涙は 言葉にしない
死が悲しみならば
生きてることだって
産まれることだって
すべてが悲しみになってしまう
喪失感は心をひどく悲しませる
なにか大っきなものを失くした
ポッカリと抜け堕ちた胸に
つらくて 切なくて やりきれない
だれだって悲しみを抱えて生きてる
その悲しみが大きいほど語れなくて
そしてじっとひとりで堪え忍んで
けれど失くした何かを追いかけるのは
キミをくりかえし傷つけることになる
失ってはじめて
それが糧になることもある
失くしてようやく
そのお役目が果たされることもある
稲ワラは稲穂の亡きがらだけれど
これを糧とする小さな命もある
食べて生きて死んで朽ちて
そうやって命は掬ばれ巡ってゆく
いま この心に散る花も
ずっと向こうの未来には
なにかを連れて還ってくる
悲しみや苦悩が深いほど
静かに澄んだ花と散るもの
そんなひとは強くて優しい
だれかの痛みがわかるのだから
みづのたたえの ふかければ
おもてにさわぐ なみもなし
ひともなげきの ふかければ
いよよおもてぞ しづかなる
生きていることだって
産まれることだって
それが喜びならば
死もまた微笑みなんだ
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