全人類の人生のBGMにSAKEROCKを/ 何を聴いていいか分からない人に贈るオススメ曲集
*2016年11月に前ブログにて掲載したものを再編集しています
”SAKEROCKとは、人生のBGMである。”
私の言葉である。ちなみに今考えた。
正直、こんな風にSAKEROCKを好きなだけオススメしても面と向かって「また始まったよ」顔を見なくていいなんて、幸せを歯ぐきから血が出るほど噛みしめています。
SAKEROCKとは。
2000年に結成された、リーダーでありギター・マリンバを担当する星野源、ドラムの伊藤大地、ベースの田中馨、キーボードの野村卓史、そしてトロンボーンとスキャットでおなじみの浜野謙太をメンバーに持つ、2015年に解散となったインストゥルメンタルバンドである。
「インストゥルメンタル」と聞いて、なんだかハードルが上がる人もいることと思います。
実際聴き始めた2007年当時JKだった私はインストルメントルがなんだか分かっていなかったし、今もインスチュルメンチュルの観点でサケロックを上手く説明しろと言われたら出来ない。
ただ言えるのは、それがとても自由な音楽だということです。
そしてSAKEROCKに関して私が言いたいことは一つ。
皆に聴いてほしい"い"い"ぃ"ぃ"ぃ"ん"ん"!!!!!!!
(机バンバンバンバン)
”うっかり死んでしまっても、このCDがあれば大丈夫。あの世で楽しく踊れます。”
2003年発売のアルバム『YUTA』のキャッチコピーです。
この言葉を見た時、SAKEROCKが何かが少し分かった気がしたのでした。
聴き方も分からないけれど聴いていると笑えるしうっかり涙が出てきたりもした。
ただただ自由に聴いて、ただただ自由に歌って足踏みできる。それがSAKEROCKのインスリンチュメンチュリンだと思うのです。
ちなみにSAKEROCKの曲達は様々な場所へ楽曲提供している他、テレビ業界の音響さんで知らない人はいないくらい番組のあちこちで流れているんですよ。つまり無自覚であってもSAKEROCKの曲を聞いたことがない人はいないはずなのです。
今回はとにかく明るくて聴きやすい、入りやすいような曲を集めてみました。
これを見て聴いてみて少しでも興味を持った方は、ぜひとりあえず導入に『SAKEROCKの季節』と『SAYONARA』をゲットしてみてほしい。きっと皆さんの人生にずっとずっと寄り添ってくれる曲に出会えるはずです。
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◼︎『MUDA』作曲:星野源
アルバム『MUDA』収録。
アルバム発売時、「これはSAKEROCK来たぞ……ッ!!」とニヤけた記憶があります。
ギターとリズム隊が最高にキマってて、メロディラインもキャッチー&ちょっとスタイリッシュな感じなのに、トロンボーンで口がふさがったハマケン以外での「あーあああーあああー」のコーラスが脱力してるギャップがすごくおもしろくって…!
この曲がリード曲となってるアルバム『MUDA』はこれまで散々友人に「インストはよくわかんないなー」と流され続けた私もまた誰かに全力でオススメしたくなるような名曲ぞろいで、意気揚々と友人に貸したりしたのですがそのまま未だ帰ってきてません。Aちゃん、これ見たら返して下さい。
◼︎『会社員』作曲:星野源
「会社員と今の私」「SAKEROCKの季節」に収録。
マリンバを全力で楽しめる一曲。このマリンバを初めて聴いた時「えっ?」ってなりました。「えっ?」て。なにこれすごない?って。マリンバが加わることでこんなにも曲に軽快さと可笑しさが出るんだなと驚きました。聴いてるだけできもっちいい。しかし源くんのマリンバは以降ひたすらに上手くなり続けて行くから恐ろしい。腕8つぐらいあるんかな?
そして特質すべきはMV。見て星野源ファンなら「あっ」と思ったかもしれませんが登場するスーツ着ながらすっごく変な踊りをしている男性は、源くんのソロシングル『夢の外へ』のMVにも出演するイデビアン・クルーの井出茂太さん。1:30あたりの動きがとんでもなく好き。どうやったらこんな淀みなく奇妙な踊りが踊れるんや。
今回はキャッチ―シリーズなので断念しますが、続くメンバーが演じるMVの『今の私』(作曲:田中馨)もぜひ聴いてみて欲しいです。というかこのCD買ってくれ。サケロックのラジオが60分入ってるし。まず大地君のファンになる事請け合いです。ハマケンによる伝説の押し語り『段ボール肉まん』も聴けます。
◼︎『ホニャララ』 作曲:星野源
アルバム『ホニャララ』、『SAKEROCKの季節』収録。
旧題「変な曲」というのも納得なピョロンピャローンとした感じ。インストという言葉で表現しないもので、「ホニャララ」っていう言葉で表現できないものを表現しているように感じるのがすごい。まさにホニャララな間抜けさ漂う曲です。聴いてると嫌でも難しい事考えられなくなるのでオススメ。
◼︎『菌』作曲:浜野謙太
アルバム『ホニャララ』収録。
細かくて軽快で明るくて愉快! 面接前とかナイーブになっちゃ困る時はこいつを一発ひっかけてやります。
◼︎『穴を掘る』作曲:星野源
アルバム『LIFE CYCLE』、『サケロックの季節』収録。
歌詞がある曲なので当然かもだけど、楽器が歌ってる!!!完全に歌ってる!!!ってなる。とにかく意味も分からず楽しい。何度かテイストを変え収録されているので、源くんソロ曲として先に聴いている人もいるのではないでしょうか。あの曲がバンド曲となるとこんななる?!っていう驚きがあるはず。
◼︎『七拍酒』作曲:星野源
サケロックオールスターズ「トロピカル道中」、「サケロックの季節」収録。
イントロからくそかっこいい。
元は大人計画でクドカン脚演の舞台『七人の恋人』に書き下ろしたものをサケロックオールスターズ(サケ+高田漣&ASA-CHANG)で撮り直したもの。舞台時は宮藤官九郎、三宅弘城、星野源の3人での演奏でクールで尖った印象だったのですがCD収録はなんだか仲間と旅してるような愉快さが加わってる気がします。
この曲が大好きなのはこの舞台の影響もあると思うのですが、『七人の恋人』はマジで最高にイケてる舞台なのでぜひ見てみてほしいです。大人計画には本当に珍しくDVD化されております。コントの面白さはもちろんのこと源ファンが可愛さに発狂出血死するマタニティ星野が見られるよ。
◼︎『慰安旅行』作曲:星野源
アルバム『慰安旅行』、『SAKEROCKの季節』収録。
2002年のデモCDも収録されているSAKEROCK初めの曲であり、間違いなくSAKEROCKの代表曲。異国を想像させるような音楽。
何を聴いたらいいのか分からなかった時代、ネットで見つけた「まずはとりあえず『慰安旅行』を聞け」という意見をそのままにCDショップへ駆け込んだ思い出。なんていうか、その私が初めて聴いた当時ですら彼らは20代後半で、そんでもってこの曲を作ったのが20代前後でっていう、年齢と曲とのギャップに恐れおののきました。どんな曲を聴いてどんな人生を歩んできたらこんなメロディや演奏に辿り着くんだろうと。
ベスト盤『SAKEROCKの季節』にはトップバッターとしてDEMOverも収録されています。所々笑い声だったり面白さが入っているのには『YUTA』のような雰囲気を感じました。そういう意味で確かに今とは違う、20代のSAKEROCKかもしれない、けどやっぱりSAKEROCKでしかない。SAKEROCKとはバンド名じゃなくもはやジャンルなんじゃないかと改めて思ったのであった。
◼︎『Emerald Music』作曲:星野源
アルバム『サケロックの季節』、『SAYONARA』収録。
上記2枚のアルバムではバージョンが異なるこの曲。ベスト盤となる『サケロックの季節』では新曲として発表、馨くん脱退後初の3人編成+サポートメンバーでの制作。源くんの病気もあり延期に延期したというベストアルバムだけれど、この頃は個人での活躍が本当に目立ってきていて作曲の源くんも『ギャグ』『地獄でなぜ悪い』とソロ活動が確立してきたような時期での新曲の発表。マリンバを強く推したこのころの源くんらしさを全面に感じつつ馨くん脱退の心細さを払拭してくれたような思いがしました。
そして『SAYONARA』には第一曲目としてリニューアル収録。本人が「これで完成した」と言いっているけれど、SAKEROCK5人の音で演奏した今verは、バンド感溢れるかっこよさを感じさせる前Verよりもぐぐっと落ち着いたものになっています。前者が寒色なら後者が暖色。ラストアルバムにして、SAKEROCKの代表曲と言える一曲だと思う。
◼︎『生活』作曲:星野源
アルバム『LIFE CYCLE』、『サケロックの季節』収録。
再生2秒で衝撃のハマケンの笑い声から入り若干客を引かせながらのスタート。しかしくそ名曲。
大人計画の松尾スズキ脚演の舞台『イケニエの人』にて挿入歌として書き下ろされた曲が元になっています。悔しいほどに残念ながらこの舞台を生で見たことはないのですが、後に動画で観た際には、憧れの松尾さんの舞台で、このキャスト陣が歌っている、この華々しい一曲を源くんが書いたのかと興奮と勝手な誇らしさで身体がガタガタしました。やっばいぜ。母ちゃん私をあと10年早く産んでくれよ。
動画は大人計画フェスティバルにての演奏with阿部サダヲ(同舞台でこの曲を歌っています)。生粋のサダヲファンでもあるので涎が止まらないっす。
◼︎『殺すな』作曲:星野源
アルバム『LIFE CYCLE』、『サケロックの季節』収録。
激しい。もう物凄く激しい。んでもってすっごいかっこいいの。
全員が全員感情をぶつけてる感じなんですが特に伊藤大先生の高速ドラムソロがくっそイケてる。「殺すな!」って止めてるのか「俺が殺すからお前が先に殺すな!」って追いかけてるのか「殺すな」言われて逆に殺しちゃうのか。
◼︎『Old Old York』作曲:星野源
トュコトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトトュコトッダンッに圧倒される一曲!ソゥレっ!
源くん言うにこの頃から人気が徐々に出始めたSAKEROCKは「癒し系」「カフェミュージック」と呼ばれ始めるようになり、それに対抗してとにかくハマケンのスキャットを入れたりしてカフェで流れたらすぐ変えたくなるような曲にしようとしていたそう。そのせいか『LIFE CYCLE』は歴代アルバムの中でも一番ハチャメチャな印象。インストバンドと思ってうっかり買っちゃうとびびります。
今曲も例に違わず。でもたまらなくいいの。良い曲なの。ソゥレっ!
◼︎『ラディカル・ホリデー』作曲:星野源
アルバム『Song of Instrumental』、『SAKEROCKの季節』収録。
本人いわく「ギターがあまり好きじゃない人が作ったギターの曲」。その通りにメロディラインはギターがメイン。でもそうかと思えば各楽器の出番もあって一粒で4度おいしい。ギターとドラムのシンプルな音で始まったかと思えば後半に向けて気づいたら盛り上がってる。思わず身体が揺れてしまうような気持ち良さ。いうなればSAKEROCKのお洒落番長のような曲。
個人的に一番初めに購入したアルバムが『Song of Instrumental』だったこともありアルバム共に物凄く思い入れがあります。だからかサケのアルバムを思い浮かべるときに一番に浮かぶのはこのアルバムのパッケージ。大判ポスターにして額に入れてベッドルームに飾りてー。
◼︎『Memories』作曲:星野源
アルバム『SAYONARA』収録。
「はじまりの春のような曲が作りたかった」そうですが、源くんを主にする優しいコーラスや口笛も含めた楽器の重なりがすっごく綺麗で少しさみしくてでもなんだかウキウキします。個人的にすごく好き。
◼︎『One Tone』作曲:星野源
アルバム『SAYONARA』収録。
ポップ過ぎずバラードなわけでもなく目茶苦茶に”ちょうどいい”曲だなと思ってます。 トロンボーンを中心としたパートとマリンバのパートの繰り返しが心地いい。
間奏の演奏している3人への星野&浜野「応援シャウト」はズルいw 解散ライブでもリアルに応援していて笑いました。
◼︎『Orion』作曲:星野源
アルバム『SAYONARA』収録。
とにかくノリが良い曲です。お尻振りたくなっちゃう。終始軽快な感じで続くのに反して?最後の全員での「HEY!」がびっくりするくらい男くさくて笑う。
◼︎『SAYONARA』作曲:星野源
アルバム『SAYONARA』収録。
解散発表後ラストアルバムのラスト曲として収録されたまさにSAKEROCKのラスト。
初期メンバーであり初めに脱退した卓史くんのピアノから始まるこの曲。そのピアノのメロディに「ふざけてんの?ラストだからって…ほんとに泣かせにくんじゃねーよっ!」と泣きそうになっていたら続くトロンボーンのメロディラインを聴き「ああ湿っぽくするつもりはないんだよかった」と顔がほころんだと思いきや段々今までの想いが走馬灯のように流れて行き「本当に良いバンドだな」と思っていたらリーダーでありバンドを結成させた源くんをスタートとするコーラスが入り「ああこれ5人がいる、5人がいるよ」とやっぱり泣いちゃってでも最後には気持ち良く空を見上げる自分がいる…そんな曲です。
MVを見てほしい。5人の清々しい表情を見てほしい。脱退したメンバーと最後にもう一度曲作りをするってどんな気持ちなんだろうと想像するけれど、それはきっと5人にしか分からないもので。でもそれを共有しているようなこのMVは見ている方にも否応なしに刺さる。
サヨナラなんて曲名、もう悲しくて何度も聴けないと思っていたら気づけば百億回くらい聴いていました。Oh,my baby Bye-Byeじゃないサヨナラはまた新しいstart、そんな曲です。
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アップテンポの曲を集めたので自ずと星野作曲ばかりになってしまったよ。
でもこれをきっかけに各アルバムに手を伸ばしてくれたら嬉しいです。
両国国技館での解散ライブは本当に素晴らしかった。
一度脱退したメンバーの卓史君、けいくんが揃ったあの舞台。思い出すだけで楽しさとさみしさで胸が熱くなります。
もうこれ以上彼らの曲に出会えないという事実に今も時々つらくなることもありますが、解散してしまったからこそもっと多くの人にSAKEROCKの曲を聴いてほしいとおもう次第です。
サブスク解禁、本当にありがとう。
全人類の人生のBGMに、SAKEROCKあれ…!
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