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国民は、旧姓の通称使用法制化を望んでいる(「日本の息吹」令和7年2月号より)

日本会議地方議員連盟
女性局幹事
東 まりこ  東京都議会議員
太郎田真理  石川県議会議員
藤沢ちあき  名古屋市会議員

社会で活躍する女性が増えている中、結婚後の改姓による不便・不利益が問題となっている。いま求められる施策とは何か―

■「選択的夫婦別姓」の問題点

― 結婚後の改姓による不便・不利益を解消するため、立憲民主党などが選択的夫婦別姓制度を導入しようと進めています。

 選択的夫婦別姓制度の導入について、平成3年の内閣府の調査では約7割が「子供にとって好ましくない影響がある」と答えています。この問題は、家族にどんな影響を与え、そして子供にどんな影響があるのかという視点でしっかりと考えなければならないと思います。

藤沢 私も家族、特に子供への影響が一番問題点になると思います。親と子の姓が違う「親子別姓」、また兄弟の姓が違う「兄弟別姓」になれば、家族の一体感が薄れてしまいます。

 また「『選択的』だから良いではないか」という声もありますが、子供への影響という点で、私の娘の友人が幼稚園の先生なのですが、もし夫婦別姓になった場合、園児の中には兄と妹が違う姓の家も出てきます。そして、その状態に率直に疑問を投げかる子供も出てくる。それで嫌な思いをしたり、子供たちに悪影響が多々あると危惧します。

太郎田 立憲民主党が進める選択的夫婦別姓制度は導入後、2年間にわたり既存の同姓夫婦にも「選び直し」の移行措置が提供されます。いま同姓夫婦でも別姓夫婦になったり、子供がどちらの姓にするか選択を迫られたりということが起こりかねません。私の住む石川県は令和6年、地震と豪雨災害に見舞われましたが、災害の中で、家族は励ましあい支え合っています。やっぱり家族が基本で大事なのです。夫婦別姓は、その一番大切な家族を破壊してしまう危険性があると感じています。

 また、日本には戸籍制度という世界に誇れる素晴らしい制度があります。これはご祖先を大切に敬ってきた日本人の心がこの制度に表れていると思います。

 そしてご先祖との繋がりのみならず、万一、遺産相続の時でも隠れた相続人を見つけることができたり、近親婚の防止、戦没者遺族に対する弔慰金であったり、戸籍を見て確認することができる大変優れたものです。夫婦別姓制度は、それを変容する危険性もあります。

■不便を解消してきた「旧姓の通称使用」の拡大

― 政府は「第5次男女共同参画基本計画」に基づいて、不便・不利益を解消するために、これまで「旧制の通称使用」の拡大に取り組んできました。

太郎田 高市早苗議員が総務大臣を務めていたとき、わずか1年間で、地方自治法であったり、住民基本台帳法、公職選挙法、消防法、放送法、電気通信事業法など、総務省が所管する法令を全てチェックされて、申請などの時に戸籍名しか使えなかったものを、全て旧氏単独や併記で対応できるように変更されました。1年かけて1142件を解決されています。

 それに関してですが実は私は、ずっと「押川」という名前を使っていましたが、不便さを感じませんでした。現在、パスポートも免許証もマイナンバーも各種国家資格も、旧姓の通称使用が拡大されています。経済界は改姓の不利益として、金融機関で旧姓での口座開設、また旧姓での不動産登記、研究論文などが旧姓のままで業績が引き継がれるようにすることなどを指摘していますが、これは選択的夫婦別姓制度を急遽導入しなくても通称使用の法制化で全て解決できる問題です。

藤沢 政府が通称使用の拡大を進めて、運転免許などで旧姓でも身分確認ができるようになっている点は本当に便利になっていると思います。

 課題という点では、先日、女性の議員仲間とお話をしたときに、小さなことですが、議員の当選証書について、旧姓で選挙に出ている議員の場合、その方の当選証書は戸籍名で来るので、皆さんにお見せしにくい。そういうこともあります。また銀行口座を議員名で開設しようと思ったときに希望する銀行で出来ないこともあります。「通称使用の法制化」を進めてこれらの課題を解決して頂きたいと思っております。

■「旧姓の通称使用法制化」の速やかな実現を求めます!

― 最高裁判決では、夫婦同姓を求める現行民法について、差別には当たらない、「改姓による不利益は旧姓の通称使用で一定程度緩和される」として合憲の判断がなされています。

太郎田 私は元々マスコミにいた人間ですが、今の報道は真実を歪めていると思います。令和6年のNHK世論調査では夫婦別姓に賛成か反対かの2択のみの質問で調査が行われ、「選択的夫婦別姓」に賛成が62%となりました。しかし、同じ年のJNNの世論調査では3択の質問で、「別姓制度に賛成」が26%、「同姓維持」が21%、「同姓を維持し通称法制化を望む」声が47%でした。「別姓導入」賛成が少なく、「同姓維持」は約7割だったのです。国民はファミリネームを守ることを望んでいるのではないでしょうか。国民に夫婦別姓の問題点が伝わらないうちに、LGBT法案のように簡単に通してはならないと思います。

 武蔵野市では「武蔵野市住民投票条例」が全国的なニュースとなりましたが、本当に正しい情報が伝えられず、切り取り報道がなされました。「夫婦別姓制度は、選択的だから今の時代に合っているよね」とだけ伝えられて、通称使用の法制化については、ほとんど伝わっておりません。「通称使用の法制化で大丈夫」、「銀行口座などの不便さ不利益も解消される」など法制化の意義を、国会議員の先生方と共に国民に伝えていきたいと強く思っています。自民党のみならず、保守系政党の議員の皆さんにも協力して貰うことが重要です。

藤沢 通称使用の法制化で解決できるのに、子供への悪影響を無視して選択的夫婦別姓制度を進めるのはおかしいと思います。通称使用の法制化について、詳しい情報を国民に伝え、何より地方議員の皆さんに伝えていくことが一番大事です。日本の伝統を守る、家族を守る。今、市会議員の中で署名活動のお願いしておりますが、その声をもっと国会議員にも伝えて参りましょう。

(令和6年12月12日インタビュー)


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