【ラーメン】横浜家系だけじゃない!!

にのひろです!!

家系ラーメン。
あなたの街にも、一軒はこのラーメン店があるかもしれません。その名の通り、店名に「家」が付くことから、このカテゴリー名が称される。ヒストリーを紐解き、味の構造を腑分けする前にまずは「○○家(や)」の暖簾をくぐり、ラーメンを頼んでみましょう。

家系といえば、オーダー時に「お好み」を聞かれるのが当たり前です。

家系の醍醐味でもある自分セレクトができる味変のアトラクション


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麺は「硬め・普通・やわらかめ」、味は「濃いめ・普通・薄め」、脂は「多め・普通・少なめ」から自由にセレクトできる仕組みです。

そう、家系は麺の茹で時間、醤油だれの量、表面を覆う鶏油の量を自由に選べるカスタム性が特徴なのです。

好みのラーメンにカスタムできる。そんな要素はアトラクション的な面白さを伴い、80年代グルメブーム前夜の消費者に刺さりました。

卓上調味料による「味変」も楽しさを増す要素です。卓上に視野を広げたら、ズラリと並ぶ調味料群が目に入ります。家系の後乗せ調味料は豆板醤・生姜・ニンニクという基本に、店によっては行者ニンニクやおろし&刻みショウガ、酢、ゴマ、ニンニクチップなどバラエティ豊富です。

これらを自由に加えて楽しむ「味変」も大いなるアトラクションなのです。


日本人の舌に脂を!


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オーダーしたラーメンがトン、と目の前に置かれた。割り箸とレンゲを取りつつ、丼の中は麺は太めの平打ち麺、具は海苔3枚にホウレンソウ、チャーシューを乗せるのが定番のスタイルです。

表面が茶濁しているのは、豚骨と鶏ガラを炊いた白濁スープに醤油だれを合わせた「豚骨醤油」スープだからです。
表面をキラキラ彩るのは、鶏を炊いた時に採れる「鶏油」です。
表面を覆って鶏のリッチな香りを鼻腔に届けつつ、ラーメンのルックスを艷やかにするビジュアル効果も見逃せないです。


スープを口に運べば醤油だれのアロマが香り、口に含んだ濃厚な豚・鶏のエキスが味蕾を直撃する。
家系ラーメンのスープ材料は豚骨×鶏ガラがスタンダード。
大量の鶏ガラと豚骨を炊き込み、ゼラチン質とうまみ成分たっぷりのスープを仕上げます。


トラック野郎の創意を乗せ、走り出す家系ラーメン

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90年代~ゼロ年代にメディアに登場する際、吉村はねじり鉢巻代わりのタオル、白Tシャツにニッカボッカというスタイルをアイコンとしていました。

粗にして野かもしれないです。そのスタイルに共感を覚えた労働者は多かったかもしれません。


吉村のようなトラックドライバーたちは無数に列島を走り抜け、夢をハンドルに握り込んでいたのかもしれません。距離トラックの運転手、一番星桃次郎(菅原文太)とヤモメのジョナサン(愛川欽也)が躍動した人気映画シリーズ『トラック野郎』第一弾が公開されたのは、吉村家創業と同時代、1975年のことです。

吉村は当初、横浜市磯子区新杉田の国道16号線に並行する産業道路沿いに拠点を構えました
ここで近隣の工場労働者、そしてトラック運転手らの支持を集め、スターダムへ。
そして年月を経るうち、吉村家出身者はもちろん、同店の味にインスパイアされた開業志望者が「○○家」と名づけて独立、開業しました。

さらにそれらのフォロワーからも出身者が巣立ち吉村が率いる本店も横浜駅西口に拠点を移したが、横浜から神奈川エリア全体に「家系ラーメン群」が形成されていきます。

そして、トラックが行き交う産業道路「国道16号線」を伝播ルートとし、家系の種は各地に広がっていくのであります。

16号線沿いをたどってみたら、現在の家系シーンの主要店がリストアップできるほどです。

創業の地・新杉田で味を継承するのは直系の『杉田家』で、横浜は総本山の『吉村家』が覇を唱えます。

町田に進めば、家系チェーンで初めて東証一部上場を果たした『町田商店』(株式会社ギフト)のテリトリーです。
さらに埼玉に入れば、流行り病でも意気軒昂の『ラーメン山岡家』(株式会社丸千代山岡家)が初出店を果たした春日部、柏が見えます。
千葉に進めば柏。ここは近年ラーメン業界を賑わせるインフルエンサー『王道家』の本拠です。
郊外の主要タウンを結び、首都圏をぐるっと囲む日本最強の産業道路。この16号線が揺籃の地となったことも、家系の爆発的な広がりを後押ししたのかもしれません。

現在の家系は、吉村家や本家直系の本格派が王道を突き進みつつ、16号線のようなロードサイドでは町田商店、山岡家などのチェーンが多数出店しています。
幅広い層に家系を届け、裾野を広げる役割を担っています。都内では武蔵家や輝道家など、独自の磨き上げでネクストステージを模索する動きも活発しています。

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