【朗読後記】小川未明『野ばら』を読んで
今回初めて小川未明の作品を収録しました。朗読教室の課題になって読んだことは何度かありましたが、文体が自分の声に合わず、苦手意識が高く読めませんでした。
さてこのお話し、「野ばら』といういかにもファンタジーなタイトルですが、そういうお話ではありません。いつものように優しい文体ではありますが、力強いメッセージある作品です。この時代に読むべきものだと思います。
ある方の朗読を聞いて、私もぜひ読みたいと思いました。朗読を聞いて自分も読んでみたいと思えるのはいい朗読だと思っています。私が読んだものも、いつの日か誰かをそんな気持ちにさせるようなものになれたらといいなと思います。
読みの考察としては、2年くらい前と比べるとかなり違う声を使っているので小川未明の作品との相性もそんなにずれがなくなったかなと思います。作品の内容が明るいものではありませんが、最初からしんみり読むものではないと思い、前半と後半で変化をつけたつもりです。また込められたメッセージと私の気持ちとの距離感にも気をつけました。
今回もリズムある読みを目指しています。スピードを落とした時にのっぺりしがちで難しいです。体が覚えるにはもう少し時間がかかりそうです。
よかったら聞いてください。(約9分半)