自室でのテレビ視聴環境を構築した記録
ご存知の通り、わたしはアニメを見る人である。近年は配信が充実しており、「DMM TV」や「Lemino」といった新興配信サービスも生まれている。その一方でDisney+やNetflixで独占配信されるタイトルも増え、配信があるから見やすくなったとは一概に言えない状況である。個人的には、最速で見られるメリットも大きいため、やはりBS11などでのリアルタイム視聴が合っているという感触がある。そのため、今も多くのアニメをテレビで見ているわけだ。
例えば、この記事を書いている現在放送されている2023年夏アニメを視聴方法別にまとめると、以下のようになる。
このように、6割近くをテレビで見ているという現状がある。これ自体に問題はないのだが、環境の方には少々問題がある。
そう、暑いのだ。
普段テレビを見ている部屋にはエアコンがなく、部屋の温度計は夏場は大抵31〜33℃をこちらに示してくる。扇風機などを使ってはいるのだが、暑いもんは暑い。特に土曜日の夜などは3時間以上続けてのリアタイ視聴となり、定期的な水分補給をしているとはいえ熱中症が危ぶまれるレベルであるように思う。
このリアタイ環境に対し、いよいよ「もしかしなくてもコレ、ヤバいな……」という実感が湧いてきた。『わたなれ』の6巻を読むまで死ぬわけにもいかないので、この環境を変えるためにわたしは動き出したのである。
ここで選択肢は2つあり、テレビのある部屋にエアコンを導入するか、あるいはエアコンのある部屋にテレビを導入するかである。しかし構造上エアコンの設置は厳しい部分もあり、また金銭面の問題もあるため、今回はエアコンのある自室にテレビを導入する方向で動くこととした。
問題と現状の理解
何か買うという行動の前に、問題と現状を理解しておく必要がある。まず問題について、せっかくならば関連するより多くの問題を解決したい、というのは人間の性であり、まずはその問題を炙り出すことが重要だ。
最優先すべきは先に述べた暑さ問題で、冷房を効かせた部屋でテレビが見られるようになることだ。
個人的には、現状のテレビでは同時録画ができず、録画したい番組が重なるとどちらかを諦めるしかない、という問題も解決したいと思っていた。例えば、今期アニメではBS日テレの『Helck』とBSフジの『アンデッドガール・マーダーファルス』が重なっており、連続2クールであり結局途中までしか録画できなくなる可能性もある前者を諦めたりしている。また、つい先日も『帰ってくれ タローマン』を録画するため、『レベル1だけどユニークスキルで最強です』の録画を泣く泣く打ち切ったところである。このような場面では配信に弱いNHKを優先して録画するべきだと思うし、そのように行動して後悔はないのだが、やはりあのとき録画できていたら……という感情がないわけではない。
また、家族との競合も稀に起こる。父が大河ドラマを見るため、BS11が日曜の19時〜21時に特番編成を組んでくるとここが被ってくる。これまでは毎回交渉を行っていたりしたものであるが、どちらも見られるに越したことはないだろう。
テレビ関連で困っていることとして、他には雨の日にBSが映らないことがあるが、これはまあアンテナ側の問題なのでどうしようもないだろう。
ざっくりまとめると、「複数番組を録画できるテレビを自室に置けばよい」ということになる。
続いて、現状についてだ。幸いなことに、自室のコンセントの隣にアンテナの端子があった。また同様にLANの端子もあり、インターネット接続も問題なさそうだ。
また、デスク上には以前から利用しているモニターが鎮座している。I-O DATAのEX-LDH221DB、箱にはデカデカと「EXH221」と書かれている、通称「橘雪乃モニター」である。「ExH」とも略されるオリジナルアニメ『Extreme Hearts』で2月21日が誕生日のキャラクターといえば橘雪乃だろう。
橘雪乃モニターには愛着も湧いているため、新たにテレビを買うというよりはこのモニターでテレビを見る、という方向性に落ち着いた。
となれば、必要なのはHDMIで映像・音声を出力できるテレビチューナーとなるだろう。
購入物の選定
わたしが真っ先に考えたのは、モニターとの相性は良い方がいいよね、ということである。なんとも都合の良いことにI-O DATAはテレビチューナーも販売しているらしいので、まずはそこから見ていくこととした。
サイトには3種類のテレビチューナーが掲載されているが、GV-NTX1AはHDMI出力が不可能であるため除外できる。また調べていくと、どうやらHVTR-BCTX3とHVTR-T3HDTシリーズは“録画用USB-HDDのセット有無の違いのみ”であることがわかった。詳細は以下Q&A参照。
……というわけで、実質一択となったわけである。録画にも用いるため録画用USB-HDDは必要なのでHVTR-T3HDTシリーズを選択、これには1TBモデルと2TBモデルがあるわけだが、どういうわけかヨドバシドットコムでは2TBモデルの方が安かった(2023年8月16日時点で1TBモデルが35,420円、2TBモデルが33,690円だった)ので、2TBモデルを購入することとした。他社商品を調べても良かったのだが、3番組同時録画やスマホ等からの視聴など機能が充実していた点など、パッと見た感じではこの価格帯でこれを超えるものはないと判断したため、これを購入することとした。
またセットアップガイドを見ると、どうやらアンテナ端子から分波器というものを使って地上波とBS・CSを分ける必要があるとのことであったため、こちらも選んだ。無駄な接続をなくすためにケーブル一体型、またノイズ抑制のためケーブルの太いもの……と絞り込んでいくと、ホーリックのAE-642BKが良いのではないかという結論に達した。Amazonにもショップを置いており、送料も無料で1年保証がついていたため、販売元がAmazonではなくホーリックとなっているものを購入した。商品そのものに違いはないだろうが、こういうところも少しは気にしていきたい。
さて、ここまでで必要なものが出揃ったので注文して、あとは届くのを待つのみとなった。流石に額が大きかったので躊躇いもあったが、JCBのキャンペーンで2ヶ月で5万円以上利用すると山分けの恩恵を受けられること、また今年に入って既にクレーンゲームでそれ以上の金を溶かしていることなど、まあ買ってもええやろという感情が勝ち、わたしにしては悩んでいる期間が短かったように思う。録画機器であるため買うなら早いほうがいいのはそうで、遅くても8月26日の『サイダーのように言葉が湧き上がる』地上波放送までには決めようと思っていたので、まあ妥当なところな気はする。
開封から使用までと、ちょっとしたレビュー
注文から2日後、荷物が届いた。盆明けだというのに相変わらず配送の早いヨドバシとAmazonである。
で、とりあえずチューナーの方の箱から開けていく。
中にはHVTR-BCTX3の箱がそのまま入っており、それに加えて録画用USB-HDDとそれを接続するケーブルが入っていた。
型番を見るに、HDDは同社のHDPT-UTS2Kで間違いなさそうだ。奇しくも、元からテレビで録画用に使っていたHDDと同じものであった。定価だと15,290円、ヨドバシドットコムでは9,730円となっているため、まあ値段的には別々に買っても大差ない気もする。
引き続いて、HVTR-BCTX3の箱を開けていく。
上の画像のものに加え、説明書やチラシの他にminiB-CASカードが入っていた。まあざっくり言うと「これとケーブル一体型の分波器があって壁にアンテナとLANの端子があればモニターにテレビの映像映るよセット」だ。逆に言えば、分波器が同梱されていない点には注意が必要である。わたしは別途購入しているので、抜かりなしといったところだ。
同梱物を一通り確認できたので、あとはケーブル類などを挿していく。この辺は付属のセットアップガイドを見てやれば良い。ちなみにWEB上にPDFで公開もされている。リンクはこちら。色々なことが書いてあるが、とりあえずは
壁のアンテナ端子と入力端子(分波器)
モニターとHDMI端子
miniB-CASカードを挿し込む(赤が上)
コンセントと電源コード
壁のLAN端子とLAN端子
の順に繋いでいけばよい。また、わたし自身も心配していたポイントではあったが、HDMIがあれば出力端子のほうは何も挿さなくてもよいし、ネットワークはWi-Fiのルーターではなく壁のLAN端子に直接挿しても問題はない、と思う。
ここまで来たら、あとはリモコンに電池を入れて電源を入れるのみである。うまくいくと、このような画面が表示されるはずだ。
あとは画面の指示に従って設定を進めていけばよい。セットアップガイドの「こんな画面が表示されたら」も参考にしつつ、適当に。まあ最悪やり直せることではあるので……
初回設定が終わると、いよいよテレビを見ることができた。今のところ映りも好調で、問題なさげな感じである。2番組同時録画も試してみたが、上手くいっていそうである。
そしてこれで終わらないのが本製品である。スマホやPCからもテレビを見られるとのことだったので、そちらも試してみた。スマホはApp Storeで「REC-ON」と検索して「REC-ON App」を、PCはMicrosoft Storeで「テレキング」と検索して「テレキングプレイ」と「テレキングリモート」をそれぞれ導入し(たぶんAndroidやMacもそんなに変わらないと思われる)、起動するとどちらも良い感じに繋がってテレビを視聴することができた。ただ、多少の遅延はありそうな感じではあった。ただ10秒あるかどうかくらいなのであまり気にはならなかった。また自宅から離れた4G回線下ではうまく接続できず、いやまあよく考えればそりゃそうだろという感じではあるのだが、Wi-Fi環境ではどうなのかとか、諸々の設定とかを見直したりして、できるようになるのか試してみたい。何かあったら追記するかもしれない。とはいえ、わたしはこの機能目当てで買ったわけでもないので、とりあえず保留。
あと気になったこととしては、リモコンから画面のオン・オフや音量変更、出力切替などは行うことができなかった。これはモニター側がそういうものなので、と言ってしまえばそれまでだが、せっかく同じI-O DATAの製品なので、対応してくれるとたすかる、くらいな感じの気持ちは残っている。まあそんなに手間でもないのだが、テレビの音量が12,13くらいがちょうどいいのに対して普段Switchは5くらいなので、しばらくは爆音に注意しないとな〜、という……
また、レビューで多く目にしたこととしてファンの音があるが、これは多少気になる程度ではあった。テレビを見ているときはテレビの音もあるので言うほど気にはならないのだが、置いているのが自室ということもあり、寝ているときにHDDとの間で録画の関係の何かをやっている感じのときの音がそこそこ大きいように感じた。その辺も設定を見てみないと何とも言えないが、場合によっては下に何かを敷くとかそういう工夫をするかもしれない。この辺りも何か進展があればその都度追記することとしたい。
まとめ、それから少し先のお話
というわけで、とりあえず自室でテレビが見られるようになった。3日ほどリアタイ視聴を行ったが、以前に比べて非常に快適にリアタイできている。姿勢等はこれまでと勝手が違い多少落ち着かない感はあるが、まあ慣れだろう。気が向いたらその辺も整備していきたい。
残った問題としては、先に述べた外出先からの接続とファンの音の問題に加えて、置き場所の問題と、HDMI機器増えすぎ問題がある。暫定としてBlu-rayドライブ(PC用外付けドライブ。PioneerのBDR-X12JBK)を一旦撤去して置いているが、最終的には今回のテレビチューナー、Blu-rayドライブ、Nintendo Switchの3つを一箇所にまとめて置きたい。まあ学習机の引き出しの上をそのまま置き場にしているのが悪いと言われればそうなのだが……。HDMIに関しても切替機などがあるので、適宜購入・利用していきたい。これまで以上に挿し替えが多くなることが予想されるためである。ポケモンSVのDLCも目前ですからね……
余談だが、これを注文してから届くまでの間に近所のスーパーに買い物に行ったところ、「おさつスナック」が売っていた。秋冬限定のアレである。つまり、夏の終わりだ。今日も今日とて夜になってもテレビのある部屋は32℃あるが、これでも季節は冬に向かっているのである。冬になると今度は寒い日々になり、わたしはどてらを着込んで布団にこもるようになるだろう。暖房よりも布による暖を好むタイプの人間なので、エアコンがあるという点ではあまり自室であることによる恩恵は受けられないかもしれない。しかし、自室なのでベッドがあり、布団がある。これまではテレビを見て部屋に戻ると布団が冷たく、眠りにつくまで震える日々であった。しかし、これからは布団の中でアニメを見て、そのまま寝ることができるようになるだろう。これまでは憂鬱だった冬の夜が、今から少し楽しみになってきた。