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おれはMEXICOで「稲妻の天使」を推した。

よくきたな。おれは逆噴出鶏一郎だ。おれは毎日すごい量のテキストを書こうとしているがまったく書きあがらない。だが今回は特別に、おれがMEXICOで稲妻の天使とCORONAを飲んだ話を聞いてもらいたい。

逆噴射鶏一郎プロフィール:ひねくれ者のコラムニスト。ストリクスヘイブン出身のプレインズウォーカー。レガシー、モダン、パウパー、スタンダート、ヒストリック、エクスプローラー、ブロール、統率者などのさまざまなフォーマットに挑戦し、すべてにおいて結果を残さず引退しています。

おまえは「旧枠モダン」を知っているか?


簡単に説明すると、モダンで使用できる旧枠時代に刷られたカード(再版されたやつら)だけを使うフォーマットだ。その特徴は、「ラノワールのエルフ」や「シヴ山のドラゴン」といった、おまえのママンの得意料理である激ウマのナチョスのように、なじみ深いカードたちを存分に楽しめること。
ただし、昔のぶっ壊れカードや、最近のぶっ壊れカードは使えない。悪く言えば地味だが、それが味だ。
そして、おれは、このフォーマットに真の男になるために必要なMEXICOを感じている。
もしおまえが「旧枠モダン」に興味を持ったなら、真の男たちが書いた他のNOTEもぜひ読んでみてくれ。

MEXICOで家に引きこもるやつは、しぬ。


おれは前回、「ディミーアコントロール」を握り、ブラザー(性格がチョーいいやつ)が使う「セレズニアアグロ」にボコボコにされた。

MEXICOで生き抜くおれは、過去にコナンが押していた奴隷バーのような業務をしていたこともあり、簡単にPPAPサイクルを回せる。

P プラン (計画)
P プラクティス (練習)
A アクション (実践)
P プラクティス (練習)

これは、真の男であるバランデスが、マフィアにヤクをさばくことを手伝わされている少年に、明日を生きる希望を持たせるため、ギターを教えるときの台詞「練習しろ・・・毎日だ・・・」に通ずる、科学的に有効性が照明されているサイクルだ。おまえも回して行け。

そうして、サイクルを回したおれが思いついたデッキの弱点はこの3つだ。

大型クリーチャーが一度出てしまうと止まらない。
プロテクション黒のやつには何もできない。
「ネビニラルの円盤」は遅い。

そして、この3つの問題の本質はもっとシンプルだ。戦略が後手に回りすぎていることだ。

守りの面では最強の「冥府の悪霊」がいるが、攻撃に転じたとたん、目の前の3/3の象にモジモジしてしまう。
「ミシュラの工廠」は、プロテクション黒のやつを防ぐのに手一杯。
一応フィニッシャー枠として入れた「隆盛なるエヴィンカー」も、CORONAの飲みすぎで寝てしまったのか、まったく手札に来ない。

そんなこんなで、打ち消しも除去も尽き果てたころ、「セラの天使」がおれをしばき回す。おれは何もできなかった。END OF MEXICO・・・。

だが、おれは知っている。

真の男であるコナンは、囚われの姫を救出したのち、廃墟に罠を仕掛け、追手を迎え撃ち、撃退した。
だが、それだけでは終わらない。最後には敵の本拠地ダークタワーに侵入し、ボスであるタルサドゥームを打ち取った。

つまり、勝負を決めるには、ただ守るだけではダメだ。どこかで攻めに転じる必要がある。
MEXICOも旧枠モダンも同じことだ。

MEXICOでは、「ジェスカイ」のことを「トリコロール」と呼ぶ。


かくしておれは、新しいデッキを組んだ。その名も「トリコロールエンジェル」。
レシピは「旧枠モダンExpress」(真の男が書いているNOTE。ライターの絶え間ない努力で毎月更新されている。感謝・・・)に掲載されているものを、ほぼそのままパクった。
おれは勝ちたかった・・・これ以上負けるわけにはいかなかった・・・勝つ為に手段を選ばなかった腰抜けのおれを許してほしい・・・。

さて、デッキの説明をしよう。
「トリコロール」とは、赤、青、白を使用するデッキのことだ。
NYなどでは「ジェスカイ」と呼ばれているらしいが、ここはMEXICOだ。「トリコロール」と呼ぶ方が通じると、サールーンで知り合ったHOTなベイブが教えてくれた。
旧枠モダン環境では、インスタント呪文の性能が高い。「対抗呪文」「稲妻」「火//氷」といった強力な呪文を惜しみなく使える「赤青」の軸。
さらに、「翻弄する魔導士」や「霊体の先達」のようなトリッキーな効果を持つクリーチャーを使える「青白」の軸。
この二つの「二色」を混ぜ合わせた、赤青白・・・真っ赤な太陽・・・広い青空・・・漂う白い雲・・・
おれたちの故郷、MEXICOの空の色、それが「トリコロール」だ。
だが、これだけではこのデッキの真価は語れない。
まだ触れていない部分がある・・・そう、「エンジェル」だ。
おれを真の男にしてくれた「セラの天使」・・・その名を受け継ぐもう一人の「天使」・・・
その名も「稲妻の天使」。


おれは初めてベイブと目が合った瞬間、様々なことを思った。

「飛行」・・・MEXICOの空を駆ける・・・自由なおれにふさわしい・・・
「速攻」・・・危険な弾丸が飛び交うMEXICOでは、迅速な対応をしないとすぐしぬ。ゆえに、即断即決できるのは真の男である象徴だ・・・
「警戒」・・・天使が持つ神聖さの象徴だ・・・大事なものを守りながら戦う・・・真の男だ。
「3/4」・・・「パワー3」なのは「稲妻」を使うからだろう・・・象を倒せるのが偉い・・・
「タフネス4」なのは、やはり天使だからなのだろう・・・象に勝てるのが偉い・・・
「赤青白1」・・・4マナは「燻ぶし」が効かない・・・偉すぎる・・・
「目が光ってる」・・・なぜアメリカ人は目が光ってる女が好きなのだろうか・・・謎だ・・・
「すごく電気が出てる」・・・なんかめちゃくちゃ帯電してる・・・
「背景が『稲妻』」・・・よくみると背景の雲が「稲妻」の雲と同じ気がする・・・トュイッターでイラストの豆知識を披露するハシュータグが出てきたら呟こう・・・」

そして、MEXICOの照り返す太陽がトレードマークのお店の通販で「稲妻の天使」をクリックする瞬間、有名なガンスリンガーの言葉が脳裏をよぎった。

「電気ビリビリで敵を倒せたやつは歴史上存在しない」ーー タカギガンドー

だが、おれは「稲妻の天使」を信じた・・・。


MEXICOでは三日もあれば相手の握るGUNー銃ーは変わる。


迎えたブラザーとの対戦。

なんとしてでも4マナまでたどり着く必要があるデッキであるため、最低限の除去と打消し、3枚の土地でキープ。

「火//氷」などを握れたのはデカい。
これは余談だが、「火//氷」は最高のカードだ。「火」の火力のバラマキはタイミング次第では「稲妻」より100倍強くなるし、「氷」は土地が触れるので、相手のアップキープに使えば「時間のねじれ」になり、エンドに立ててある島を寝かせば、「対抗呪文」をしのぐスペックのカードになる。
そしてブラザーは、セレズニアアグロであるため、マナクリを焼くカードを握れたのはほぼ勝てたと言って差し支えなかった。

そうして、先行を取ったブロは一ターン目に沼をセットし、おれのことを「強迫」してきた。

ブラザーはMEXICOの夜空のように黒い沼を手にしていた。

「火//氷」を叩き落された。

なんとブラザーのデッキが「黒単」に変わっていたのだ。

完全に計算外であったが、おれのデッキは3色使っているだけあり対応力も高い。

「ファイレクシアの闘技場」を打ち消したり、「堕落」を打たれたりしてるうちに、お互いのリソースは枯れ、消耗戦となった。

そうしてブラザーが「惑乱の死霊」を「発掘」した、おれは少し絶望しかけたが、”あいつ”が駆けつけてくれた・・・

一度でも通したら致命傷になる「惑乱の死霊」の攻撃を退けつつ、勇敢に攻撃してくれる「稲妻の天使」の活躍に、おれは痺れた。

この試合はこのまま「稲妻の天使」でマウントを取っておれが勝った。

後の試合では「骨砕き」の悪質タックルでおれのクリーチャーが軒並み骨折の後、引退を余儀なくされたり、ブラザーが「ファイレクシアの闘技場」の入場料が払えず自爆したり、「翻弄する魔導士」がトリオを組み、すべてを翻弄したりしたが、今回はこれ以上語らない。

MEXICOはおれに初心を思い出させる。


半端なクリーチャーは簡単に除去され、損をする。
おれがM.T.G.をプレイしてきて、なんとなく学んだことだ。

除去耐性のないクリーチャーはあほ。出した瞬間にアドバンテージを稼いでほしいし、生きてターンが返ってきたなら、試合を決めるくらいの活躍をしてほしい。
腰抜けのおれは、そんなことをクリーチャーに求めていた。
そして、ありがたいことに、その甘えを許してくれるクリーチャーが使えるフォーマットはたくさんあった。

しかし、いまおれは、何も身も守るものがない、有毒のとげを持つサボテンが生えるMEXICOの荒野を歩くことで成長を実感している。

3/3の象トークンが英雄になり得る「旧枠モダン」。
このフォーマットでは、他の環境とは“強いクリーチャー”の定義が異なるのかもしれない。
しかし、マナレシオ通りの強さ、納得ができる強さがMEXICOの強さであり、それはおれには必要なものだった。

かくして完璧で究極のマナレシオの「稲妻の天使」は、おれの推しになった。

もし、この話を聞いておまえが「旧枠モダン」で自分の成長に必要なものを手に入れたいなら、真の男のためのNOTE「旧枠モダンExpress」の最新号をチェックしろ。

すべては、そこからだ。

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