「万引き家族」※少しネタバレ注意
「犯罪でしか繋がれなかった」
映画「そして、父になる」の是枝裕和監督最新作「万引き家族」を遂に今日も見てきました、この作品は第71回カンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞日本では28年ぶり(前作は今村昌平監督の「ウナギ」)
【あらすじ】 東京の下町に暮らす、日雇い仕事の父・柴田治とクリーニング店で働く治の妻・信代、息子・祥太、風俗店で働く信代の妹・亜紀、そして家主である祖母・初枝の5人家族。家族の収入源は初枝の年金と、治と祥太が親子で手がける「万引き」。5人は社会の底辺で暮らしながらも笑顔が絶えなかった。
イヤ~一言でいうと「This is Japan」って感じの映画でしたよ、都内に取り残された小汚ーい平屋だったりリリーフランキー演じる治(以下治)の小汚ーい下町のおっさんだったりどれもこれも「リアル、リアル、リアル」な描写の数々。
冒頭は治と祥太(城 桧吏)の万引きシーンから始まり、万引きした食材を家に持って帰ろうとした所を都内マンションの外に女の子ゆり(佐々木みゆ)が家を閉め出されてるのを治と祥汰が発見し家に連れて帰り、祖母の初枝(樹木希林)が腕などを見た時、無数の痣を発見し軟膏などを塗ってあげたり、ご飯を食べさせてあげたりその後家に連れて帰ろうとしますが、自宅のマンションの中からゆりの母親の「産みたくて産んだわけじゃない」と声が聞こえてき一晩家に泊めその後ゆりが家に帰りたくないという一言から一緒に暮らす
後日ゆりが行方不明になったことがニュースにもなり、リンという偽名を信代(安藤さくら)が命名する。
途中この信代は会社の人間に同僚が辞めるか信代が辞めるかリストラを突きつけられたり治が日払いの工事現場で怪我をし完治しても仕事に行かなくなったり
遂には祥太達のマネをしたゆりがみんなと同じように昔ながらの駄菓子屋で万引きを始めるようになる
その後、唯一定収入元だった初枝が死亡したがそのまま「葬儀する金がない」と家の下に穴を掘って死体遺棄をしたり挙句生きてるように見せかけ年金詐欺をしたりその様子を見てた祥太が段々と家族に対しての感情がここで薄れ始めてるのが見て分かった。
そしてある日いつもの駄菓子屋でゆりが万引きをした所祥太が駄菓子屋のおじさん(柄本明)に引き留められ駄菓子を貰うのと同時に「妹に万引きやらすなよ」と諭される僕の中ではここが感動というか、知ってて万引きを見逃していたおじさんはどういう気持ちだったんだろうとか考えさせられた。まぁこんな感じでざっくりと物語は続くのですが、でもなんだろ?
やってることは犯罪で駄目なことなんだがここまでしないと生活ができないというか「自分がもし同じ立場だったら」ってのも考えたりしちゃうよね。で題名の「万引き家族」は貧困からくる万引きだけじゃなく、年金詐欺、幼児虐待、ネグレクト、未成年売春、死体遺棄、少女誘拐、そして万引き
このどれもがこの日本社会で起きていることで問題で悪意を持ってではなく生活苦でついやってしまった方がいるこの現状、そしてこの映画で少年の祥太が生活のために万引きしてるシーンがあるが実際にこの現代社会で子供の10人に1人が貧困と言われている中で生きるために万引きをしてる子供も少なからずいるだろう。
そしてリストラなどありとあらゆる日本社会の問題を描いた、いわば問題提起と言っても過言ではない映画だ。
この映画文科省ががパルムドールを是枝監督を受賞したことに対し林芳正文部科学相が文科省に呼んで祝意を伝える考えを示したところ「映画がかつて『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、公権力とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないか」とHPにて発言した。確かにこの映画、文科省や政府が「おめでとう、祝ってあげようね」って感じではなく国の策によって同じように苦しんでる人たちがいるんだよそしてこの光側にいない人たちをしっかり見つけてあげて救ってあげてねっていうメッセージと「家族とは?絆とは?」ってのが伝えたかったんだと思う。
是非皆さんも劇場でこの映画を観てください祥太のとある事件をきっかけに流れが急激に進み万引き家族の全貌が明らかにされ映画鑑賞後考えさせられる作品になってます
因みにこの作品と似ている映画で「私は、ダニエルブレイク」という映画がありそちらもおススメです。http://www.longride.jp/danielblake/ ほなまた。
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