沖縄県から誇りある国づくりを —日本会議沖縄地方議員連盟結成へ向けて(「日本の息吹」令和6年2月号より)
日本会議沖縄県地方議員連盟 会長
座波 一 沖縄県議会議員
日本会議沖縄県地方議員連盟 幹事長
大浜一郎 沖縄県議会議員
玉城デニー知事に対し問責決議
— 沖縄県議会で10月23日(令和5年)、玉城デニー知事への問責決議案が提出されました
座波 この問責決議案は、今回9月議会で提出し、残念ながら与党多数(賛成23、反対24)で否決されました。問責決議提案に至った理由は、玉城デニー沖縄県知事が、辺野古埋め立てに関する設計変更(軟弱地盤の改良工事)を承認しないことが大きい問題でした。最高裁では、「国の指示は適法」で沖縄県が敗訴しましたが、この判決に対して、沖縄県知事が自治体の長として態度を示さず承認に至らないという違法状態はいかがなものか。これがまず一つです。
さらに沖縄県庁内で数々の県職員の不手際、ミスが露呈しました。(ミスにより、国から交付金、数億円が受け取れない事態も発生)
基地問題と県職員の手続きミスは、無関係に見えても根底には、知事が率先してリーダーの仕事をしていない結果だという結論に至りました。当初、むしろ不信任案を出すべきとの意見もありました。しかし今の沖縄県議会で我々は野党であり、数では僅かながら負けています。不信任案を出しても、おそらく否決になる可能性が高い。
しかし問責決議案であれば、与党の中からも賛同者が出る可能性がある。事前調整しながら、問責決議案に踏み切ったのです。
ところが、議会開会中の休憩時に、県職員と与党・県議会議員の飲酒が庁内で行われたという「飲酒疑惑問題」が発生し、結果的に与党が固まってしまったのです。
その結果、与党からは賛同者が出ず、否決という大変残念な結果となりました。
— 1票差だったそうですね
座波 採決の数からいうと1票差、1人差です。問責決議は結果的には否決されましたが、県庁職員内では、今回の最高裁判決に対する知事の対応は、職員の中でも議論が出ていましたし、議会で問責が行われた衝撃は大きいものでした。
県民意識としては、メディアを通じて「玉城知事が辺野古問題で頑張っている」というイメージが強くあります。しかし、県議会で問責案が提出され、その結果がたったの1票差だったことは、県民も大いに感じるところがあったと思います。
2年前の県知事選挙、それ以前の空気からするとかなり変わってきました。以前は基地問題を口にすると選挙にはプラスにならないので我々自民党でも、選挙で基地問題をあまり話さなかった。しかし今、正面から堂々と基地問題を議論できる環境になりつつあります。昨今の東アジア情勢などからも、基地問題はむしろ堂々と議論すべきですし、その結果、沖縄県政のあり方に対し、疑問視する声が出てきているわけです。
台湾有事、県民を如何に守るか
― 尖閣諸島の問題、また国で進めている有事の際の沖縄県民の住民避難の対応はどうでしょうか
大浜 私は尖閣諸島を抱える八重山選出なので、この問題について、毎回、県議会の一般質問等々で話をしています。恐らく今日も接続水域には中国船が来ていると思います。
知事は、この件について一切自分から抗議はせず、「国と国とで協議を」と言います。知事は当事者意識が無いと思います。
中国がEEZ内に敷設したブイの件に関しても、「国同士で話し合いに向けた解決を」と言っている。こんなのものを敷設させていること自体がおかしい。
中国は自分たちの理論で物事を進めてきます。最近、新しい地図を交付しましたが、その地図の中には尖閣が入っているわけです。これから彼らの理屈で圧力をかけてくるでしょう。すでに問題は起きている。それに対する備えをしないといけない。法体系の問題も含めて日本政府も本腰入れてやってもらいたいと思います。
台湾有事の際の国民保護に関しては、政府が九州各県と山口県に対して、沖縄県民の避難受け入れ要請をしたと報道で確認しました。しかし、沖縄県が九州・山口の各県に対してコンタクトを取ったという話は聞いていません。県からは積極的にこの問題に対処しようという姿勢も感じられません。具体的な計画についても、示されていません。一番の問題は、重要な沖縄県民の住民保護計画について、玉城知事のリーダーシップが全く見えないという点です。財務大臣も官房長官も、与那国島と石垣島の現地に来られ、意見交換をしているわけです。本来、県知事もしくは副知事が現場に入り、現状把握をすべきですが、していません。
国民保護法に基づいた避難の問題、またシェルターの問題、移動する際の公共インフラ整備の問題、その整備には難しい問題が多々あります。台湾有事は、いつ何が起きるかわかりません。台湾有事が起きたら、まず直接影響を受けるのは八重山地域です。だから八重山の人たちは、シェルターの議論などについては非常に関心が高いのです。さらには、台湾にいる日本人にとって最も近い日本は、与那国、八重山地域であることも忘れてはいけません。議論することは山ほどあります。政府には、具体的な議論を望みますし、私達もしっかりと当事者意識を持って、沖縄県が取り組んでいくように、促していかなければならないと思っています。
沖縄県地方議員連盟結成へむけて
― 沖縄県で地方議員連盟が結成されると伺っております
座波 今、沖縄県は知事の対応のまずさによって非常に微妙な立場に立たされています。だからこそ、日本国の一自治体として、しっかりと立ち、沖縄県民の安心安全、そして幸せな暮らしを守るため、組織を立ち上げて、県を正しい方向へと導くことが非常に重要だと考えております。
沖縄県は、地政学的に有利な立場にあります。防衛のみならず経済安全保障においても、沖縄が国家戦略の中で、日本の先陣として、東アジアにおける役割を果たせるものと確信しております。その意味で、沖縄での地方議員の結束は、非常に重要だと感じております。
大浜 今回の沖縄での議連立ち上げにあたり、九州に行き皆さんと交流しました。憲法改正など一つのテーマに力を合わせていくことは非常に有意義だと思いました。
国民保護問題についても、地方議員の仲間の皆さんが各県で議論していただき、県知事はじめ各自治体の県政でこの問題に取り組んで頂きたいと思います。九州の皆さんにはお世話になると思います。
議論・連絡・調整ができる仲間が増えることは非常にありがたいことです。ぜひ沖縄県も連携をとって皆さんと信頼関係を作りたいと思っています。どうかよろしくお願いします。
(令和5年12月1日インタビュー)