中国の不動産の大崩壊でも”金融危機”が起こらない理由
中国は、すでに実質的な金融危機になっています。
主たる原因として、不動産不況によるものです。
中国の不動産建設は、GDPの30%です。
1年分が不良債権化している。
推計5,000万戸(1億戸とも)ですが、金額としては1,500兆円です。
中国の不動産は、建設から引渡しまでに、いくつも売買(仲介)が繰り返されている。
1,500兆円分の売れ残り住宅があっても、会計偽装によって不良債権と認定されない。
例えば、不動産大手の恒大は倒産していません。
2024年8月、電気自動車(EV)メーカー恒大汽車傘下の恒大新能源汽車(広東)と恒大智能汽車(広東)は破産しています。
2024年5月、恒大は売上高11.7兆円の粉飾が発覚している。
それでも破産しないのは、会計処理上”売上の水増し”があっても、既に建設済みの住宅(在庫)は不良債権として認定されていないからです。
こうした巨大な不動産業界の衰退は、他の業界にも及び景気と消費の急速減退の悪循環となっている。
2024年9月24日発表、中国財政省は、新たな財政刺激策の一環で今年約1兆元(42兆円)相当の特別国債を発行する予定です。
消費刺激を主目的に1兆元、地方政府の債務問題対応の支援に向けて1兆元発行する。
この効果は、不動産業界だけの不良化(1,500兆円)と比較しても、非常に小さく見えるような対処療法(42兆円)であり限定的でしょう。
雇用の面では、中国は約9億人が一次産業(農業・漁業など)の従事者(?)であり、失業率に算入されないという計謀もあります。
中国は、不動産不況、消費縮小、金融機関の機能不全でも、人民元の暴落は起こらない。
外為市場での通貨の自由な売買が行われてないからです。
つまり、資本の自由化がないのです。
中国では、元でドルを買う金額は、貿易の輸入用のドル枠に限定されている。
日本でも、1970年代までは資本の自由化に制限があったのです。
1995年の金融ビッグバンから、資本は自由化され、円でドルを買うことに制限はなくなった。
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