでも入れて軽くなった心で空を眺めてみませんか。
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