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網走官有無番地にて その2

 三棟二階での健康観察期間が終わり、新入工場へと移り、あと一週間で作業指定という所で、コロナが原因で工場が止まってしまい、結局丸三か月を新入工場で過ごすことになりました。

 ようやく配役となったのは希望通り「図書統計」で、僕はこの日から統計係として作業をすることになったのです。
久しぶりに触るWindowsはどこか懐かしさを感じたのですが、それもそのはず。
よ〜く見たらWindows7でした。パソコンに興味の無い方には、なんのこっちゃ?だと思いますが要はかなり年代物のパソコンを使っていたという話です。

統計の仕事は、受刑者の報奨金(給料の様なもの)を計算したり、皆さんがどれだけ作業をしたか、皆さんがどれだけ生産したか等のデータをチェックしたり、データを収集するなどの作業を日々行なっています。ここだけの話ですが忙しいのは月初めだけで、普段はかなりヒマです。僕はVBAを使ってゲー◯を作ったり、HTMLや Javascriptで作ったWebサイトをサーバーを立ち上げて公開したりして時間を潰していました。

新しい工場にもようやく慣れて来た頃、日本国内の全受刑者が待ち望んでいた年末年始を迎える事となりました。クリスマス、お正月、成人の日と立て続けにイベントが押し寄せて、その度に僕達の胃袋には、やれケーキだのやれおせちだの雑煮だのお菓子やコーヒーだのといったご馳走(?)が納められて行くのです。

「何を子供じみたことを!」と思う方もいるとは思いますが、これを抜きにして受刑生活は語れないし、これが無かったら理不尽に満ち溢れた刑務所生活には耐えられないのです。
詳細に付いては、次回の「その3」にて執筆する予定です。

         その3へ続く

PS
「その1」公開から随分と時間が経過してしまいましたが、それには訳があり、実は同じ保護会で生活している、ゴトーサンから、とある作業を依頼されたからなのです。ゴトーサンもnoteにて「獄中絵日記」なるものを執筆しており、受刑生活でせっせと書き溜めた絵日記を記事にしているのですが、雑記帳の日記を文字入力して欲しいと頼まれ、軽い気持ちで引き受けたのが運の尽き。次から次へと雑記帳を渡されひたすら入力に没頭している内に時間が過ぎてしまいました。合間を見ながらようやく「その2」を公開できましたが、渡された雑記帳はまだ残っており、しかも依頼予定の雑記帳がまだまだ控えているとの事で、「その3」公開は果たしていつになる事やら。乞うご期待。笑笑



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