見出し画像

宇佐神宮~封印された神様〜①

宇佐神宮本殿

大分の観光ガイドには必ず載っている宇佐神宮もとい宇佐八幡宮。
神社に興味がない方でもこの名を一度ぐらいは聞いたことがあると思います。
伊勢神宮や出雲大社に比べると知名度も初詣の参拝客数も落ちますが、歴史的にはその2社に負けず劣らずの超有名な神社なんです。
有名どころだと鶴岡八幡宮や石清水八幡宮など全国に数多ある八幡宮の総本社で八幡信仰が始まった場所です。
そしてもう一つの顔として、古くは伊勢神宮と並び二所宗廟とされたところでもあります。二所宗廟とは、天皇家のご先祖様である皇祖神を祀っている所で、その中でも占いなど祭祀を執り行う極めて重要な場所のことです。現在は宇佐が遠いとの何とも雑な理由で分社である石清水八幡宮がその役を担ってはいますが…( ^∀^)
ちなみに「神宮」という称号も皇祖神を祀っている神社でしか使えません。
皇祖神として一番有名なのは昨今のアプリゲームのおかげで若い年代にも広くその名が世に知れ渡った太陽神・アマテラスですね。
宇佐神宮で皇祖とされるのは、第15代天皇である応神天皇とそのママの神功皇后です。
応神天皇は、4世紀後半から5世紀に君臨し、渡来人を用いて国家を繁栄させたとされる天皇(大王)です。中世以降は武神である八幡伸と同一視された言わば八幡信仰の顔的なお方です。
以上を踏まえた上で宇佐神宮本殿を拝んでみましょう。

宇佐神宮本殿正面図

僕は小学校時代、集合写真などを撮るときはセンターを狙っていくタイプの少年でした。理由は簡単、目立つから主役感があるから。
そんなでしゃばりで目立ちたがりの少年の気持ちになってこの写真を見てください。
何か違和感がありませんか?

「いや、センター誰やねん!!」

天皇家の祖先が祀られている日本でも名高い神社ならば、普通は一番目立つセンターにどーんと主祭神かつ皇祖神である応神天皇が君臨しますよね?
しかも八幡信仰の総本社ですよ?
これは応神天皇からすると、自分の誕生日会の集合写真で自分ではなくしかもよく知らない弟の友達辺りにセンターを奪われたような気分ではないでしょうか。

宇佐神宮の由緒によるとこのセンターをかっさらった比売大神という神様は、元々宇佐地方で信仰されていた土着の神であり、一柱の神の名前ではなく宗像三女神の総称とされています。宗像三女神とは、市寸島比売命・田心姫命・多岐都比売命の三柱の女神で神話によるとアマテラスとスサノオの誓約によって誕生したといわれています。福岡県にある宗像大社や広島県の厳島神社の主祭神として有名ですね。
宇佐地方は、海も近く古くから交通の要所とされていたため交通・航海の神様である宗像三女神を祀っていたとしても不思議ではありません。
現に宇佐神宮の奥宮である大元神社の禁足地には宗像三女神が舞い降りたとされる3つの巨石も残っているそうです。


宗像三女神

がしかし、宗像三女神は皇祖神とも関係が深く重要な神様ということに変わりはありませんが、皇祖を祀る国家的にも極めて重要な神社で実際の天皇と天皇の母上を押しのけセンターを張れるほどの神格ではないんですよね。
比売大神という表現は全国で一定数みられますが、特定の神を指す言葉ではなく、主祭神の妻や娘、あるいは関係の深い女性を指すことが多いんです。または、主祭神の巫女さんである場合もあります。
宇佐神宮の場合だと主祭神は応神天皇なので関係の深い女性と言えば母上である神功皇后ということになりますが三の御殿にしっかり祀られているんですよね。そして、宗像三女神は神代にスサノオから生まれた神様で応神天皇とは目立つ接点がないんです。母上である神功皇后は三韓征伐という今で言う朝鮮半島を征服した伝説から航海の神とも言われますが、意味合い的にもかぶっちゃいますよね。

では、仮に比売大神が宗像三女神でないとすれば誰なのか。そして主役である皇祖神を押しのけてセンターに君臨するおそらくかなり崇高である神の名をなぜ曖昧な表現で伝える必要があったのか。

何かミステリーを感じません?
ワクワクしません??(威圧)

そんな訳で次回は様々な識者さんたちの考察を参考に謎の神 比売大神の正体を暴いていこうと思います!











いいなと思ったら応援しよう!