ピュアな心

「寒っ」この言葉から始まる一日。

それはとても最低だった。いや、最悪。いや!それは人生で一度会うか会わないかだろう。

毎日のルーティーンと化している朝食、歯磨き。この時からおかしいと思っていた。

春なのに絶望的な寒さだった。ストーブをつけるとそこには

"室内温度1℃"

と表記されていた

「やばくね、今日。」と言いながらテレビをつけ、占いを見た。

「ごめんなさい。かに座のあなた、最下位です。ラッキーワードはちちんぷいぷい!」僕はハッとした。今日は金曜日、娯楽まであと一歩なのに届かない。

いいじゃないか一日くらい休んだって、だれなんだ?週5日は学校へ行ったり、仕事をすると決めたやつ...そう思いながら家を出る。

ここからが悪夢の始まりだった。

歩道に出た瞬間、何かに躓(つまず)いて転んだ。

痛いなんて言ってられる時間はない。と急いだ

すると次はT字路を抜ける直前に目の前を猛スピードのちゃりが通った。

やはり何かがおかしい。さっきから危険なことしか起きない。

占いが当たってるとは信じたくないが、信じたほうが身のためだろうと思い、僕は小声で「ちちんぷいぷい」と言った。

もう遅かった。目の前のキレイなお花が潰れていた。僕は心が痛くなった。

転んでできたケガなんてどうでもよかった。その日は学校を休んで家で本を読んでいた。

なにをしてもあの花が忘れられない。僕はもう一度「ちちんぷいぷい」と放った。

次の日、起きてすぐあの場所へ向かうと、潰れたはずのお花がお友達を増やしてゆらゆらと風に靡(なび)かれていた。

そこで気づいた。

ピュアな心は幸せを呼ぶ

                            

                             リョウイチ

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