インサイダー取引が当たり前となった金融の世界 〜”自社株買い”が株を20%押し上げる〜
米国の株価時価総額は、NYSEとNasdaqで約6000兆円です。
NYSEは大型の優良企業銘柄、ナスダックはハイテク系ベンチャー企業を中心とした銘柄と分けられていました。
しかし、ナスダックの上位銘柄を始めとしたIT・ハイテク関連銘柄が大きく成長し大型の優良企業銘柄となった。
近年ではNYSEでも新興企業株を取り入れ始め、NASDAQとの特性の差が小さくなってきています。
日本の東証が900兆円くらいです。
米国は6.6倍になる。
2024年度の東証の自社株買いは9.3兆円。
米国株では4000億ドル(61兆円)に相当します。
米国株の価格の20%くらいは自社株買いによる押し上げ。
東証でも自社株買いが日経4万円を超え(39,699円・2024年4月9日)の20%部分を占めていると推測します。
自社株買いが株価を上げるのは、EPSを高めるからです。
株式市場での流通株数を減らすので、株価を上げます。
直近のEPSランキング、ベスト10です。(全て自社株買いとは限りません)
例えば、何かと投資家の話題になるソフトバンクの2023年8月の自社株買いです。
この時に約100億円の資金を使った。
市場の株式数を6,772,400株も減じることになる。
このような”自社株買い”は、1899(明治32)年の商法制定以来、長く禁止されていたインサイダー取引です。
自己株式取得を認めないのは、①資本の空洞化 (会社債権者保護)、 ②株主間の公平性の確保、③不公平な株式取引の禁止 (会社による株価操作の禁止)、④会社支配権を巡る不公正な取引防止を理由とした。
かつて法律で禁止されていたにも関わらず、リーマンショック以降盛んに行われるようになった。
国際金融資本家によるルール変更です。
こうした常識も変わってしまうのが”金融の世界”です。
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