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【ガストロノミー】9/29大江静也誕生日 記念Short Story:彼女のLove Sick
このお話は【ガストロノミー】のある日のサイドストーリー、ヒロイン目線のお話です。
※アプリゲーム内ミニシナリオをアレンジして再掲載です(アプリは現在サービス終了しています)。
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<アプリシナリオ>
彼女のLove Sick
雨でびしょぬれになって帰ってきた私を、静也さんは驚いた顔で出迎えた。
あなた「静也さん、帰っていらしたんですね」
大江静也「ああ。この雨で傘も持ってなかったから、
タクシーで帰ってきた。
それよりどこ行ってたんだ、こんな土砂降りの中」
あなた「いえ、その……買い物に」
(本当は、静也さんに傘を渡そうと迎えにいったのだけど……
入れ違いだったのね)
大江静也「お前、傘は?」
あなた「それが、風が強くて傘があまり意味なくて」
静也さんは溜息をつくと、タオルを持ってきてくれ、
濡れた服や、髪の毛を拭いてくれる。
あなた「ありがとうございます。静也さん」
大江静也「はやく、風呂に入ってきなさい」
あなた「でも、もうすぐお夕飯で……」
大江静也「いいから。そんな雨滴をまき散らしながら部屋をうろつくな。
風邪でもひいたら大変だ」
あなた「はい」
いつもの不器用だけど優しさが込められた言葉に、
雨に降られた冷たさも忘れて心が温かくなるのだった――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
翌日。
朝食時、私はどうにも食欲が無く、身体がだるいような気がした。
心配した静也さんは、すぐに弓彦先生を呼んでしまう。
あなた「弓彦先生、すみません、少し食欲が無いだけなんですが……」
大江静也「だけ、じゃない。明らかに顔色も悪いだろう」
大河原弓彦「どれどれ……」
そして私を診察してくれた弓彦先生は、苦笑混じりに病名を述べた。
大河原弓彦「風邪だね。まあ、あの雨風の中、外へ出て行ったのだから、
無理もない」
大江静也「……? 知っているんですか」
大河原弓彦「昨夜、エントランスで会ったんだよ。
凄い雨だし傘は役に立たないから、やめた方がいいって止めたんだけど、
傘を持って静也を迎えに行くって言うから」
大江静也「何だって?それは本当なのか?」
あなた「……」
大河原弓彦「……ん? 何か僕、悪いこと言ったかな?」
どちらの質問にも窮して、私は黙り込んでしまう――。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
弓彦先生が帰って、ふたりきりになった後、
寝間着に着替えさせられた私は、強制的にベッドに寝かされた。
大江静也「先程の件、どうして言わなかった」
あなた「静也さんが、責任を感じてしまう気がして」
大江静也「今の方が感じている」
あなた「それは……ごめんなさい」
大江静也「いや、謝るのはこちらの方だ。
悪かった……俺のせいで、こんな」
静也さんが切なげに瞳を伏せるので、私まで悲しくなってしまう。
あなた(そんな顔させるのが嫌だから、言わなかったのに……)
「謝らないで下さい。大丈夫ですから」
大江静也「いや……これは、償わなくてはならないな」
あなた「償うって……」
大江静也「待ってろ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
数刻ほどで部屋に戻ってきた静也さんは、私服に着替えていた。
手には、氷枕やおしぼりを持っている。
大江静也「仕事は休む。もう連絡した」
あなた「えっ」
大江静也「心配するな。今日は急ぐような案件もないし。
今日は一日つきっきりで、あなたの看病をすると決めた」
あなた「でも」
大江静也「もう決めたから」
頭の上に掌を載せられて、真摯に瞳を見つめられれば、黙り込むしかない。
大江静也「それにしても……熱いな。
氷枕に替えるから、頭を浮かしなさい」
あなた「はい」
大江静也「顔に汗もかいてる。拭くぞ」
あなた「ありがとうございます」
大江静也「氷枕だけじゃなく、氷嚢も使ったら、さすがに冷やしすぎか?
汗をかくだろうから、こまめに服も替えた方がいいな……」
あなた「……ふふ」
大江静也「どうした」
あなた「いいえ。静也さんが、一生懸命お世話してくれるのが嬉しくて」
大江静也「そうか」
あなた「でも、私は静也さんが傍に居れば、それが一番の薬です」
大江静也「そうか」
表情を和らげた静也さんの顔が近づいてきて、
私の両頬に1回ずつ口づけをくれた。
そしてくちびるが重ねられ、しかも舌が入り込んでくる。
あなた「……っ……!? いけません静也さん、風邪が移ってしまいます」
大江静也「そのためにやっている」
あなた「え……」
大江静也「お前が風邪をひいたのは、俺の責任だ。
だから、俺に移せばいい」
あなた「それはダメです」
大江静也「どうして」
あなた「ここで静也さんも風邪をひいたら共倒れです」
大江静也「うーむ……言われてみれば確かに。
俺まで寝込んだらお前の世話ができないから本末転倒か」
あなた「はい」
大江静也「そうだ、寝間着が濡れて気持ち悪いだろう。
着替えさせてやる」
あなた「えっ!? 自分で出来ます」
大江静也「ダメだ。俺の責任だから、お前の世話はすべて俺がやる」
あなた「でも」
大江静也「そうだ、もう眠ってしまってもいい。
着替えも、その間にやっておく」
静也さんが私を寝かしつけるように、抱きしめたまま背をなでてくれる。
その愛情溢れるその手つきに、逆にドキドキして眠れない。
――鼓動の速さがバレませんようにと、祈りながら、私は瞳を閉じた。
END
シナリオ:NINOYA
(2016年7月配信8月ガチャ”彼女のLove Sick”シナリオを改変)
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