人口減の最大の問題は、経済ではなく「愛の喪失」です 〜生涯非婚、男性26%、女性12%〜
2060年の総人口は8,674万人と予測されています。(厚労省)
65%以上の人口比率は40%、生産年齢人口(15歳から64歳)の51%に減る。
40%に増えた非正規雇用の賃金は、年収200万円の低さです。
生活ができないための非婚化が進んだ事が、人口減の大きな要因です。
1980年の男性非婚率は、30歳から34歳の男性非婚率は10%です。
2015年には47%に上がり、4.7倍になった。
同じ年齢の女性は、1980年には非婚率が5%。
2015年には35%に上がり、7倍になった。
子供を産む世代の、この40年ぐらいでの非婚率上昇は驚くばかりです。
生涯非婚も、男性26%、女性12%と多い。
何度も結婚する男性が(女性より)多いことを示します。
こうしたデータを、私にのまえ流に分析すると、一言で言えば「愛の喪失の時代」に見えます。
一般的に”愛”は2種類あります。
1つは、家族愛。
もう1つは、夫婦愛です。(事実婚も含む)
子供がいなくては”家族愛”は生まれません。
一方、結婚しなくても”恋愛”すれば、理屈としては”愛”は生まれます。
しかし、”恋愛”では、”愛が生まれ育つ”確率は非常に低い。
何故なら、”恋”は、会っている時にワクワク・ドキドキすることですが、”愛”は人生を共にすることでしか育たないからです。
恋愛という言葉には、2つの意味が含まれる。
都合にいい時に会って、楽しい時間を過ごす事は”愛”とは違います。(恋愛に”愛がある”と表現する人がいても、別段構いません。人それぞれです)
もちろん、恋だけを繰り返しても、人生に何ら不都合はありません。
”愛”の本質は、人生での苦しいことや辛い時を共に支え合い、生涯に渡り、2人の全く異なる人生を”精一杯楽しむ”という考え方です。
家族愛の原点も、他人同士であった両親が愛し合った結果としての、子供との”家族”です。
つまり、現代社会は、客観的に言えば「愛を喪失しつつある」のです。
子供を作る、作らないという議論は、社会の仕組み(主に経済面)としては重要な課題です。
しかし、「愛を喪失した」社会の最大の問題は、経済面ではなく、社会全体の空気感が”荒涼とした社会” になる事ではないでしょうか。
経済問題として、生産年齢の激減、年金問題、定年問題、増税による年収減問題があり、政府や企業が個人の人生を支えてはくれないことは明らかです。
人口減は、過密な日本人の生活の解消であり、世界の先進国と比べても、長期的には”適正な人口”になると考えられます。(別稿で詳しく解説しています)
100年もの長い人生における、個々人の人生での「愛の喪失」は深刻に思えます。
「愛の喪失」した社会は、自分さえ良ければ良い、自分のことしか考えられない、という社会になりかねません。
日本人の5万年の歴史における、人口減よりも深刻な、最大の”未曾有の危機”と感じてしまうのです。