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今日も猫がいる(!)。

今朝、妻が「赤ちゃんと猫のグリーティングが見たい」と言って、久しぶりに三人で海まで散歩した。

赤ちゃんは動物への興味が急激に増しているようで、犬とすれ違うと大騒ぎし、鳥が飛んでいると手を大きく振ってなんとか関わろうとしていた。

家族三人で海岸沿いの道を歩く。一番奥に砂浜があり、そこまで行って戻ってくるのがお決まりのコースだ。行きは二匹の黒猫とすれ違ったけれど、近づこうとすると岩穴や林に逃げられてしまった。赤ちゃんも「うー」と残念そうにしていた。

帰り道、行きに見た黒猫がおじさんになついて足にすりすりしていた。聞くといつもエサをあげているという。おじさんが腰につけたウエストポーチから袋入りのキャットフードを出して与えると、黒猫はペースト状のそれをしゃむしゃむとおいしそうに食べた。

赤ちゃんが触りたがっていたので、おじさんは黒猫を持ち上げて近づけてくれた。赤ちゃんは手を大きくひらいて黒猫の背に触れ、それからギュッ!とにぎって毛をむしった。黒猫はビクン!となって、以後近寄ってくることはなかった。黒猫が離れてしまって、赤ちゃんはうーと泣きそうになっていたが、自業自得である。

おじさんによると、海辺に住んでいる猫は野良猫ではなく「地域猫」といって、12、3匹いるのだけれど、みな去勢されて片耳がカットされているという。

そんな話をしていると、もう一匹トラ猫がやってきた。おととい、僕たちにすりすりしてくれた猫だ。たしかに片耳がカットされている。

「あれは ”ボス” だな」とおじさんが言う。なんでもよそから来た猫はこのボスの許可がないと住み着くことができないのだとか。なんでそんなことが分かるんだろう、すごいなと思いながら、トラ猫のボスとさっきの黒猫がじゃれ合うのを見ていた。

ボスはおじさんだけでなく妻の足にもすり寄ってきた。黒猫より懐が深いようで、赤ちゃんのおおきく、危なっかしい手がふれても大人しくしている。一方、赤ちゃんのほうは前にのけぞったり、横に揺れたりして抱っこひもから飛び出しそうなくらい大興奮だった。

「じゃ、わたしはこのへんで」と言っておじさんが去り、僕たちも黒猫とトラ猫と手を振って別れた。赤ちゃんだけはいつまでも遊びたがり、うーうーとうなっていた。どっちが動物かわからんなと思った。

赤ちゃんは動物(や動物のぬいぐるみ)をみると、普段は見せないようなやさしい顔になる。慈愛に満ちた、といったらいいだろうか。けれど、今日慈愛をもらったのは赤ちゃんのほうだった。まだ荒っぽい、ちいさな地球の新参者を快く(?)受け入れてくれて、ありがたく思っている。毛をむしっちゃってゴメンね。

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澤 祐典
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