グリステ考察・改
前回書いたノートが、あまりにも、あまりにも、あまりにもわかりにくかったので、ちょっとやりなおします。
前回よりわかりやすいと思う…!多分…!!!前回は考えながら書いたけど、今回は整理しながら書いたから…!!!!!
なので、前回「??」ってなった方も、目次見て気になるところあったら読んでください…🙏
あーーっ滅茶苦茶ネタバレです
今回はグリステを
・時系列
・悪魔の動き
・悪魔との契約
・悪魔って何?
の観点から考察します
まず、時系列
時系列
基本的に
夜に寝て
↓
童話に入り
↓
兄弟で考察して
↓
朝に起きる
そして、夢の中は現実時間とリンクしている
(怖がることを…直後、夢の中でヴィルヘルムがカーテンを開けたとき朝日が入るところから)
GRIMMの考察において重要なのは、歌う骨、リュックサックと帽子と角笛だと思うので、物語後半をピックアップして時系列を考察します!
✭
後半の大前提として、兄弟たちは入眠時間を意図的にずらしています。
恐らく兄弟的に
悪夢内にしか現れない悪魔。なら睡眠時間を狂わせて朝に悪夢を見れば、悪魔は弱体化してるのではないかって考察したところから、
ヴィルヘルムが入眠(夜)
ヤーコプが入眠(朝方)
VS悪魔!
みたいな展開にしたかったんだと思う。
しかし、あくまで上に書いているのは理想形。
実際の作中の夢時間は
✭✭
ヴィルヘルム入眠(夜)
↓
ワインを飲んで兄弟喧嘩(ヴィルヘルムの悪夢)
↓
歌う骨(ヴィルヘルムの悪夢)
↓
ヤーコプ入眠
↓
ヤーコプと悪魔(ヤーコプの悪夢)
↓
リュックサックと帽子と角笛(二人の悪夢?1時〜6時?)
↓
悪魔退治(朝6時?)
✭✭
(朝6時とかは作中で聞こえる時計の音からなんで、6時?朝じゃん?みたいなのは置いておいて)こう。
人の動きが整理したところで、次に悪魔の動きについて整理します
悪魔の動き
GRIMM内で悪魔は、黒いマスクをつけて表現されます
が、なんかもう後半に行けば行くほどごっちゃごちゃになる。
とりあえずわかりやすーく悪魔らしーく登場するシーンをまとめると。
✭✭
ルイーザと別れた直後、ヤーコプの前に現れる
↓
ヴィルヘルムの前に現れ、契約する(この後、兄弟内で“悪魔”の存在が共有される)
↓
鉄のストーブ後、兄の姿を借りてヴィルヘルムの前に現れ、契約を更新
(この時、ヴィルヘルムは兄の姿をした悪魔が悪魔だと気づけなかった。「悪魔だよ!」って言われてからやっと気付く)
↓
歌う骨後、弟の姿を借りてヤーコプの前に現れ、契約を更新
(この時、ヤーコプは眼の前にいるヴィルヘルムが悪魔だとすぐに気付く)
↓
ラストシーン
✭✭
で、ここに“マスクをつけていない悪魔”が加わる。
マスクをつけていない悪魔は主にヤーコプの姿をしていて、恐らく
ワインを飲んで兄弟喧嘩しているシーン
リュックサックと帽子と角笛の後半
は悪魔のはず。
(リュックサック…についてなんですが、少なくとも大砲の直後、椅子に座って後ろを向いたヤーコプは座り方的にも悪魔だと思う)
さっきの表にマスクなし悪魔を加えると、
✭✭
ルイーザと別れた直後、ヤーコプの前に現れる
↓
ヴィルヘルムの前に現れ、契約
↓
鉄のストーブ後、兄の姿を借りてヴィルヘルムの前に現れ、契約を更新
(期限の話)
↓
ヤーコプの姿を借りてヴィルヘルムの悪夢に現れる(兄弟喧嘩〜歌う骨)
↓
歌う骨後、弟の姿を借りてヤーコプの前に現れ、契約を更新
↓
リュックサックと帽子と角笛
↓
ラストシーン
✭✭
悪魔の動きが整理できたところで、契約についてもまとめます。
悪魔との契約
1ヴィルヘルムが契約
弟に真実の物語を与える。その代わり、編集して残虐な表現を消した物語の中で悪魔の怒りに触れた作品元に戻す。n/200作品
兄弟の対策→悪魔の怒りに触れた作品を見つけ出し、作品ごと全部燃やす
2夢の中で悪魔ヤーコプとヴィルヘルムが契約更新
編集を戻さないと、大切な人は死ぬ(その者にとっての悪夢を見続ける)期限付きなので、次会うときまでに間に合わなかったら実行します。
「生きるか死ぬかのサバイバルゲーム。」
(はけ口を間違えると、朝になったら大変)
3夢の中で悪魔ヴィルヘルムとヤーコプが契約更新
編集してほしいのは作品そのものではなく、童話集自体。悪魔が残してほしい作品以外の作品のブラッシュアップをするから、止めたかったら俺たちの世界に来い。
兄弟の対策→悪魔を現実におびき出し、光を浴びさせて殺す
悪魔がやりたいこと→夢の中で二人を殺す(現実でも死ぬ)のが先か、悪魔が兄弟に殺されるのが先かのサバイバルゲーム
これを整理します
悪魔側が提示した内容は
・ヴィルヘルムに真実の物語を与える。その代わり、グリム兄弟が改変した伝承童話をもとに戻せ。期限付きなので、次に現れた時までに元に戻ってなかったら「お前の大切な人は悪夢の中で死ぬし、現実でも死ぬ」
なので兄弟達は
1、伝承童話を漁り、自分たちが削った残虐表現や子ども向きでない表現を元に戻す
これが物語冒頭での解決策
それが
2、悪魔が怒ってる原因を探し出し、悪魔ごと全部燃やそう
に代わり、最終的に
3、悪魔をぶっ殺す
っていう割と脳筋的な解決方法でこの状況を脱しようとする
ぶっ殺す方法が、先述した
ヤーコプの生活リズムをめちゃヤバにし、うまい具合に悪魔を煽り、悪魔が
「なんかこいつの生活リズムめちゃくちゃヤバいから時間わからん。でも煽られたし、部屋暗かったら夜やろ。行ったれ」
みたいなノリで部屋に現れたときにカーテン開けて燃やす
っていう、ガバガバなのか綿密なのかよくわからない計画。
でもそもそも、悪魔は現実の兄弟の家に現れることが可能なのか。
そもそも…
悪魔って何?
悪魔ってマジで現実に来れるの??
悪魔は二人の心の隙間が産んだもの。
つまり、二人の精神世界に存在する。
そして、ラストシーン以前は必ず「夢の中に現れた」
で、「悪夢は悪魔が見せている」
…でもさ、悪魔って本当に存在するの?
ヤーコプが「俺たちの世界に来い」って言ってるけど、俺たちの世界って現実???悪魔来れるの?
これメタ的発言になっちゃう気がするんですが、作中で悪魔は兄弟どちらかの姿で現れる
ってことはもしかしたら、「心の隙間を作った原因である兄弟の片割れ」に向かった「悪意」が悪魔の形を取っているのでは…?
悪魔なんて、いないんじゃ…
ヤーコプはヴィルヘルムより先に悪夢を見始めている。でも、「悪夢が現れた」とは大々的に言っていない。
つまり、悪魔っていうのは、ヴィルヘルムが言った「悪魔が来たんだ」から派生した兄弟の共同幻想?
共同幻想ってことにしたら、ヤーコプの前に現れた仮面悪魔がヴィルヘルムの姿をしていたのに納得いくし、
ヴィルヘルムの前に現れた仮面悪魔(ヤーコプ)の仮面が外れたのも、なんとなーく言い訳がつく。
(そもそもお互いはお互いに対して滅茶苦茶コンプレックス抱えてる)
(ヴィルヘルムはきっと、兄と同じように入眠時間をずらして「一緒に悪魔と戦いたかった」んだと思う。
でも、ヴィルヘルム曰く「ヤーコプは自分のことを馬鹿にして」先に寝させている。ので、ヤーコプ個人に対してフラストレーション溜まって悪魔の顔がヤーコプになったのかな?と)
いやでも、これだと「二人が童話の中に入る能力を手に入れた」ことについての説明がつかない…って思ったんですが、これは「お互いを思いやる兄弟愛」ってことが理由にならないかな…。あと、「自分が作っている童話を愛しているから」みたいな…。そもそも能力戦っていうのはキカクのタネ序盤で決まってたことだし。
少なくともヴィルヘルムが初めて悪夢を見た7日目の朝の時点では、二人で夢の中にダイブしてる。(これは悪夢なんだーとか、目覚めたときにーっていう会話から予測)ので、なんかもう気がついたらふたりとも夢に入る能力がついたっていうか、あんまりこういうの深めないほうがいい気がした。
…とりあえず、兄弟の共同幻想が独り歩きした結果がこの騒動なのかな?って思った
まあでも、マジで悪魔が居るとかいないとかは、それこそ悪魔の証明になるけどね!!ガチで悪魔が現れたのかもしんない!!!
(でも、悪魔が兄弟の共同幻想の場合、夢の中でも現実世界でもどちらでも現れることができるね!!!やった!!)
さて、ここで、疑問を解決します。
結局ラストシーンで悪魔は現実に現れたの?
そもそも、ラストシーンは
夢? 現実?
二人が悪魔を倒すお話
悪魔が共同幻想にせよガチ悪魔にせよどちらにせよ、最後のシーンで悪魔を殺したのは
童話の中
だと思う。
その童話の名前は、「俺たちの復讐劇」
なんでそう思ったかーっていう理由なのですが、まず
悪魔と兄弟がクルクル入れ替わるところでは本持ってなかったのに、悪魔を倒す瞬間は本持って地の文を読んでます。
ちょっと前に書いたとおり、この物語は夢の中で
寝て→童話に入り→二人で考察し→起きる
っていう流れ。
ここから、悪魔と兄弟がクルクル入れ替わっているシーンは
朝じゃなくて、朝っぽい夢の中
なのだと考察。
夢の中だから悪魔も普通に存在するし、“レディ・プレイヤーワン”みたいに、夢の中の自分たちの作業場に悪魔を呼び出し
「リュックサックと帽子と角笛」→vs悪魔→「二人が悪魔を倒すお話」
に移動したんじゃないかな?って思いました。
また、ヤーコプが何度も
「自分たちの物語はいくらでも書き換えられる」
「俺たちの復讐劇だ!」
って言ってたことからも、悪魔を殺したのは童話の中だと考察。
(一夢に一童話って思ったけど、「怖がることを〜」→「鉄のストーブ」間にヴィルヘルムは起きてなさそうだから、1夢に1以上童話を見ることは可能なのかと。)
リュックサック内でヤーコプ起きてたけど、悪夢なら
1回起きてすぐ寝直す
っての結構やる気がする。知らんけど
なので、なので、
この物語の結論
二人が悪魔を倒したのは、夢の中の「二人が悪魔を倒すお話」っていう童話内の出来事。
夢の中で兄弟が死ぬのが早いか、悪魔が殺されるのが早いかのデスゲームをしているって言ってた。=悪魔も童話内で殺されたら死ぬはず
ので二人は、自分たちが殺される前に
「二人が悪魔を倒すお話」
を書いて、悪夢の中で読んだのかな?
多分
なんでこの話こんなにややこしいの?
理由は簡単で、二人芝居の上に叙述トリックを使いまくり、トライアンドエラーを繰り返し、進む方向もちょくちょく微調整し、兄弟特有のツーカーで説明をかっ飛ばし、“観客を騙してる”から。
キカクのタネの性質上、見に来るお客様は「こんな話だろう」って想像してから来る。ので、作品はその想像を超えないといけない。
兄弟も、まっすぐ悪魔と対峙してるわけでなく、また、“嘘”や“悪意の籠もった言葉”を言ってしまっているため、どこが真実でどこが虚構なのかがマジでわかんない。
ヤーコプ→内情を説明している兄弟喧嘩のシーンがそもそもヴィルヘルムの夢。つまり悪魔。しかもそれが判明するのが「喧嘩が終わった後」。ヴィルヘルムに対して内心コンプレックス抱えてるのがバレてるし、ヴィルヘルムに疑われている。
ヴィルヘルム→「悪魔」と「兄」の見分けがついていない。ので、彼目線で話を見ている観客も「悪魔」と「兄」の見分けがつかない。また、基本的にヤーコプを疑っているので(ヴィルヘルムが悪魔と契約する前から、ヤーコプは編集を否定していた。また、兄の失恋が悪魔が現れるきっかけだったのではないかと疑っている)、必然的に観客目線だとヤーコプが滅茶苦茶怪しく見える。
悪意→お互いがお互いを疎ましく思う感情から生まれたため、ひたすら“兄弟関係を壊しにかかってくる”
つまり、この作品は
悪魔と編集合戦をする
って放送で思わせといて
悪魔に関係性を捻じ曲げられながらも、お互いを信じ、兄弟であろうとするグリム兄弟の話
なのではないかな。ややこしい!!好き!!!!
まとめ
…わかりやすくまとめたつもりなのに、よりこんがらがった気がする。
でも、なんとなく自分の中で物語が見えてきたかも。もう一回頭から見返そう…(死ぬほど見てこの値段って3300円ってやっぱり安すぎない…?)
ここまで読んでいただいてありがとうございます…!これからもグリステ考察していく予定なので、もしよかったらまた見てください…!
拾えなかった考察
・リュックサック…内のチャイム
・イリーゼ
・歌う骨の直前、「お前の大切なものはこの童話の中で非業の死を遂げる」って言っておきながら、結局弟も兄もどっちも死んだし、なんなら弟の方が先に死んでる
・リュックサックと…では「童話内で死んだ兄弟」は現実でも死ぬっていう契約が生きてるはずなのに、ヤーコプは目覚めている
追記(8/23)
イリーゼを全部エリーゼって書いてます!!修正しました!!