BRICSの「カザン宣言」から読み解く、世界金融システム大転換の現状
2024年10月23日の、BRICS首脳が採択した「カザン宣言」では、経済・金融分野については、共同穀物取引所や越境決済で合意した。
ロシアは、一部加盟国に科された制裁の撤廃を求めたが、ウクライナ戦争については殆ど言及しないのは、(戦争開始から)ロシアが圧倒的に優勢だからです。
BRICS諸国は世界有数の穀物、豆類、油糧種子の生産国であることから、BRICS穀物取引所の開設を提案し、原油やガス、金属に拡大する見通し。
植民地主義から500年間続いた、欧米の穀物メジャーが世界の穀物を牛耳っていた形を変えるものです。
越境決済というのは、BRICS諸国とその貿易相手国との取引で自国通貨を使用することです。
世界的なドル支配の問題やBRICS単一通貨、暗号通貨に言及していない。
世界の株式市場は、1899年に米国14.5%であったものが、125年後の2024年60.5%となった。
1899年首位だった英国は、24.2%から現在3.7%と、日本6.2%より遥かに没落している。
米国一強の状態です。
BRICS単一通貨は、米国の投資形の話題になり続けているが、ロシアの戦争、中国のバブル大崩壊という状況での単一通貨構想は難しいようです。
米国のドルが世界通貨になった最大の理由は、かつての”世界の警察”と言われた、ダントツ世界一の軍事力を後ろ盾にするものだからです。
BRICS軍事力については、戦争で疲弊しているロシア、世界と戦ったことない中国、過去の英国植民地だったインドなどでは、遥かに及びません。
ロシアも、万一NATOとの戦いになれば負けます。
何よりも、軍事面で、そこまで11カ国が足並みが揃うことは難しいのが現状です。
そうした背景で、BRICS単一通貨は、当分は見送られるでしょう。
あるいは、BRICS単一通貨開始のタイミングとして、将来の世界のCBDC(中央銀行デジタル通貨)化の時期も考えられるが、現状では全く不透明です。
CBDCの概念は、ロスチャイルドなどの、グローバリスト主体の国際金融資本家による世界中央銀行支配システムが基礎になっている。
11月、トランプ氏が米国大統領となれば、中央銀行による金融支配システムは瓦解し、米国主導により世界各国は政府銀行へ向かうからです。
それほどの歴史的な転換期にある、世界金融情勢での、BRICS単一通貨構想は、実質的に実現不可能です。
更に、世界200カ国は、世界GDP総額の3倍の債務4京6,644兆円を抱えており、未曾有の金融破綻をしそうです。